武器輸出三原則等の緩和について

2011.12.27に政府は①平和貢献・国際協力に伴う案件、②防衛装備品等の国際共同開発・生産に関する案件の二点において武器輸出三原則等の一部緩和=例外化措置を採ることを内閣官房長官談話で発表した。それについての評論。
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fj197099 @fj197099

「防衛装備品等の海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話」(http://t.co/Kb6jMPNN)…やっと出た。安防懇で提言されて一年余、遅きに失した感はあるが正しい方向だ。ポイントは①平和貢献・国際協力に伴う案件、②防衛装備品等の国際共同開発・生産に関する案件だ。

2011-12-27 18:11:02
fj197099 @fj197099

この二点に関しては「従来個別に行ってきた例外化措置における考え方を踏まえ、包括的に例外化措置を講じる」としており、その基準としてある程度詳しい基準が示されている。前者については日本の同意なき「目的外使用」及び「第三国移転」を担保するよう厳格な管理を行うことを前提とするとしている。

2011-12-27 18:13:08
fj197099 @fj197099

後者も同じだが、事前同意の基準について「当該移転が我が国の安全保障に資する場合や国際の平和及び安定に資する場合又は国際共同開発・生産における我が国の貢献が相対的に小さい場合であって、かつ、当該第三国が更なる移転を防ぐための十分な制度を有している場合でない限り、付与しない」とする。

2011-12-27 18:15:52
fj197099 @fj197099

更なる具体化は防衛省や経産省、外務省などで検討されるのだろうが、まあこの内容は十分常識的で合格点と言えるものだ。法律上の「武器」の範疇は輸出貿易管理令の別表第一の一で定められているものに拠るが、この中には軍用ヘルメットだの防弾衣だの一般の「武器」のイメージと異なるものも含まれる。

2011-12-27 18:26:22
fj197099 @fj197099

平和貢献・国際協力に活用し得るこういったものまで一律に「武器」と捉えていちいち個別に審査対象にするのはどう考えても非効率的だし、我が国が「平和国家」としている基本理念との衝突も避け難いものだろう。国際平和協力分野において日本が「武器」の面で貢献できることもあるはずである。

2011-12-27 18:28:42
fj197099 @fj197099

また、国際共同開発への参加については、そもそもそれが今回の三原則等緩和の主要な目的だったのだから当然である。兵器がますますハイテク化していき、複数国間での国際的な共同開発が当たり前になる時代に、日本はこれまで如何に閉鎖的で視野の狭い考えをもっていたか、反省しなければならない。

2011-12-27 18:30:41
fj197099 @fj197099

今後はどのような案件で国際共同開発に参画できるかを具体的に検討すべき段階に入った。共同開発といっても簡単に参加できる訳ではない。基礎技術がきちんとあって貢献できるものでなくてはならない。共同開発から日本自身も技術的に得る所が無ければダメだ。複数国の認識の刷り合わせは困難な課題だ。

2011-12-27 18:32:55
fj197099 @fj197099

共同開発が全て利益になる訳でもない。F-35の開発過程を見れば分かるがあの計画はスペック面で欲張り過ぎて米国以外の参画国は機体の単価が高すぎて買うのを避けようとする惨状となってしまっている。リスクを避けるにはプロの視点がいる。一筋縄でいかない世界に飛び込むのだという認識が必要だ。

2011-12-27 18:36:28
fj197099 @fj197099

一言で言えばこれもTPPと同じで世界に積極的に輸出攻勢をかけていくためには防衛省をはじめとする安全保障の分野においても官民ともにビジネスのプロが必要になるということである。外国と安保上のニーズを刷り合わせて装備品調達の運命を共にするのだ。高い交渉力やビジネスセンスが求められよう。

2011-12-27 18:38:47
fj197099 @fj197099

武器輸出三原則等緩和をしたことで何か一仕事終えたような充実感に浸ってはならないということだ。本当に重要なのはこれまで余りに思考停止だった過去を反省し、今後の武器輸出/共同開発の積極推進のために猛勉強することである。それができる人の育成こそ重要である。今がスタートラインなのである。

2011-12-27 18:41:37
fj197099 @fj197099

面白い事だがイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、トルコ、韓国、それに無論ロシア・中国・米国等はどこも国家を挙げて武器の輸出促進に全力を尽くしているのに、それを「平和破壊国家」と非難する論調は日本のどこにも存在していないのだ。肝心な日本自身も米国からF-35を買う予定ではないか。

2011-12-27 19:01:26
fj197099 @fj197099

武器の輸出をもってアプリオリに悪とするこの発想、どこから出てきたのか正直理解に苦しむ。世界にはそういう発想そのものが存在しないのだ。無論国連の制裁対象国に対してや、かつてのココムのような敵対国への武器輸出制約の取組みは当然ある。それを別にすれば武器は売れた方がいいに決まっている。

2011-12-27 19:03:13
fj197099 @fj197099

武器(兵器)が売れれば売れるほど、国内の防衛産業は活気付き、兵器の単価が下がるから軍事費が少なくても充実した軍事力の構築(=軍事費の効率的な支出)が可能になるし、国内雇用も生まれる。武器輸出を通じて国際的な安保のパートナーを作ることもできる。本当に良いことづくめなのである。

2011-12-27 19:05:25
fj197099 @fj197099

無論、留保があることは前提である。目的外使用や第三国移転については事前同意が必要だし、国連の制裁対象国や人権侵害国に対して(その目的に適う)武器を輸出することは許容されまい。武器輸出が「紛争を助長する」事例も拡大解釈は禁物だがごく一部にあるだろう。だがそういう国はごく一部である。

2011-12-27 19:08:23
fj197099 @fj197099

世界の常識も知らずに日本だけが独りよがりに事実上の全面的な武器禁輸措置を採って「我が国は平和国家です!」と悦に入っているのは、外から見れば殆ど笑いものに等しい。そうこうするうちに日本の防衛産業が衰退して防衛の基盤が危うくなって何時か主権や安保に重大な挑戦を受ける日が来るのだ。

2011-12-27 19:11:19
fj197099 @fj197099

輸出貿易管理令(http://t.co/aIUTVx0G)の別表第一の一を見て下さい。ちなみに大量破壊兵器関連は二以下になります。@PaperWasp14704 因みに「武器」をどの様に定義しますか?

2011-12-27 19:19:51
fj197099 @fj197099

共産・市田氏「憲法の精神踏みにじる」 武器輸出三原則緩和の方針決定に(http://t.co/hqSgTH5p)…憲法には武器輸出するなとは一切どこにも書いてない。だから「~の精神」という言い方で誤魔化すことが慣例化している。昔から左派の使ってきた姑息な法の支配への挑戦である。

2011-12-27 22:12:15
fj197099 @fj197099

法律なら何でもそうだが、法で定められていない事をあたかも禁止事項であるかのように勝手な拡大解釈をするのは、要するに立法行為を蔑ろにしているのである。ましてや「武器輸出三原則等」という外為法の運用方針は、必然的に輸出や研究面での自由の制約を伴う。拡大解釈には慎重たるべきものである。

2011-12-27 22:15:40
fj197099 @fj197099

批判者は三原則等による武器輸出の事実上の禁止があたかも憲法上・法律上の根拠を伴うものであるかのように主張するが、実際にはそれは単なる運用方針であり当然例外として輸出も認められるのだ。これは憲法どころか法律上の根拠さえない単なる経産省の運用方針であるということを再度確認すべきだ。

2011-12-27 22:18:01
fj197099 @fj197099

三原則等緩和が何か憲法上の違反を伴うものであるかの如く錯覚しているようだが、これは前文とも九条とも全く無関係だ。それどころか、三原則等による事実上の輸出禁止こそ、営業の自由や学問の自由など、憲法上の条文に基づく様々な権利を制約する憲法違反なのではとの主張もあるほどなのである。

2011-12-27 22:20:14