ホルムズ海峡封鎖発言から想定されうる危機のエスカレーション

サイエリ・イラン海軍司令官及びラヒーミー・イラン副大統領によるホルムズ海峡封鎖発言に関し,今後想定されうる危機のエスカレーションの段階について概観。
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東京の郊外より @Mongoose2011

27日、イランの副大統領であるMohammad Reza Rahimiが、もし西側がイランの石油輸出に制裁を行うなら、ホルムズ海峡を通過する原油輸出を許さない、と発言・・・一気に危機感が高まるペルシャ湾岸です→http://t.co/NkrBV7b6

2011-12-28 19:17:58
Takuya Murakami @taku_almurakami

エスカレーションの現場にいるはずのオマーンだが、全く反応なし。政府が情報出さないと新聞も報道しないからなぁ… そもそもオマーン人に危機感がないから?

2011-12-28 20:43:54
Takuya Murakami @taku_almurakami

というぼやきはともかく、イラン側は「もしイラン産の石油に制裁が科されれば、ホルムズ海峡を石油が通過することはないだろう」(副大統領の発言)というラインであり、「軍事演習にはホルムズ海峡封鎖は含まれない」(海軍司令官発言)ので、先走りせずもう少し皆さん落ち着きましょう。

2011-12-28 20:51:16
Takuya Murakami @taku_almurakami

イランの石油に制裁をかけるということは、当然ながらその輸入先である中国、EU、そして日本が制裁に同意をするということ。事態はそこまで至っていない。そして、実際に制裁がかけられたとしても、イランにはどのタイミングで海峡封鎖を実施するかというカードが残っている。

2011-12-28 21:10:21
Takuya Murakami @taku_almurakami

イランの原油輸出を完全に止めることを狙ってくるならば、他の湾岸諸国の原油輸出にも影響を与えるよ、というのがイランの立場。イラン一国の原油供給が止まるだけで大変だというのに、サウジやUAE、イラク、クウェートの原油まで止まるとなると、先進諸国が被る損害は甚大になるでしょう。

2011-12-28 21:14:59
Takuya Murakami @taku_almurakami

イランの石油に制裁を課すということは、それだけの覚悟をもってやらねばならない。それがあなたたちにできますか?と聞いてきているわけだ。

2011-12-28 21:16:34
Takuya Murakami @taku_almurakami

日本だって、イランの核兵器製造疑惑に対して解決を求め、一部制裁に参加しているものの、原油の供給は何とか確保しようと動いているところ。それが原油の禁輸措置に方針を変えるとなるならば、イラン側の核開発疑惑がさらに濃厚になった事態を想定する必要がある。

2011-12-28 21:23:25
Takuya Murakami @taku_almurakami

そのときには軍事オプションのリスクも再考せざるを得ない事態になっているかもしれない。特に実際に戦場となる湾岸諸国にとっては。現在湾岸諸国はミサイル防衛システムの導入を急いでいるが、事態の進展に比べると実用化までの道のりは長い。

2011-12-28 21:32:21
Takuya Murakami @taku_almurakami

そもそも、ペルシャ湾を挟んでイランの対岸にあるGCC諸国は、中国と台湾のような関係にある。サウジアラビアとオマーンを除いて、戦略的縦深など全く存在しない都市国家は、その全土がイランの短距離ミサイルの射程内に収まる。

2011-12-28 21:41:09
Takuya Murakami @taku_almurakami

イランに軍事攻撃を加える場合、米軍がGCC諸国内の基地を利用することを想定しているならば、そこにはGCC諸国の指導者がそのようなリスクを抱えた上で、米軍の基地使用を許可するかどうかという視点が必要になってくる。

2011-12-28 21:43:52
Takuya Murakami @taku_almurakami

GCC諸国の対イラン感情を考慮すると、サウジやバーレーンはイランに強硬に出ることも辞さない構えだが、オマーンやカタールはイランとの共存を訴える立場にあり、UAE(特にドバイ首長国)は政治問題が経済関係の悪化を招くことを強く懸念している段階で、まだまだ危機の段階にあるとはいえない。

2011-12-28 21:48:02