E-ニンジャスレイヤー ~ロード・トゥ・カリュドーン・カップ~

公式note https://diehardtales.com/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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前編

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーを知っていますか?それは調理器具!「やあナンシー、何を持ってきたの?」「ニンジャスレイヤーよ。硬い野菜も簡単にチョップ。ほら!」「ワオ!タケノコがこんなに簡」「バンブーの切断をやめろ!」「誰だ誰だカットカット!」「バンブーは生きている!」「カット!カーット!!」

2024-04-01 12:03:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

……あなたは知っていますか、この伝説を。中庭にあるサクラの樹の下でアイサツを交わしたニンジャたちは、どちらかが爆発四散するまで死のカラテを繰り広げる!「ドーモ、ニンジャスレイヤーです。私を呼び出すとはいい度胸だ。カラテで決着をつけるとしよう」本日発売!サツバツメモリ0011ア1101100

2024-04-01 12:09:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆ピガッ!ピガガガガガガガガーーーッ!◆

2024-04-01 12:12:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

世界全土を電子ネットワークが覆い尽くしストリーム技術が普遍化した未来。宇宙殖民など稚気じみた夢。人々は灰色のメガロシティに棲み、夜な夜な配信サービス「ニンッチ」へ逃避する。ニンッチ配信者は敬意と羨望を込め「ニンジャ」と呼ばれた。ここはイーサイタマ。鎖国体制を敷く日本の中心地だ。

2024-04-01 12:17:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ニンジャスレイヤーが倒れたミニットマンに馬乗りになり、執拗なマウントパンチを繰り出す。「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」一切容赦なし。これはイクサだ。「ハイクを……詠め!」顔面を粉砕!サツバツ!

2024-04-01 12:21:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「サヨ、ナラ!」爆発四散したミニットマンの光を浴び、ザンシンするニンジャスレイヤーの赤黒の装束に恐ろしいハイライトが刻まれた。そして画面右下には「再戦」「待受」の選択肢が表示された。……「いったん、休憩しますね」コトブキは配信マイクに向かって言い、「待受」を選択した。

2024-04-01 12:23:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『おつかれ』『マジうまくなってね?』『かっこいい』『アガメムノンの当身、終わってんな』『you so good』『最近格ゲーやる事多いですね』チャット欄にコメントが流れてゆく。キャバアーン!キャバアーン!ファンファーレが鳴り、スシ🍣がドネートされると、画面上で2頭身のコトブキがオジギした。

2024-04-01 12:26:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コトブキは一息つき、ホットココアを飲んだ。「そうなんです、最近格ゲー面白くて……あ、ちょっと待ってくださいね」コメントに返信していたコトブキは、個別IRCへの着信を見て、瞬きした。「スミマセン、ちょっと急用が。皆さん、次回の配信も、よろしくお願いします!」彼女は人気ニンジャである。

2024-04-01 12:32:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

IRC着信は、たった今彼女がプレイしていた格闘ゲーム「ニンジャスレイヤー7」のプロプレイヤーであるガーランドからだった。以前のイベントで軽く知り合い、最近、何度かコラボ配信でコーチングを受けていたのだ。「モシモシ」『モシモシ。早速だが……カリュドーンカップの件だ』「はい!」

2024-04-01 12:35:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『配信中にオープンに連絡したかったが、込み入った事情でな。すまん』「大丈夫です!不用意なにおわせは避けています!」『その当たりの事は俺にはわからんが……本題だ。コトブキ=サン、カリュドーンカップのオファーがあったと聞いたが』「あ、そうなんです。よかったら、コーチングを頼めれば」

2024-04-01 12:38:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カリュドーンカップとは、人気ニンジャによる「ニンジャスレイヤー7」のトーナメント番組だ。コトブキは以前から、ガーランドとのコラボ配信を通し、ニンジャスレイヤー7の基礎を身に着けていた。対空ポムポムパンチのタイミング、ジキ・ツキのコンボも習得。一連の配信がウケて、オファーが来た。

2024-04-01 12:42:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

VHSビデオ満載の棚に囲まれた心地良い一室で行うコトブキのニンッチ配信は、今やかなりの人気コンテンツとなっていた。外界から縁のない暮らしをしていた彼女にとって、この上なく嬉しいことだった。そして今回の格ゲー企画。頑張りたい。「是非……」『それなのだが、すまん。先約が決まっている』

2024-04-01 12:46:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ま……まあ!」コトブキは目を見開く。青天の霹靂であった。しかし、たしかにガーランドとの練習はカリュドーンカップ以前から時折行っていたコラボに過ぎない。実際彼はトッププロであり、このような時は引く手あまただ。コトブキは呑気にしていた自分を悔いた。「何とか他の方を探します!」

2024-04-01 12:49:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『本当にすまんな……』「だ、大丈夫ですよ!それで、そのう、他のプロの方で、お付き合いのある方などいらっしゃいますか……」『ああ。実際、ヴァニティ=サンやザナドゥ=サンあたりを紹介しようと思ったのだが、彼らも既に他の人気ニンジャからの依頼を受けてしまっていた』「そうですか……」

2024-04-01 12:52:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

コトブキは大手ニンジャ事務所に所属しておらず、すべてDIYだ。その弱点が出てしまった。「大丈夫です、わたし、動画とかで勉強して臨みます」『……一人、紹介できる奴がいる』「本当ですか!どんな方ですか!?」『元プロ。今は現役を退いている』ガーランドは言った。『マスラダ・カイという男だ』

2024-04-01 12:56:25
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