デッド！ デダー・ザン・デッド！ ＃２

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。ジェノサイドです」「ヤモト・コキです」DDOOOM！破砕したフクスケがビルから下へ落下し、路上のペケロッパ・カルトを下敷きにした。「ペケロッパー！」「何か用か」ジェノサイドが敢えて訊いた。ジェットペインは指さした。「知れた事！貴公の逸脱を許しはせぬぞ。センセイに服従せよ」22

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「服従？」ジェノサイドが緑の目を険しく光らせた。「誰にだ。契約書あるなら見せろ。ここで破り捨てる」「ならば死すべし！」ジェットペインは叫んだ。「貴公は……」KBAM！ジェットペインが爆発に呑まれた。ヤモトとジェノサイドは高速飛翔してきた弾丸を見た。ナムサン。不運な対空砲火である。 23

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スタンピード・ストリート屋上の移動は危険で、上空は更に２倍危険だ。周辺地域の豪族企業はこの治安俗悪地帯から隙あらば流出しようとする凶悪ケモ犯罪者に常に手を焼いている。飛行者は即撃墜だ。見よ！数区画先「栽培マクネ」ネオン看板の横、対空砲の砲身が旋回しているのが見えるだろう！ 24

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「アバーッ！」ジェットペインは煙を吐いて回転したが、砲弾は強靭なゾンビーニンジャを殺すに至らず。「無礼者ーッ！」脚部ジェット噴射を行った彼はヤモト達の頭上で弧を描き、対空砲めがけ一直線に飛ぶと、頭突きで破壊！更に勢い余って「栽培マクネ」ネオン看板も破壊し、８の字に暴れ飛んだ！ 25

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「下へ！」ヤモトはジェノサイドを促した。思いがけず生じた隙に乗じ、二者はビルから真下のストリートへ飛び降りた。彼らが店舗テントを突き破って着地すると、「アイエエエエ！？」サバカレー鍋を混ぜていた店主が目を丸くして悲鳴を上げた。 26

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DDOOOM…！「来た」ヤモトが通りの奥を睨んだ。垂直降下して来るジェットペインだった。「なかなか骨のある奴じゃねェか」ジェノサイドが呟いた。「アイエエエエ！」「アイエエエエ！」ストリート市民が悲鳴を上げて逃げ惑う。「おい。追って来るぞ。なに待ってる」ジェノサイドがヤモトに尋ねた。 27

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ヤモトはいきなりラストリゾートの生首をジェノサイドに放った。 ジェノサイドは唸り、それを受け止めた。そしてヤモトの邪魔にならぬよう、やや離れた。彼女は得物の双刀「ナンバン」「カロウシ」に手をかけ、その場でイアイを構えた。「しつこいから、ここで倒す」　28

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彼女は陽炎の中でカラテをみなぎらせるジェットペインを見据えた。その眼に桜色の光が再び熾る。「街中をあのジェットで飛び回られたら、皆迷惑する」「違いねェ」ジェノサイドは荒れ果てたスタンピードのジャンク街並みを見渡し、肩をすくめる。「俺には糞溜めにしか見えねえが、まあ、街は街だ」29

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BOOOM！ジェットペインが態勢を変え、スケルトン選手めいて低空を頭から突進してきた！ジェットペインの身体はキリモミ回転し、路上のゴミが渦を巻いて舞い上がり、飛び散った！「イヤーッ！」ヤモトは二刀を鞘走らせる！「イヤーッ！」BOOOOOOOM！ヤモトのすぐ横をジェットペインが通過した！ 30

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「……アバーッ！」通過したジェットペインは絶叫と共に上に跳ねた！廃ビルの壁や「愛しTELイナゴ味」の看板に衝突、空へ再び飛び上がり……分解した。今の離合時に、二刀斬撃によって十字に切り裂かれていたのだ。「サヨナラ！」ジェットペインは真昼の花火めいて爆発四散！ナムアミダブツ！ 31

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ヤモトは息を吐き、二刀を鞘に戻す。サバカレー屋のおやじはすぐに戻り、何事もなかったかのように鍋を混ぜ始めた。ジェノサイドはヤモトにラストリゾートの生首を投げた。「で、どうする」「ストリートを出よう」ヤモトが答えた。「もう少し静かなところに。他のゾンビーも追って来るだろうし」 32

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「目算はあるのか？そもそも、後生大事にそいつの生首を抱えてる理由も確かめてなかったぜ」ジェノサイドは尋ねた。「ブードゥー・マジックでもやる気か」「そんなところ」ヤモトは真顔で頷いた。「こいつに話を訊く。まだ死にたてだから、大丈夫」 33

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「……」ジェノサイドはヤモトを見た。「昔のお前を多少思い出してきてるが……そンときより随分と、腹ァ据わってるようだな」「なら、よかった」ヤモトは頷き、微笑した。 34

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【続く】