#twnovel まとめ（2011/12/24-30）

銭喰 @zeniqui

#twnovel 少女の枕元に立ったサンタは一枚のメモを見つけた『パパが いないひ ママが よる くるしそう。しらない おとこのひとが ママをくるしめてるみたい。たすけてあげて』サンタは少女の頭を撫でて「大丈夫、パパが何とかするよ」と告げた。その夜サンタの服は、赤く染まった

銭喰 @zeniqui

#twnovel 親友と幼馴染みが並んで歩いている。同じクラスだから珍しくもない。しかし「あーあ、はやく告白すればよかった」後ろからの声にドキリとして、声の主に思い至り「別に」と返した。「ふーん？ま、私はその方がいいけどね」「そんなに俺をからかいたいのかよ」「…そうだよ、バーカ」

銭喰 @zeniqui

#twnovel 屋台の鉄板には青く輝くブルーレイディスクが並んでいた。「焼きブルーレイいかがっスか～」五百円玉を一枚店主に渡し、ディスクを受け取る。焼きブルーレイなんて何年ぶりだろう。熱々を舌の上に乗せてインストールすると、濃くて、大雑把で、屋台らしい味が想い出と共に溢れてきた

銭喰 @zeniqui

#twnovel 今年のカレンダーも、もうすぐ使い終わる。貴方は捲り忘れて新年を迎えてしまうことはないだろうか。もしそうなら気を付けた方がいい。捲り忘れたカレンダーは妖怪カレンダーめくりが捲りに来てしまう。彼はカレンダーを勝手に捲って裏紙をメモ帳に変えてしまうのだ。あと見たら死ぬ

銭喰 @zeniqui

#twnovel どんな相手でも腹上死させることで有名な女アサシンに追い詰められた。ベッドの上で縛られワクワクしていると、彼女は注射器を手にして言った「これは打ったあと激しい運動をすると死ぬ薬です」なんだか裏切られた気分だ。実際わりと普通で、納得いかなかったが、ちゃんと僕は死んだ

銭喰 @zeniqui

#twnovel 「外は“とり“や“ねこ“とかいう恐ろしいものがいるそうだな」「大したことはない」「では外に我らの脅威となるものはないか」「一匹、恐ろしいハムスターがおった」「なに同族か」「そいつは鉄のケージの中でゴウゴウと目にも止まらぬ速さで回転していた。やつこそ最も恐ろしい」

銭喰 @zeniqui

#twnovel 木の歯車がギギと軋んで、ろう人形の手がゆっくりと湯呑みに伸びた。直線的な動作で運ばれたお茶は、開いた口から注がれて胃の袋に溜まる。炬燵に座る老婆の動作は、生前のそれと変わらない。「おかあちゃん」人形師が呼び掛けると、ろう人形はこちらを向いて、しかし笑わなかった。