ブルアカ漫画九四式拳銃登場記念の九四式拳銃話

(おまけに三八式騎銃もいるよ!) 機嫌がいいので九四式拳銃についての質問もどんどん受け付けるよ!(答えられる範囲で) 適当にコメントしていってね!
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

ブルアカ漫画九四式拳銃登場記念 (おまけに三八式騎銃もいるよ!) 九四式拳銃話 comic-growl.com/episode/255068… pic.twitter.com/EoWTEMbS6P

2024-04-15 19:36:47
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

とにかくよく見るとグリップパネルの形状は木製のやつだ おそらくウィキメデアに登場する遊底後端は丸いけどグリップパネルは省略されている過渡期モデル pic.twitter.com/Xg4WgfJJgR

2024-04-15 19:39:04
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

九四式拳銃は主として将校用の小型拳銃として扱われるべきものである 十四年式拳銃実包を用い、その威力は精密に照準する場合九四式拳銃から発砲したとき、武装の兵に対して300m以内で有効である 現実的には50m以内でしか拳銃の射撃は行われないことを考慮すれば実用充分の性能を具備することがわかる pic.twitter.com/9QivVPAoXA

2024-04-15 19:43:19
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

本銃はショートリコイル式の拳銃である 銃身は基本的に真直ぐ退却する 閉鎖を司る閂子は左右均等にあたり、小型軽量で銃に余計な振動を生じにくい また復座バネは銃身に同軸であるためよけいな力を生じることはない このような振動を変に意識した設計は当時の日本の鉄砲界隈の流行りの設計ポリシー pic.twitter.com/VUdAp3b6PP

2024-04-15 19:51:29
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

とは言っても、この流行りのポリシーが本当に性能に影響したかどうかはいまいちわからない 最後にこのポリシー通りに作られたのは62式機関銃であろうと思うヨ 昭和五年の特許に基づくと思われる試作品の詳細な写真もある この銃の特許上大きなトピックとしては弾倉を抜くと逆鉤が動かなくなる仕組みだ pic.twitter.com/CSxgwPTbLH

2024-04-15 19:55:15
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

それ以外の大きなトピックはない 概ね九四式の仕組みはこの時点で出来上がっていたのがわかる 後に防塵覆いに関する特許が取得されるのであるが、ここでは九四式拳銃は完璧の姿となって現れる 防塵というのはなんとなく南部らしさを感じるが、私はこの他に南部らしさを感じたところはない pic.twitter.com/JrQCgV1IFM

2024-04-15 20:00:16
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

確かに引き金から逆鉤への力の伝え方は南部の好むやり方だけれど、昭和五年の試作品らしい特許をみた後だと、これも設計に行き詰まった若人に『こういう考え方もあるヨ』と例示したものがそのまま使われてしまった感じがある pic.twitter.com/Qt6EteczRL

2024-04-15 20:04:58
Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

さておき 九四式拳銃は将校准士官の軍装用拳銃を全く統一するべき銃として生まれた そして昭和17年2月5日陸普771号を以て、これ以降は将校准士官の軍装用拳銃は部隊から貸与される戦用品となり、またそれは九四式で整備されることと相成ったのである その瞬間九四式拳銃は名実ともにそうなったのだ

2024-04-15 20:11:19
Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

九四式拳銃は普段銃器に興味を持たず、また普段の運用などでまともに年次の射撃の消化もままならない将校のための取り扱いやすい拳銃でなければならなかったし、そうなったのである 弾倉さえ抜けば引き金が引けないのでそれなりの安全 この時代『とりあえず弾倉を抜け』が通用するだけマシなのだ pic.twitter.com/EGcJjzrJPp

2024-04-15 20:17:49
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

なんせ、『なんか詰まった』とかで引き金に指を掛けたまま兵器勤務のところに拳銃を持ってくる事例がしばしばあったくらいである 『とりあえず弾倉を抜け』で、それなりの安全性が担保される優しさを感じろ 安全装置は『それなり』なのであまり信用するな 先に弾倉を抜け pic.twitter.com/202deCmzb2

2024-04-15 20:21:39
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

本来九四式拳銃は硬い革の嚢に収められ、逆鉤は内側にあるからそれなりの安全は担保される 射撃の再興が予期されるときは弾倉抜いて安全装置をした状態で嚢に収められる 射撃をするときには弾倉を装置して安全装置を解くだけで射撃を行い得るのである 少なくともそんな鉄砲である pic.twitter.com/zsv85F9scj

2024-04-15 20:30:56
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

@STDelta13 射撃を中止する場合(すぐに射撃を再興する可能性がある場合≒戦場にある場合)は安全装置して弾倉を抜くのが取説通りだワニな… pic.twitter.com/zuQ3YkZNLL

2024-04-15 21:14:45
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

ちなみに海軍の場合薬室を空にして安全装置して弾倉を装置して嚢に収める 射撃をするときは安全装置を解いて遊底後部を摘んで引くのだ まあ、陸海軍でもこれが徹底できていたかは疑問なところがある とくに戦闘が予期されるとき嚢から出してテキトウにベルトにぶっ差すのが状態化していたフシがある

2024-04-15 20:33:51
Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

嚢の材質が革から帆布になったりと色々あってこの安全性の微妙な雰囲気は悪化していった感 逆鉤は本来銃床とほぼツライチであり、よっぽどのことがないと横からの接触では撃発しないはずである しかし生産不良も生じている 例えば写真の個体は逆鉤の前端を後加工でツライチになるまで削っている pic.twitter.com/67iwnnqM1M

2024-04-15 20:40:42
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

戦時生産のゴタゴタと検査体制のヤケクソ、最悪の個体を引き当てたら、その安全性は担保されないだろう まあそういった事故事例は残されていないが、残せてないだけとも言う 九四式は巷で言われるよりは安全であるが、しかし全く安全であったかと言うとそうでない 名状しがたいなんかなのだ… pic.twitter.com/6iDLQdWuFl

2024-04-15 20:46:38
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

それはそうとして私は九四式拳銃が好きだ 他に同じ構造の鉄砲がないという変なオリジナリティが好きだ そしてそんな変なのなのに、軍用拳銃として必要な性能はあったものだったのがなおさら好きだ 戦地に持ってけと言われたらちょっとためらう気もするけど(← pic.twitter.com/bQPvScdJC9

2024-04-15 20:52:54
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Meguro.K @meguro_o

後方部隊の将校では拳銃が重いし邪魔だし嫌だ・いらないって人が結構居たの面白い。 一方で戦場にぽつねんと放り出されると途端に軍刀でも銃剣でも拳銃でも良いのでとりあえず武器をほしがるところとか。 人間ってわがままよね。 x.com/C11katao/statu…

2024-04-15 20:48:58

4/17追記_暴発事例について

Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

歩兵操典付録その3『拳銃の操法』 日本陸軍の拳銃の取り扱いは概ねここにあるとおり 弾薬を装填のまま携行するときのことも書いてあるが、安全装置にして携行するべきとのみ記載している それはそうとして拳銃をこの通り振り回してみると楽しい pic.twitter.com/oN6SocZpeR

2024-04-17 19:01:35
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

海軍の陸戦操式から『拳銃教練』 海軍の場合射撃をやめたとき薬室を空にして弾倉を装置することがわかる とりあえずここまでおさえて pic.twitter.com/Wx9i3NvGH3

2024-04-17 19:01:38
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

九四式拳銃の場合、装填であれば安全装置は2つあるので基本的に両方した状態で携行するのが陸軍のやり方で、九四式拳銃の取扱法の通り安全装置をして弾倉を取り外した状態となる これはこれでそれなりの安全(現代的な意味での安全ではない) 射撃後に撃鉄を下ろしておくような記述も取扱法上あるが pic.twitter.com/ipV2uiQPe0

2024-04-17 19:06:16
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Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

取扱法案の方をみた感じこれは撃鉄バネの衰損を嫌がってのことであるっぽい  それは当時の日本のすべての鉄砲に言えることで、長期に射撃をしない場合薬室を空にして撃発した状態で保管される さておき

2024-04-17 19:11:05
Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

九四式拳銃の暴発事例とされるものは私の知る限り一例だけ  珊瑚海海戦のときの島崎隊長機の偵察員が被弾を訴えたもの ただ、先の海軍陸戦操式の拳銃の扱いをみれば、拳銃は射撃をするとき始めてスライドを引かれて装填となる だからこの人はもしかすると自らスライドを引いて― やめよっかこの話

2024-04-17 19:18:05
Wolfgang・Gottenberg【残余一万八千八百文字】 @C11katao

ということで実のところこの事例も有耶無耶になっており『本当に暴発なんですか』は突き詰めてはいけないことになっている 突き詰めたら誰も幸せにならないので…

2024-04-17 19:19:13