彩恵りり氏による、缶入りワインの腐卵臭の原因追及と対策の論文の紹介

分かり易いです。酸化防止剤の二酸化硫黄の濃度に原因。白ワインは二酸化硫黄が高めで、廉価なので缶入りに採用されやすいそう。
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近年市場が成長している缶入りのワインは、腐卵臭がするという苦情が時々あるみたいね。コーネル大学のMatthew J. Sheehan氏などの研究チームは、酸化防止剤の二酸化硫黄が缶のアルミニウムと反応して硫化水素が発生することが原因で、缶ワインに白ワインが多いことが関連していることを突き止めたよ! pic.twitter.com/N64B3LjkDx

2024-04-17 22:04:32
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Sheehan氏らは実験を重ねることで、酸化防止剤として使用される二酸化硫黄の濃度が、缶ワインが腐卵臭を発することと唯一の相関関係がある、と突き止めたよ。ワインの二酸化硫黄濃度は通常0.5~1ppmだけど、実験では0.5ppm以上の濃度の場合は4~8ヶ月で腐卵臭を発し始めることが分かったよ。

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缶ワインはボトルワインと比べると低価格、裏を返せば価値が低いものとみなされることから、高級感のある赤ワインよりも、より手頃な白ワインの方が市場規模が大きいんだけど、白ワインは赤ワインと比べて二酸化硫黄濃度が高い傾向にあるので、結果的に腐卵臭に遭遇する確率も高いことになるよ。

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もちろん、防ぐ方法はあるよ。実験では二酸化硫黄濃度を0.4ppmに抑え、かつ内側にエポキシ樹脂によるコーティングを施すと、硫化水素がほとんど発生しないことを突き止めたよ。酸化の懸念については、缶でもきちんとした密閉構造を作ることで十分に防ぐことが可能だとも見積もっているんだよね。

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ただし、缶の内側に薄いプラスチックコーティングというのは製造コストがかかる上に、リサイクルの際に燃焼して二酸化炭素になるなど環境負荷も高いよね。Sheehan氏らはより環境負荷の小さな材料でコーティングができないかどうか、材料を検討することを予定しているよ。

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[原著論文] Matthew J. Sheehan, et al. "Hydrogen Sulfide Formation in Canned Wines: Variation Among Can Sources". American Journal of Enology and Viticulture, 2024; 75, 0750003. DOI: 10.5344/ajev.2023.23069 ajevonline.org/content/75/1/0…

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[参考文献&画像引用元] David Nutt. (Arp 16, 2024) "What’s behind canned wine’s rotten egg smell? Cornell team IDs culprit". Cornell Chronicle. news.cornell.edu/stories/2024/0…

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