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形勢が不利なのは明らかだった。 しかしアルファに搭乗している潮は諦めていなかった。拳のハンマーナックルに高圧電流を流し、格闘家が試合前に己を奮い立たせるように自分の両拳を正面で突き合わせる。 誰もいなくなった廃墟の街で、第二ラウンドのゴングが今、鳴った。 (了)
2024-04-21 16:42:08秋がそろそろ冬へとバトンタッチしようかとしている肌寒い休日の朝、寝癖をつけたままパタパタと駆け寄ってきた潮から「すごい事があったの」と問答無用で談話室に連れていかれ目覚ましのコーヒーが冷え切って空になるまでのたっぷりとした時間を使って、
2024-04-21 17:00:13昨日見た夢の話を身振り手振りで話す潮にずっと付き合わされていた。 「つまりあれよね、アンタは昨日遅くまで漣と特撮ものの映画を観てたから、それに影響された夢を見ちゃった、と」
2024-04-21 17:01:13「そう、そうなの!すっごくリアルでまるで現実みたいに戦いながら痛いーとか怖いーとか思ってたの。夢だけど本当にすごかったんだから」 未だ興奮冷めやらぬ潮を前にして曙は大きくため息をつく。
2024-04-21 17:01:45「コーヒー淹れ直してくるわ。何かお菓子もないか探してくる」 っとその前に、と振り返った曙が突然潮のおでこにデコピンを喰らわせる。 しかも気持ち強め。 「い、痛いよ曙ちゃん、なんで?」
2024-04-21 17:02:18困惑する潮をビシッと指差して曙が説教する。 「さっきの夢の中であんたは私を助けるために自分を犠牲にしたでしょ。あれはダメ。夢の中でもそんな事しないで。いい?」 潮は何事か抗議しようとしたが、本気で怒ってる曙の顔を見て「うん、分かった」と返す。
2024-04-21 17:02:50曙ちゃんは優しい。夢の中とはいえ私が自分を犠牲にした事を本気で咎めていた。 その優しさが、潮にとって胸に染みるほど嬉しかった。 ━━でもね
2024-04-21 17:03:34談話室を出ていく曙の後ろ姿を見ながら「でも」と潮は微かな声で独りごちる。 「多分私は次も同じ事をするよ」 そう、親しい仲間に置いていかれて一人残されるのは、もう、もうたくさんだから…… 小鳥の囀りが遠く聞こえる談話室で、空席を見つめながら、潮は改めてそう決意した。 <了>
2024-04-21 17:04:57本当に終わり。 マキュロクロムさん(@makyurom )に依頼したアイコンに関連したお話でした。
2024-04-21 17:08:14PACIFIC RIM VS Kantai collection #tegaki_dt pic.twitter.com/WOQkAYNv05
2024-04-21 19:32:11パシフィック・リムVS艦隊これくしょん #tegaki_dt pic.twitter.com/YQZtBQJkt1
2020-06-14 16:31:38