四の舟×おろし丸によるスケッチブックリレー小説 日本昔ばなし~桃太郎編~

俺と相棒の道楽ラリー小説。今回は若干スケベえなシーンがありますがご了承くださいませ。
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四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko むかし、福岡県のあるところに、年老いた大地君と木陰さんが住んでおりました。二人はとても仲の良いご夫婦なのですが、子供はおりませんでした。ある日、大地君は山へ芝刈りに、木陰さんは川へ洗濯へと向かいました。

2011-12-19 23:04:42
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE (洗濯ものって、貯め込むとロクなことにならないわねえ)そう思いながら川辺まで洗濯ものを運んでいる木陰さんの元に、一羽のハトが飛んできました。

2011-12-19 23:06:57
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「やあ、おばあさん。今日も洗濯御苦労さまですー」「あら、鳩の朝霞さん。ご無沙汰ね」「そんなおばあさんにいい知らせを持ってきましたよ~」「あら、何かしら?」「もう少ししたら、大きな桃が流れてきますよ~。上流から飛んできましたので、間違いないです」

2011-12-19 23:10:39
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「毎度の事だけど面白いものを見つけるわね。」「その桃はとっても凄い桃なんです。ぜひ拾って食べて下さい。」「ええ、分かったわ。」

2011-12-19 23:13:40
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko ハトが去っていくと、川の上流から、それはそれはたいそう大きな大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。「・・・ほんとに流れてきたわ」木陰さんは驚きながらも、着物の裾をたくしあげて、川の中に入っていき、桃をとることができました。

2011-12-19 23:19:11
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「こんなに大きい桃、私一人じゃ食べられないわね……大地さんにも食べさせてあげよう。」そう思うと木陰さんはなんとか桃を持ち帰りました。

2011-12-19 23:21:26
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 夕方、芝刈りを終えた大地が帰ってきました。「今帰ったぞー・・・・・・・ってなんじゃこりゃああぁぁああ!?」 「おや、大地さん。ひさしぶりに若いころの声を出されましたねえ」「いやいやいやいや、そんなことよりなんだそのでっけえ桃は!!」

2011-12-19 23:24:06
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「実はかくかくしかじかで」「変なこともあるもんだな。」「せっかくだから一緒に食べましょうよ」「…食えるのか?そもそも」

2011-12-19 23:25:46
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「割ってみなきゃわからないでしょ」「それもそうだな」 大地さんは斧を持ち出し、桃を切りました。桃の頭に亀裂が入ると、中から光が突然あふれてきました。「な、なんだ!?」 大地さんと木陰さんが驚き抱きあっておりますと、桃がぱっくりと真っ二つに割れました。

2011-12-19 23:29:04
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE やがて割れた桃から、桃色の煙が辺りに立ち込めました。突然の事に大地さんも木陰さんもただびっくりすることしかできません。やがて煙が晴れました。するとなんという事でしょう、木陰さんも大地さんも、若かったあの頃の姿になっていたではありませんか。

2011-12-19 23:31:47
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「うおっ!?木陰が若返った!!」「だ、大地さんも若返ったわ・・・」 二人とも何が何やらわかりませんでしたが、若返っているのはたしかです。「こりゃあ、神様からの贈り物か・・・」「なんにしても、大地さん」「なんだ?」「また、若いころから恋ができるわね・・・」

2011-12-19 23:35:16
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「こ、木陰……?」「大地さん……灯りを消してくれない?」「え、ちょ、木陰」「久しぶりね……」こうして二人は夜を共にしました。そして次の日の朝――

2011-12-19 23:39:05
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 二人はひさしぶりにさわやかな朝を迎えました。「こんな朝もひさしぶりね」「ああ・・・」 二人はそうして若い盛りに戻った幸せを感じていました。そして、二人が若返ってから十月十日目。二人の間に、元気な女の赤ん坊が生まれたのでありました。

2011-12-19 23:46:40
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE みなもと名付けられたその女の子は、良心が驚くほどの早さで育ちました。元気で明るく健やかに育った彼女は、ある日村で奇妙な噂を耳にしました。遠い海のかなたには、見た事のない異形が住んでいるという噂です。好奇心旺盛なみなもんは気になって仕方がありません。

2011-12-19 23:49:29
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「お兄・・・じゃなかった、お父ちゃん。私は異形を見に行ってみたいの!」「なに!?」「私、どうしても行きたいの!お願い!」 愛娘をそんな危険なことをさせちゃあならんとも思いましたが、この子の必死の頼み。みなものしたいようにしろと言ってあげたのでした。

2011-12-19 23:53:58
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「ではお兄…じゃなかった、お父ちゃん、行って参ります。」「気をつけるんだぞ?」「お土産よろしくー。」こうしてみなもは旅に出ました。しばらく歩いていると、目の前に黒い犬耳をつけたお姉さんが立っているではありませんか。「おー、みなもん、どげんしたとー?」

2011-12-19 23:56:42
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「あー。わんこの夏海さん」「どこかいくん~?」「ちょいと、海の向こうの異形の住む島へ行ってみようと思いまして」「おー、そんならうちも付いて行ってもええ?」「よろこんで~」

2011-12-20 00:04:20
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE こうしてみなもんはわんこの夏海さんと一緒に歩いて行きました。すると前の方でお茶を飲んで和んでいる空さんがいるではありませんか。「おねーさん、こんにちはー!」(ああ、こんにちは、どうしたの?)

2011-12-20 00:06:38
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko よく見ると、空の背中からは羽が生えております。「おねーさん、雉ですか?」 (ううん。鶴ー) 「わあ、美しい羽根ですねえ。よければ、お姉さんも一緒に異形の住む島まで行きませんか?」 (おお、それは楽しそう) こうして、鶴の空さんも仲間に加わりました。

2011-12-20 00:10:09
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE またしばらく歩いていると、森に入りました。涼しげな風が木々の間から駆け抜けていきます。「この辺りで休憩にしましょうか。」「おー、さんせーさんせー!」(うんうん)三人が大きな木の下で休んでいると、向こうから誰かがやってきました。

2011-12-20 00:14:00
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 「あら、みなさんお揃いで、どこへ行くのですか?」 「おー。葉月~。ひさしぶりやね~」 (鳥飼さん、ひさしぶりなのだ・・・) 「わー。お姉さん身軽ですね~」 「そりゃあ、さるだからねえ・・・」

2011-12-20 00:16:35
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE 「…で、何処へ行くんですか?」「あ、ええ、海を越えた島に見知らぬ異形が住んでいるというので見に行こうと思って。」「私らはその付き添い。」(うん、うん)「私も一緒に行って良い?」「もちろんですよ!」

2011-12-20 00:19:36
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko にぎやかになったみなも、鶴、わんこ、おさるの御一行は、再び一路異形の住む島へと歩んでいきます。そうしてようやく、目的の島に一番近い港町に一行は到着しました。

2011-12-20 00:23:40
焼き鳥P @Yakitori_P

@YOTSUnoFUNE みなもん達は、乗せてくれる船があるか探してみました。しかしどこの船乗りも異形の話を信じてはくれません。どうしたものかと思案していると、一人の船乗りが声をかけてきました。「君達、『あの島』へ行きたいのかい?」この辺りでも腕利きの船乗り、須尭さんです。

2011-12-20 00:27:24
四の舟(よつのふね) @YOTSUnoFUNE

@oroshiwanko 須堯さんはその島へと向かってくれると言います。「じゃあ、おねがいしましょうかね~」 「おう、わかった。ケイト、出航の準備だ」「ハーイ、ワカリマシター!」

2011-12-20 00:34:25