【妖怪】玉藻前と九尾の狐について

超有名な妖怪・玉藻前と九尾の狐について、ほんの軽く、本当にちょびっとですがまとめたリストです。 こちらも参考までに: http://togetter.com/li/237727 【妖怪】殺生石物語と「高田」という地名について
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アルム=バンド @Bredtn_1et

この他にも、中世の玉藻前を扱った物語は、謡曲『殺生石』を始めとして多くの物語や絵巻物に描かれたという(『日本架空伝承人名事典』)。

2012-01-02 22:33:34
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それが江戸時代になると、玉藻前を題材にした物語がさらに多く描かれるようになる。有名なものでは高井蘭山の『絵本三国妖婦伝』(1804)が代表的なものであろうか。

2012-01-02 22:33:53
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他には式亭三馬の『玉藻前三国伝記』(1809)、人形浄瑠璃では佐川藤太の『絵本増補玉藻前曦袂』(1806)、歌舞伎では四代目鶴屋南北の『玉藻前御園公服』(1821)などが挙げられる(『日本奇談逸話伝説大事典』、『日本架空伝承人名事典』、『京都異界の旅』)。

2012-01-02 22:34:21
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今挙げたもの以外にもWikipediaには多くの物語が載っているので、そちらも参照。参考: http://t.co/yi5ns00W Wikipedia - 玉藻前

2012-01-02 22:34:31
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次に玉藻前の物語のあらすじを。まずこの妖狐は古代中国の殷の紂王(ちゅうおう)の后・妲己、次に南天竺(インド)の耶竭陀(まがだ)国の班足(はんぞく)太子の妃・華陽夫人、さらに再び中国では周の幽王の后・褒姒(ほうじ)にそれぞれ化けた。

2012-01-02 22:37:08
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どの場合においてもこの妖狐が行ったのは、その美貌や知略を用いて王を虜にし、暴政を敷いて暴虐・悪行の限りを尽くし、その果てに国を滅亡へ導いていった、ということである。

2012-01-02 22:37:12
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そして妖狐はついに日本にその矛先を向ける。『絵本三国妖婦伝』に拠れば天平7(735)年、唐に渡っていた吉備真備が帰国する船の中に、若藻という女性に化けて忍び込んたという。その後人を惑わしながら数百年を過ごした妖狐はあるとき女の赤子に化けて坂部行友に拾われ、藻と名付けられる。

2012-01-02 22:37:50
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寵愛を受けて育った藻は和歌の才能を開花させ始め、七歳のときに宮中へ参上。そして玉藻前として鳥羽天皇に寵愛されるようになる。

2012-01-02 22:37:54
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しかし、玉藻前が現れてから鳥羽天皇は原因不明の病に悩まされ始める。これを陰陽師・安倍泰親(物語によっては安倍泰成や安倍晴明とすることも)が診断すると、その原因が玉藻前であると判明する。

2012-01-02 22:38:27
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正体を暴露された玉藻前は本性を表し、那須野(現在の栃木県那須郡周辺)へと逃げ、そこの人を食うなどの悪行をなした。

2012-01-02 22:38:30
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そこで安倍泰親、安房国の三浦介義純、上総国の上総介広常を那須野へと派遣し、八郎宗重と共に退治することになった。戦いの末、妖狐は倒れ、その屍は巨大な岩となった、という(『日本妖怪散歩』)。

2012-01-02 22:39:21
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それから数百年、岩となった妖狐の怨念は凄まじく、毒気を吐き出しては近寄るものを悉く死に至らしめた。そこで玄翁和尚が遣わされ、祈祷の後に手に持っていた杖(あるいは槌)で岩を叩くと、岩は砕け散ってようやく収まったという(『日本妖怪散歩』)。

2012-01-02 22:40:06
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…以上が玉藻前の物語のあらすじである。多くの人によって玉藻前の物語が描かれたため、物語によって登場人物や物語の細かい流れが違っていたりするので、あくまで参考。実際、Wikipediaの玉藻前のページに載っているあらすじでは上のあらすじとは登場人物に差違が見られる。

2012-01-02 22:40:42
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…ただ、この物語だけで終わらない辺りが流石は大妖怪である。この妖怪にまつわる史跡が全国各地に存在したりする。一番有名なものはその屍が変じたという岩「殺生石」で、これは現在も栃木県那須郡に存在する。

2012-01-02 22:41:04
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(参考写真。3年前に殺生石を訪れたときの写真)  http://t.co/rFTjiP1P http://t.co/9KzknD90

2012-01-02 22:47:11
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殺生石のすぐ近くに鎮座する温泉神社境内には「九尾稲荷大明神」が祀られている。  http://t.co/eazrlFDo http://t.co/IqKXCzMP

2012-01-02 22:49:33
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この他、大田原市蜂須の玉藻稲荷神社、那須烏山市下境の解石(とげいし)神社や、岡山県真庭郡勝山町の化生寺内にある玉雲宮など(『日本妖怪散歩』、『日本妖怪大事典』)、

2012-01-02 22:50:26
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京都府京都市左京区浄土寺真如町の真如堂の鎌倉地蔵は殺生石の破片を彫って作られた地蔵像だとされる(真如堂ホームページ http://t.co/U49uysYX )。

2012-01-02 22:50:28
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また、粉々に砕け散った殺生石の欠片は、落ちていったその土地土地で憑き物の由来になったり(群馬のオサキ狐、長野のクダ狐、四国などの犬神、岐阜県飛騨地方の一部地域では牛蒡種も殺生石が元だと説く、といった具合)。

2012-01-02 22:50:45
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参考: http://t.co/sZPxNoBA 怪異・妖怪伝承データベース - クダ狐,九尾の狐

2012-01-02 22:50:57
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先の岡山県真庭郡勝山町の化生寺には「玉藻前狐」なる狐が棲んでいて人に憑く、といわれることもあるようだ(『妖怪事典』)。

2012-01-02 22:51:19
アルム=バンド @Bredtn_1et

このような感じで、傾国の美女として悪名高い玉藻前ですが、それだけでなく様々な方面でも影響を与えているわけです。流石。…といった辺りで概説メモとさせて頂きます。

2012-01-02 22:51:45
アルム=バンド @Bredtn_1et

ああ、そうそう。玉藻前については「白面金毛九尾の狐」とか「三国伝来白面金毛九尾の狐」と呼ばれたりもしました。

2012-01-02 23:22:34