紗羅香執筆『聖夜・エピローグ』 #sarassSP

@saraka4237

『聖夜・エピローグ』 #sarassSP

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パーティーは夜遅くまで続いた。最高の料理と美味しいお酒に、皆、満足だった。特に、料理長とギニューの合作『特製クリスマスケーキ』は大好評で、皿はすぐに空となった。楽しいひとときは、あっという間に過ぎていった。ただ一つの疑問を残して。 #sarassSP

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それは、『どうして同じ顔の人間が、こうも揃っているのか？』と言うこと。広い宇宙だ。姿形が同じ種族は多数いるだろう。だが、何故『特選隊』と同一の種族が同席しているのか。皆、口には出さないが、心の中で密かに思っていた。『彼らは何者なんだ？』と。 #sarassSP

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しかし、結局それは明かされることなく、パーティーは終焉した。招待客らは、皆一様に楽しい思い出のみを持ち帰ることにした。 #sarassSP

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大広間に残ったのは、二組の『とくせんたい』とザーボン、そして双子たちだった。彼らは食後のティータイムを楽しみながら、お互いに用意したプレゼントを交換していた。ふと、ジースは持参した袋から、ある物を取り出した。それを見たバータは指摘する。 #sarassSP

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「おい。何だよ？その巨大な靴下は…」「何って…決まってるだろ？プレゼントを貰うためだ！」「誰から？」「もちろん…サンタクロースだ！」「はぁ？」ジースの返答に呆れるバータは、「いるわけないだろ…」と言った。「いる！」「いない！」「いるよ！」「あれは作り話だ！」 #sarassSP

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それでもジースは、いると言ってきかない。あまりにも言い張るので、バータは誰から話を聞いたのか、訊ねてみた。するとジースは、自信満々で答える。「隊長さっ！」「ええ〜！？」 #sarassSP

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バータは、ギニューに抗議する。「隊長！嘘なんか教えないで下さいよ〜！」「嘘なんぞ、教えとらん！」ギニューは真顔で言った。「誰から聞いたんすか…」バータの問いに、ギニューはある人物を指差した。「ええっ？わ、私か！？」 #sarassSP

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驚いた王子は、飲んでいたストロベリーティーを危うく吹き出しそうになった。ギニューは真面目な顔で言った。「赤い服を着た男が、鹿が引くソリに乗ってプレゼントを配るのだろう？」「鹿ではなく、トナカイだ。それにプレゼントは子供にしか配らんぞ？」 #sarassSP

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王子に言われ、今度はギニューが驚いた。「何だと！？我々は貰えないと言うのか！」「貰う気だったんすか…」バータは溜め息混じりで言った。そんなやり取りを聞いていた料理長は、ツリーを指差して言った。「プレゼントなら、既にあるではないか…」 #sarassSP

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示された先にあったもの。それは兄が持ってきた『星飾り』だった。「あれが一番のクリスマスプレゼントだろう…」見る者を幸せにすると言われる『星飾り』。もちろん、星飾りそのものが幸せを与えてくれる訳ではない。そこに込められた『想い』が、皆に幸せをもたらすのだ。 #sarassSP

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普段、戦場にいる者たちが、このように穏やかな日を過ごすことは、かなり珍しい。遠く離れた場所にいても、星飾りに込められた願いは通じたのだ。『皆が幸せでいられるように…メリー・クリスマス！』 【ＥＮＤ】 #sarassSP