紗羅香執筆『聖夜・プロローグ』 #sarassSP

紗羅香執筆『聖夜・プロローグ』 ギニュー特戦隊・ザーボン、別世界ギニュー特選隊(←文字注意)・ザーボン王子・ザーボンのお話:非公式 をまとめたぞ^^ #sarassSP
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@saraka4237

『聖夜・プロローグ』 #sarassSP

2011-12-24 08:28:52
@saraka4237

とある王宮内のキッチンに、いつもより早起きをしたギニュー料理長がいた。「…よし。この準備は整ったな。こっちは…うん、これもいいな」忙しそうに動き回るギニューだったが、ふと手を止めて物思いにふけった。「クリスマス…か」今日は年に一度のクリスマス。 #sarassSP

2011-12-24 08:29:08
@saraka4237

全てのものに感謝を捧げて、幸せを祝うイベントである。元々、この星にそのような習慣はない。地球と言う惑星の熱狂的ファンであるザーボン王子が、勝手に王室行事にしてしまったのだ。更に庶民の間にも広まり、いつしか星を挙げての一大イベントにまで成長した。 #sarassSP

2011-12-24 08:29:24
@saraka4237

今時期の市井は、派手なイルミネーションや、きらびやかに飾られたツリーなどが軒を連ねる。まさにクリスマスムード一色だ。「全く。王子の物好きにも困ったものだ」ギニュー料理長は、軽く溜め息を吐いた。祝い事が嫌いなわけではないが、派手に騒ぐのは好まないのである。 #sarassSP

2011-12-24 08:30:21
@saraka4237

「…まあ、普段逢えない者たちと交流するのも悪くない…な」料理長は呟くように言うと、パーティに出す料理の準備を再開した。「さて、今日のメンバーは…」と、人数を確認するため、ザーボン王子が用意したリストを見た。「ほう…ヤツも来るのか。珍しいな」 #sarassSP

2011-12-24 09:50:44
@saraka4237

王子のリストには、血を分けた双子の兄の名が記入されていた。彼はこの星を護るために王位継承権を捨て、フリーザの側近として軍の配下に加わったのだ。彼の多忙さは、常識の域を越えていた。睡眠はいつ取っているのか?と疑問に思うほど、常に働いていた。 #sarassSP

2011-12-24 09:51:15
@saraka4237

一部の間では、彼は人造人間では?と言った噂まで流れていた。料理長は滅多に会わない彼を思い浮かべる。双子である以上造りは同じだが、王子と違う点はいつも無表情で、それでいて憂いを秘めた、そんな顔をしていた。「休暇を取るとは…何かあったか…?」 #sarassSP

2011-12-24 09:51:37
@saraka4237

ふと、料理長は時計を見た。時刻は午前七時を指している。「おっと、もうこんな時間か!朝食の用意をしなければ!」料理長は大慌てで、支度に取りかかった。何せ、食欲旺盛な人間が四人もいるのだ。作る量も半端ない。料理長の思考は、朝食メニューに切り替わっていた。 #sarassSP

2011-12-24 09:52:55