お題de小説

不定期に投下されるお題を一回のツイートで小説に仕上げるお祭り企画です! まとめるので、ハッシュタグの #moe_novel または私に@で話しかけてください。
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さつきひろ @hiro_satsuki

「……夜の運転の時だけはね、必要なんです。少し視力が悪いので」いつものように穏やかな声で、そう言う。少し収まりが悪いのか、指先で押し上げる仕草が慣れたものに映る。知らない横顔。初めて知る仕草。いつもとのほんの少しの違いが、やけに艶めいて見えてたまらなかった。 #moe_novel

2012-01-19 20:06:21
佐木ささめ @sakiandu

#moe_novel 遠距離恋愛の彼は月に一度しか会えない。日曜の夜、シンデレラエクスプレスに乗る彼を見送りにプラットホームへ付いて行く私へ、彼は眼鏡を外して押し付けてきた。「人質ならぬ物質」「不便じゃないの?」「スペアがあるさ。でも見にくいから早く回収に来るよ」うん、待ってる。

2012-01-19 19:59:29
桜舘ゆう @sakuradate_y

誰も登校していない朝の階段、先生とすれ違う。「随分早い登校だな」先生が早く来ていることを知っているからだよ。朝の澄んだ空気を先生と感じるこの時間が好き、微笑んでから彼の眼鏡をそっと外した。お願い、永遠を約束して。私と同じ気持ちであればいいのにとキスをした。 #moe_novel

2012-01-19 19:41:38
遊森謡子@たくらみ婚電子書籍化 @UtakoYumori

近眼で教室の一番前に座ってた彼も、普通免許を取って眼鏡をかけた。運転時しかかけないから、この横顔を見られるのは助手席の私だけ。教室でも近くにいるけど、車でも隣にいさせてね。「何か言った?ちょ、今は黙ってて先生」はいはい。18歳の君は私をどこに連れていくの? #moe_novel

2012-01-19 19:35:52
玉紀 直 @naotamaki

#moe_novel 「まだ眼鏡返してくれないの?」眼鏡を取り上げて返さない私に、不思議そうに訊くアナタ。「うん、返さない。眼鏡外した正貴君が好きだもん」“好き”な気持ちを眼鏡のせいにする。レンズを通しても見えないだろう自分の気持ちを胸の奥に隠して。アナタに触れる、夜の逢瀬。

2012-01-19 19:03:27
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#moe_novel 夜明け前。白い息を雲のように膨らませ階段を上る。一番乗り、と仕事場のドアを開ければ珈琲の香り。「おはよう」カップを上げたのは私の恋する係長。「また徹夜。自分に厳し過ぎますよ」と労れば彼の頬がふっと緩む。「俺、欲望には忠実だけど」え、なぜそこで眼鏡を上げるの?

2012-01-19 18:37:00
蒲公英 @haruka_tanpopo

委員会で遅くなって、放課後の空っぽの教室。眼鏡を外したら、忘れ物をしたらしい彼と目が合った。レンズ越しじゃない裸の視線が恥ずかしくて、思わず目を逸らした。「委員会が終わるの、待ってたんだ」何故?右手から取り上げられた眼鏡。「一回、素顔を見たくてさ」#moe_novel

2012-01-19 18:28:24
タロ @taro_konohana

我はこの日を待っていた。草木萌え出づる季節を、花開き、鳥が彼の地から此の地への我の新たなる進軍を歌い、祝福せし季節を!我こそは叡智の瞳、銀の剱の主、新たなる伝説を刻む者!我が名は・・「おい、そこのメガネ!入学式だからってはしゃいでんな!さっさと並ばんかい!」 #moe_novel

2012-01-19 18:17:43
玉紀 直 @naotamaki

#moe_novel 親指の腹で眼鏡の下をくいっと上げる。それがあなたの癖。「その癖、好き」恥ずかしいけど言ってみたら、ワザと上げるのをやめて眼鏡を外してしまった。「信悟君の意地悪」拗ねた私の唇にに吸い付く彼の唇。「馬鹿者。眼鏡が邪魔だっただけだ」思い違いのお仕置きはキスの強襲。

2012-01-19 18:14:52
ローサ @TsukihoshiKaren

#moe_novel 一鷹の顔には、笑うと三つの三日月が昇る。眼鏡の奥の細められた双眸と、くいっと綺麗に上げられた口角。ふにゃっとしたその笑顔に、月に帰れず地面を這いずり回っていたうさぎなあたしは、しがみつく。「あたしを月に帰して?」「嫌です。由稀は一生、僕と一緒」

2012-01-19 17:33:11
༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

あなたが好き。あなたが好き。その背中も、笑うとくしゃっと顔が歪むのも、よく剃刀負けをする顎も、現場作業で使うザラザラでゴツゴツの手も、その手でずれた眼鏡をちょいと直す仕草も。でも言ってあげない。言ったら負けた気がするから。代わりに手を繋ぎ一生添い遂げるの。 #moe_novel

2012-01-19 16:50:36
༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

私から告白してもうすぐ三ヶ月。やっと手を繋いでくれたのは先週の事だ。彼は私の事どう思ってるのかな。少しは気があると思っていいの?下校途中の公園、並んで座るベンチ。「眼鏡外してみ?」言われて外すと彼の顔が鼻先に。「見える?」「うん」「俺だけ見てろ」と重なる唇 #moe_novel

2012-01-19 15:51:34
タロ @taro_konohana

「何故貴女と芦屋君で食事に行く必要が?」微笑む上司に冷や汗ダラダラ、脚はガクガク。だって銀縁眼鏡の奥の瞳が笑ってない!何でネクタイ緩めてるんデスか!?「お仕置きと躾が必要ですね?」そう言いながら彼はゆっくり眼鏡を外し、上着と一緒に上司の仮面を脱ぎ捨てた! #moe_novel

2012-01-19 13:16:25
༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

あれでもないこれでもないと夢中になって彼に似合うフレームを探す私。「もういいじゃんどれでも」「駄目!私が良くないもん」初めて会った時キラリと光った銀縁にときめいた。彼の眼鏡だけは絶対譲れないの!「お前ほんっと眼鏡フェチだな」「違うわ。あなたに似合うからよ」 #moe_novel

2012-01-19 12:22:51
海老の蝶子 @shi_kochou

昼食を取りに会社近くのラーメン屋へ。注文を終えてなにげなく正面を見ると、豪快にラーメンをすすっている私好みの男前が。何気なく観察していると、男前はラーメンを食べ終えて机に置いてあった野暮ったい眼鏡をかけた。・・・課長、眼鏡ない方がとっても素敵だと思いますよ? #moe_novel

2012-01-19 11:07:59
佐木ささめ @sakiandu

#moe_novel 出来上がった眼鏡を店員さんは私へかけてくれる。目を閉じ冷たいフレームを耳に感じてから瞼を開けると、異常に近い位置に彼の顔。しかも両手は私の顔のすぐ横に留まったまま。「…似合いますよ」ガラス越しの視線に捕らわれた私は大学卒業後、その眼鏡屋さんに永久就職した。

2012-01-19 08:33:18
佐木ささめ @sakiandu

#moe_novel 「こちらなどいかがですか?」店内をエスコートするみたいに歩く店員さんは眼鏡が良く似合ってて、私は商品より彼を盗み見してばかり。貴方が選ぶ全てが素敵です。なんて言える筈もなく、選んでくれる品を頷いてばかりの私。ちょっと困った顔にかかる眼鏡と同じ物が欲しい。

2012-01-19 08:32:54
佐木ささめ @sakiandu

#moe_novel 大学受験合格に喜んだその日、私はとうとう眼鏡を買う破目になった。勉強を頑張った勲章だと思うことにしたけどやっぱりヤダなぁ。近所の眼鏡屋へトボトボ入ると「いらっしゃいませ」って爽やかなボイスで迎えてくれる、眼鏡が似合うお兄さんがいた。眼鏡萌えを理解した春。

2012-01-19 08:32:01
༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

眼鏡超絶似合わないんですけどー?」ゲラゲラ笑うこの子はチャラ男。終電後に行き倒れてた所をウッカリ拾い居つかれた。ハードコンタクトが割れて休日までの眼鏡生活。「でもそんなおねーさん…」急に真面目な顔で近寄り思わず見上げた私へ「すごくそそる」駄目よ外さないで #moe_novel

2012-01-18 23:16:11
蒲公英 @haruka_tanpopo

銀縁の眼鏡に薄い唇、余計に薄情そうに見える。友達はみんな、あなたを怖いって言うわ。あなたの素顔を知っているのは私だけ。眼鏡を外してサイドテーブルに置く時、あなたの瞳は満足そうに細められる。その優しい顔を、誰にも見せてはいけないのよ? #moe_novel

2012-01-18 22:44:21
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#moe_novel 深夜のベランダで、駅の方角を眺めてた。もう終も出た時間。ワーカホリックの彼に裏切られ、何回目かのひとりぼっちの誕生日。こんな日々が永遠に続くのかな。ため息をついたと同時にドアフォンが鳴る。「誕生日おめでと」スーツ姿の彼が大きな花束を持って立っていた。

2012-01-18 21:41:47
༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

「ドアが閉ーー」目の前で無情にもドアが閉まる。マジかよ!初の通勤電車に乗り遅れ、俺いきなり遅刻じゃん!頭を抱える俺に「次のでも間に合うわよ」と後ろから声がした。「スーツまだまだね」クスリと笑うのは直属上司。「似合う男になってよ、キミ?」キュッと心臓が跳ねた。 #moe_novel

2012-01-18 19:47:07
蒲公英 @haruka_tanpopo

「またな」普段のジーンズからスーツに着替えて、彼は卒業していく。サークルのお花見も海での合宿も、ずっと宝物にします、先輩。同じ教室に居たことはなくとも、同じキャンパスに居られることが幸せでした。真新しい卒業式のスーツの肩に、早咲きの桜がひとひらこぼれた。#moe_novel

2012-01-18 18:13:43
蒲公英 @haruka_tanpopo

朝の彼は、私にまで人見知り。朝のラッシュの通勤電車、ドアに両腕を立てて、私のためにつくったスペース。わざとらしく目を逸らして、スーツの胸に私を収める。「ねえ、なんで朝は目を見てくれないの?」「密着して見詰め合ったら、次のことがしたくなるから」次のことって?#moe_novel

2012-01-18 17:47:47
佐木ささめ @sakiandu

#moe_novel 転職して郊外の会社へ通う私は車通勤になった。もう同じ行き先・同じ時間の電車に乗る彼とは会えない。仕立ての良いスーツが似合う彼は痴漢から助けてくれた王子様だった。それが今日、朝礼で紹介された主任の顔を見て驚く。「やぁ、これも運命かな」どうか夢なら覚めないで。

2012-01-18 17:42:07