「本格ミステリ」を論ずる前に「ミステリ」を論じよう
私見では「本格ミステリ」についての論争でもっとも問題なのは、大本の「ミステリ」についての概念検討・共有が疎かな点に尽きる。極論すれば「ミステリとは何か」を突き詰めていないから「スキル論」しか語れていないのではないか?つまり立論手順が抜けているのである。
2012-01-20 02:30:37「スキル論」ではなく「本質論」を語らないと論自体が前に進まない。結局「好き嫌い」を理屈っぽく語っているだけだから直ぐに「感情論」になってしまう。「ミステリとは○○だ。なぜなら○○はミステリだからだ」という循環論に意義を見出すことは困難だ。
2012-01-20 02:40:47乱歩的な「形質分類」を敷衍したモジュールだけでは恐らく不足なのだろう。私にも「決定打」があるわけではないが、形質的には『不明・不詳なモノ・コトが明らかになっていく「動的過程」を手段ではなく目的とする物語』(続
2012-01-20 03:06:51承)成立的には『作り手と受け手による主客のやりとりのまにまに生ずる「所作」の空間そのもの』と捉えているのが現状。これも「うつし世は ゆめ よるの夢こそ まこと」と捉えていた乱歩の掌を転がっているだけなのかも知れないのだが…。(続
2012-01-20 03:07:46従って、新聞・雑誌の連載、あるいはそこに仕組まれた「犯人当て」の懸賞といった「作り手と受け手による主客のやりとり」が日常のモノとなる近世に「ミステリ」が生まれ育ったことは極めて妥当かつ必然。古代エジプトや聖書にまで遡るモノではない。
2012-01-20 03:08:23『不明・不詳なモノ・コトが明らかになっていく「動的過程」を手段ではなく目的とする物語』ならばハード・ボイルドやサスペンスまで無理なくミステリの射程で論じることが可能となる。「倒叙」と「正叙」をことさら区別して異質なモノと捉える従来の視座へのカウンターともなり得る。
2012-01-20 03:17:04要は「形質分類」的なミステリ論に終始したり拘泥したりといった一種の「閉塞」を打破しては如何かという趣旨なわけですよ。新たな視点・視座を設定することでモノの見え方は変わりますし、ヒントぐらいにはなるんじゃないのかなあ…と思い、ちと生煮えながら吐露した次第。
2012-01-20 03:22:09参考までに過去のまとめ―(1)ミステリの来し方行く末ぼんやり考えてみた(締め切り絶賛逃避中に…) http://t.co/9OJE2urq
2012-01-20 03:55:38参考までに過去のまとめ―(2)ここ数日の「本格談義」に触発され、ミステリのおおまかな流れを備忘的ツイート http://t.co/Ljksh3jS
2012-01-20 03:56:04参考までに過去のまとめ―(3)「本格≠本格ミステリ」に触発され、概念をモデリングしてみました(継続中) http://t.co/h4zhJtLM
2012-01-20 03:56:16参考までに過去のまとめ―(4)「本格≠本格ミステリ」モデリングから派生した「本格」を野球に例えたツイート(備忘的まとめ) http://t.co/7BqVVIDG
2012-01-20 03:56:27参考までに過去のまとめ―(5)School Daysについて考えてたらまたミステリ話へ(またお前か!) http://t.co/3gsBu1Du
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