しかし、日本には政策のウォッチャーがほとんどいない。いるのは、マーケットのウォッチャー(金融評論家)と政局のウォッチャー(政治記者)。何か問題が起こると、そのどちらかがにわか専門家になってコメントする。あとは、その分野の専門家。
2010-05-28 17:09:17でも、専門家はその専門の専門家であって、かならずしも専門分野のウォッチャーではない。スター選手が優れたジェネラルマネージャーとは限らない。
2010-05-28 17:09:24ウォッチャーというのは、現場を知りつつも、改善策を議会制民主主義の仕組みに載せる仕組みを知っている人。implementまで考えられる人。言いっぱなしではダメ。
2010-05-28 17:09:33これからのブレーントラストは「臨時招集」型がよいと考える。普段はどこかで仕事・研究しているけど、ウォッチングも続けてもらってて、一旦事あれば招集する即応形式。
2010-05-28 17:10:10ところで、既存の官僚や御用学者が強いのは、政策決定プロセスを知っているため。政策は、どんなに偉そうなことを言っても、議会が可決しないとimplementできない。ここは決定的に重要かつ難関。
2010-05-28 17:10:25失礼ながら、「国は何も分かってない!」と叫ぶだけの「専門家」は政策決定プロセスが分かってない。政策にimplementできなければ意味がないんだ、という視点を持つことが第一歩ではないか。
2010-05-28 17:11:07たとえば、「iPS細胞利用は国の意思決定が遅すぎる」と思っている問題意識の高い研究者には、普段からそのプロセスへ参加してもらう仕組みを準備。そんなの自分の仕事じゃない、という研究者は象牙の塔すぎると思う。
2010-05-28 17:11:54いろんな専門家を、国の審議会検討会等に広く薄く順繰りに入れる。無給の臨時公務員として国のデータを研究に使ってもらうとかでもよいかも。米国はそうやってベンチとデスクが同化している。
2010-05-28 17:12:43広く薄く参加してもらううちに、一部の専門家は俯瞰的視野を持つウォッチャーとしても育つ。各専門分野で、政策ブレーンの核となるクラスター(2、3名)が発生する。
2010-05-28 17:12:53わたしの経験から言うと、1名の専門家が言っても官僚組織の返り撃ちに遭う。でも、3名以上が連携すると、官僚はその政策に興味を示す。彼らだって使命感はある。裏付けがない提言を採用しないだけ。
2010-05-28 17:13:01提案編、おしまい。もし実現するとしても、15年くらいかかる。でも、政党にも官僚組織にもシンクタンク機能は期待できないので長い目で。
2010-05-28 17:13:51まとめ2:少数のウォッチャーを抱え込むシンクタンクは多様なニーズに応えられない。幅広い専門家が即応的に政策決定に参集する仕組みが必要。
2010-05-28 17:14:00まとめ4:専門家は個別ではなく、2、3名のクラスターで政策提言をすべき。そういうクラスターこそが、日本の新しいブレーントラストになる。
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