「ピアノマンで物語を書く」まとめ

■ビリージョエルのピアノマンを聞いて物語を書きなさい(歌詞そのままはダメ、でも歌詞と矛盾があってもダメ)■ 参考動画→http://youtu.be/iF4gBU8O_ow ※グロ描写やBL描写のある作品もありますのであらかじめご了承くださいませ! 自分もやってみたよー!って方はどんどん追加しちゃってくれたらしあわせです!(編集できない環境の方は報告いただけたらわたしが追加させていただきます)増えろピアノマンSS!!
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anno_j @anno_j

カラリと傾いたグラスが鳴った。「まあでも、つまり、俺が言いたかったのは懐かしい歌が聴きたいって事なんだ。分かるだろ?」歌ってくれよと男がせがむ。分かるだろ? 気持ち良く酔えるやつをさ。ラ・ラ・ラ・ディ・ディ・ラ……。 6

2012-02-01 01:08:21
anno_j @anno_j

小さな鼻歌は煙草臭い空気に紛れていった。オレンジ色の明かりの元、ごみごみした狭い店の中は人で溢れている。不思議な事に連れ立って来る者は少ない。皆ここで顔を合わせるだけの、それだけの繋がりなのだ。 7

2012-02-01 01:09:11
anno_j @anno_j

孤独は人を酒に走らせる。酩酊は甘美だ。魂の安らぎだ。それでも、ひとりで酔い潰れるのはあまりにも虚しい。孤独という共通項は人をここに引き寄せる。ピアノマンの、僕の元に。 8

2012-02-01 01:09:40
anno_j @anno_j

自称小説家も退役軍人も、疲れた会社員も老人も、孤独を持ち寄って酒を飲む。ここなら何もかもを――持ち寄った孤独すらも――忘れるに丁度いいと、そう知っているのだ。お客との駆け引きを楽しむウエイトレスの存在もある事だし。 9

2012-02-01 01:10:31
anno_j @anno_j

男の鼻歌を拾い上げるように鍵盤を撫でる。あいにく古い歌は知らなかったから、なるべく懐かしいやつを、だ。曲が変わった事に気がついたのだろう。お客の幾人かがちらほらと、顔を上げて微笑んでいる。 10

2012-02-01 01:11:13
anno_j @anno_j

カウンターに座った酔いどれがチップを置きながら笑って言った。「こんなところで何をしてんのさ、兄ちゃん? あんたのピアノすごくいいぜ、タダで聴くにはもったいねえくらいだ」 11

2012-02-01 01:12:03
anno_j @anno_j

そう言いながら彼もピアノを、歌を待っているのを僕は知っている。「なあ、なんでここなんだ?」微笑み返すだけで返事はやめて置いた。もう歌が始まる。懐かしい曲だ。少し甘くて、切ない調べ。 12

2012-02-01 01:12:42
anno_j @anno_j

鈍いオレンジ色の夜はそうやって更けていく。今日もみんな、酔えるだろうか。音に酒に、このひとときに。その間だけはきっと誰もがひとりきりで、けれど決して独りではない。 13

2012-02-01 01:13:34
anno_j @anno_j

煙草の煙でぼんやりと滲んだあたたかな空気に、ピアノの音色と歌が響く。誰かの孤独を繋ぐ間は、僕も、僕の寂しさを、少しだけど忘れていられる。 14

2012-02-01 01:15:20
anno_j @anno_j

お題・Piano man/Billy Joel を聴いてSS  以上です。TL埋めてしまってたら申し訳ありません…

2012-02-01 01:18:36

井中まち🐕 @Nostalgic_town

よう、なんだい珍しいね、お前さん、朝帰りか一丁前に。ああ、俺か、俺はいいんだよ。なんでってそりゃ、馬鹿だね、そういうもんだからさ。納得いかない?そりゃぁいいね、いいことだよ。まあ座りな、今日は気分がいい、何から話そうか。

2012-02-01 02:51:41
井中まち🐕 @Nostalgic_town

待て待て、座りなよって。何をそんなに急いでんだ。ああ?お前さん学生か。嫌だねー、カツカツしやがって若いモンが。ま、俺だって若いけどよ、お前さんのほうが若いわな。俺はあれだよ。ピアノマンだよ。あん、なんだいコイツ、笑っていやがる。いいね、嫌いじゃねぇよ。

2012-02-01 02:52:13
井中まち🐕 @Nostalgic_town

だけどアレだな、もうちょっとこう、お前さんはアレだよ。ええい、うるせぇな、酔ってねぇよ、酔うのは夜だけって決めてんだ。夜のピアノはいいよ。黒いボディーが艶っぽくって。ああ?だからピアノマンだよ、しつこいね、お前さんも。

2012-02-01 02:52:53
井中まち🐕 @Nostalgic_town

この繊細な指を見ろ、どう見てもピアノマンだろうが。そういえばあの爺さん知ってるか、ほら、あの爺さんだよ、知らねぇのか、馬鹿だね。あの爺さんはいいよ、面白いリクエストをしやがる。覚えてねぇ歌うたえって言うんだわ。弾けじゃねぇの、うたえなのよ。いいよ、最高だ。

2012-02-01 02:53:26
井中まち🐕 @Nostalgic_town

あン、そりゃ応えるよ、当たり前だろ。あー、お前さん、ちょっとアレだね、ジョンに似てるね。まあでも、ジョンはもうちっとアレだよな、うん。分かれよ、馬鹿だね。お前さん、将来は何になんの。うへぇ、そりゃぁすげぇ、まあなんだ、物書きと不動産屋はやめときな。セーラー脱げなくなるからな。

2012-02-01 02:54:15
井中まち🐕 @Nostalgic_town

あれ、違うわ、そりゃデイヴィか。いいんだよ、なんだ、細かいこと気にするね、お前さん、立派なアレになれねぇぞ、うちのウェイトレス見習え。だから俺はいいんだよ。うるさいね、俺だって店じゃ若いのって呼ばれてんだ。お前さん酒は飲めんのか?そうか、いいね、飲まないうちが華だよ。

2012-02-01 02:54:41
井中まち🐕 @Nostalgic_town

お前さん、うちの店来るんじゃねぇよ。なんでってそりゃ、馬鹿だねぇ、まあいいか、がんばれよ。ンン、なんでそんなとこいんだって、そりゃアレだよ。ハハッ、馬鹿だね、こっちが訊きてぇや。 (お題:ビリージョエルのピアノマンを聞いて物語を書く)

2012-02-01 02:56:04

【腮さん( @sakame_a )の作品】

※許可をいただいてツイート内容を掲載させていただきました!腮さんありがとうございます!

@sousakuTL 【ピアノマンSS】いつからか、かつて僕の前に腰かけていたピアノマンはピアノマンを辞めた。歳を取って指が思うように動かなくなったとか。けれどまだ毎週土曜に来て、ジントニックを三杯は呑んでいく。

@sousakuTL かつて彼のピアノを聴きに来ていた顔ぶれはすっかり変わって、今では新しいピアノマンが僕を奏でているけれども、老人になってもまだこの店へ来る連中もいた。「若いの、この曲を頼むよ」老いたピアノマンが差し出した楽譜を若者は受け取ると、寡黙に頷いた。

@sousakuTL 僕が彼と歌う曲を聞くみんなが呑む酒が、美味しくありますように。若いピアノマンが、黒鍵に指を置いた。【おわり】


モロクっち @m_molockchi

砂の奥で弾かれた鍵盤の音はするのか  ぼくは15分も前からピアノのまえに座り、この店に合う(と思う)曲を弾いている。  もちろんぼくのピアノなど誰も聴いちゃいない。  ぼくは友人のよしみで弾かせてもらって… http://t.co/bCz3jhvYyZ

2013-07-15 20:59:53
モロクっち @m_molockchi

「ピアノマンで物語を書く」まとめ http://t.co/FEN1VOSoOt 2000ツイート記念小説は、こちらの企画に乗らせていただきました。ツイッターを始めてからフォロワーさんのツイートをさかのぼり、やってみたいなとずっと思っていた企画です。楽しんでいただけますように。

2013-07-15 21:01:08