花言葉で140字的な何か

ゆち @yuzuen

【キンポウゲ】薬指できらりと光るものが目に入るたびに、何だかくすぐったい気持ちになる。いや、はっきり言うと、あのときの恥ずかしさを思い出して埋まりたくなる。更に、憎まれ口を叩いている割にそれを常にずっと身に付けていることに気付いてしまうと、何つーかもう俺は駄目だ。【到来する幸福】

ゆち @yuzuen

【カロライナジャスミン】「世界が滅んでもお前だけは生き残るタイプだな」溜息交じりに吐き出す三上が本当に憎らしい。「いや、私ってば、なんとかは薄命系だし！」「いやお前は絶対長寿記録更新するし」「じゃあ賭けようじゃないの！」「望むところだっつの！」結果を見届けるまで、二人で。【長寿】

ゆち @yuzuen

【サフラン】電流が走る、と最初に言い表した人間はすごいと思う。何故なら、一瞬だけ触れた指先に感じた熱は、そこから伝わってきた想いは、まさにそれだったのだから。真田くん？と見上げてくるその視線から、思わず目を背けてしまう。「…えっと」手を繋いでも、と素直に言えたなら。【青春の喜び】

ゆち @yuzuen

@oracle310 【ヒイラギ】どんな想いでそこに座っていたか、他の誰よりも一番知っていた。いつか自分の元を離れるであろうことも。その後は滅多に戻って来なくなる、ということも。帰る場所は自分のところ、と言うつもりはない。ただ、その姿をずっと見ている権利は、他の誰よりも。【先見】

ゆち @yuzuen

@m10mkm 【タネツケバナ】何があっても諦めることを知らない人、それが分かったのは中学のときだった。心配したけれど、そのことで三上のことが更に気になって、もっと好きになった。からかわれて喧嘩して、そんな普段の三上も大好きだけれど、そういう本質的なところが、もっと。【不屈の心】

ゆち @yuzuen

@yuntim 【アワナズナ】「…何だこれ？」どうしてこんなものに説明が必要なんだろう。差し出した写真を見つめながら三上が首を捻る。「だから何の意味でこれを」ドイツに渡って初めて手にした優勝カップ、本物は持って来れないから代わりに写真でも、と。この勝利を、この人に。【君に捧げる】

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@yuzuzaki 【ツバキ】「可愛いよりは美人のがいい」「桜庭絶対年上に騙されるタイプな！」「いや、騙されるなら美人のがいいだろ！？上原だってそうだろ！？」「いや力説されても。そもそも騙されねえし！」外見の系統が何であれ、俺がそう思った子こそが、可愛いんだから。【気取らぬ魅力】

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【ユキノシタ】『…なあ』夜中にかかってきた電話の向こうでは、ひどく落ち込んだ声。普段の三上とは全然違っていて、表には出さないけど、すごく心配になる。『…冷蔵庫に寿司入れっ放しだった』キャンプ先から、そんなことをわざわざ。とっくに食べた、と言ったら、何て答えるだろうか。【切実な愛】

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【エリカ】完全に心を許していたわけじゃなかった。心の奥では信用し切れないところもあった。だが、それを認めたくなかった。やっぱり心の奥では信じていたかったんだ。そこにあったものが全て消し去られている現実も認めたくはなかった。冷蔵庫に入れておいた、俺の、プリン。その犯人は。【裏切り】

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【ジンチョウゲ】夢じゃなければいい。思わず頬をつねるという、ベタなこともしてしまう。「つねるなら自分のにしてよね！」隣から上がる抗議の声もどこか弾んでいるように聞こえるのも、夢ではないはずだ。手にしたトロフィーと、かけられたメダルの重みも。ああ、これが頂点ってことなのか。【栄光】

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【ヒマラヤスギ】こいつは一体何を言っているんだろう。「俺、先輩がいなくなったら死んじゃうかもしんない」「何ていうのかな、魂が抜けちゃう感じ」「先輩がボールくれないと、俺死んじゃうよ」「だから」縋る藤代をただ凝視することしかできない。「先輩はずっと走ってて」【あなたのために生きる】

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【ラッパスイセン】「何か歌あったよね、二人で銭湯に行って、小さな石鹸カタカタ鳴っちゃうやつ」「…肝心なとこが抜けてる気がしなくもねえけど、あったな」そんな会話を交わしたのが数十分前、あれって待つ方俺じゃなかったよな…と思いつつ、息を吐く。ああ、物凄く落ち着かない。【あなたを待つ】

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【ポピー】愛の形はひとつじゃないっすよ、なんてカッコつけたことを言ってみたら殴られた。や、そんなつもりはなかったけど、「カッコつけんな」って言われたからそうなのかもしんない。だからずっと先輩のこと見てるよ、って言ったら何か顔逸らされた。先輩がサッカーしてる限りは、ね。【七色の愛】

ゆち @yuzuen

【ヤグルマギク】「先輩タキシード似合わないっすね」「うっせえよ」分かってんだよ、と顔を背けて呟くその姿が実にイラッとくる。あんたが言う幸せとやらをぶっ壊してやりたい、とかいう願いはもうどーでもいいっていうか。でも、俺の隣に立つのはいつだってこの人だけ、と思ってたんだ。【独身生活】

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【コデマリ】見覚えのあるというかよく知っている名前はいくつもあった。その中にものすごく知っていて、そして字面を見るだけでほっとしたり、落ち着かなくなったりする名前があった。日本、代表。初めての肩書きをゆっくりと呟いてみる。高鳴る鼓動を抑えながら、携帯に手を伸ばした。【伸びゆく姿】

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【キキョウ】最初はムカつくだけだった憎まれ口が俺たちの通常運転になっていたり、肝心なときにツッコミ甲斐ありまくりな言動をしたり、けれどその言動は照れ隠しのためだったと理解したり、それが俺たちの進展の証だったりするが、根底で変わらないものは、そう、所謂ひとつのアレだ。【変わらぬ愛】

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【ハナショウブ】いつだって、そう思っていた。同じ場所には立てないけれど、どんなときも喜びを噛みしめたり爆発させたりする姿を願っていた。おめでとう、なんて口に出すことはできなくて、いつも「勝ったね」と誰もが知ってる事実しか言えないけれど。でも、想うのは、いつも。【あなたを信じます】

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【サクラ草】「初恋は叶わない、って言うけど」「うん」「そう言うけど叶っちゃった、って話もあるけど」「え？うん」本当だね、と幼い日を思い出させるような笑顔を見せる。「あれ言ってくれる？」ねだってみたその言葉には「もうなってるし」とあっさり却下。大きくなったら、およめさんに。【初恋】

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【セイヨウサンザシ】嫌いになる、ってことはないと思う。他の人を好きになる、ってことも考えられない、と思う。理由はうまく言えないし、いつも喧嘩してばかりだし何かしら仕返ししてやろうとか企んでいるけれど、これも全部接点になるから、喧嘩しても何していても、嬉しい、んだ。【一度きりの恋】

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【カンパニュラ】「今シーズンもお米大使は俺で！」「お前それ何年目だよ？」「じゃあ三上さんはどうなんすか？」「J1」「残留とかちっちゃいこと言うつもりっすか？功刀新キャプテンが睨んでるけど」「だっ、誰が残留とか言うか！優勝に決まってんだろ！」「…ならよか」さあ、戦いの場へ。【抱負】

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【ライラック】「覚えてるか？」あのときこうだったよな、と話しても、「えー？忘れた」と言う。「俺過去は振り返らないしー」へらりと笑って、そうも言う。じゃあ何で、お前はあのときハガキを送って来たんだ。10年も音沙汰なしだったくせに。だが、その理由を指摘すれば、多分。【若き日の思い出】

ゆち @yuzuen

【カミツレ】もう何もないと思っていた。ただひとつあればそれだけで良かったものを失って、俺にはもう何も残っていないと思っていた。動かない足を恨んで、けれどやっぱり俺はフットボールから離れたくないし、離されたくもないんだ。だからもう一度、この手で掴み取るしかない。【逆境に負けぬ強さ】

ゆち @yuzuen

【レモン】まっすぐに向けられる視線と、その想いに気付かない、なんてことはなかった。まあ分かりやすいっつーのが大きな理由だけど、あんな痛いぐらいの視線に気付かないのはよほど鈍い人間ぐらいなもんだろう…っていうのも言い訳だ。本当は、俺も同じような想いを抱いていたから。【心からの思慕】