米戦艦アイオワ級の生まれた理由

参考リンク 魚雷は大人になってから http://www.warbirds.jp/truth/torpedo.html
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のり @DDH_182_no2ri

たまに本分である海軍ネタを深夜に喋ります。大和型戦艦が仮に速力が30ノット以上あったとしたら、史実の金剛型のように活躍しただろうか? 答えは否です。何故か。それは金剛型があのように東奔西走したのは「潰しても惜しくない戦力」だったからに他なりません。

2012-02-08 01:02:16
のり @DDH_182_no2ri

金剛型は日本海軍12戦艦の中で最古参組でした。なので喪失しても他の戦艦よりは惜しくないと考えていました。 また別の視点として、金剛型以外の戦艦が動かなかったのは燃料不足によるものも大きいです。ミッドウェー海戦で主力艦を一気に動かしたせいで、艦艇用の重油が酷く枯渇するという事態に。

2012-02-08 01:05:33
のり @DDH_182_no2ri

そのため続くガ島攻防戦では日本海軍は常に油の残量を気にしながら戦うハメに陥り、油食いの戦艦を多くは動かせない状態となっていました。 話を戻しますと、大和型はそれまでの長門型に続く水上打撃部隊の中核戦力であり、軽々しく扱って傷つけるわけにはいかない存在でした。

2012-02-08 01:07:37
のり @DDH_182_no2ri

戦艦は自軍にある程度の航空戦力がある場合、生半可な敵航空攻撃では沈まない船です。つまり、彼我共に航空戦力を揃えている状況では、戦艦同士の戦いが発生するのは十分に有り得ると当時では考えられていました。なので、米新鋭戦艦群を相手にする大和型を消耗するわけにはいかなかったのです。

2012-02-08 01:16:56
のり @DDH_182_no2ri

nori2gata大和型の役目はあくまで敵戦艦と正面から殴り合い、囮となって味方水雷戦隊の突入まで時間を稼ぐ事。そのために作られたのだから、既存の「高速戦艦たち(扶桑・伊勢・長門型」と共に行動可能な速力がありさえすればよかった。大和型に30ノットを与えてもあまり意味がないんです

2012-02-08 01:21:11
這い寄る混沌@X支部 @Nyarlathotep_44

@nori2gata 米軍でさえ大戦時はアイオワ級戦艦なんかの新型戦艦を結構作ってたしねぇ。結局各国が主力を空母に完全に更新できたのって50年頃だと考えてる。

2012-02-08 01:21:31
のり @DDH_182_no2ri

@Nyarlathotep_44 アイオワ級はあれは米海軍の戦艦発展の正道からはちょっとずれる船ですが、それでも新鋭戦艦をノースカロライナ級2、サウスダコタ級4、アイオワ級4(計画では6)と計8隻浮かべたのは本当に凄いことです。なまじっかアメリカの方が大艦巨砲主義。

2012-02-08 01:24:36
のり @DDH_182_no2ri

一昔二昔前の本にはよく「大和とアイオワどっちが強い」なんて記事が載ってましたが、日米戦艦の発展と建造時期から見て大和型のライバルはアイオワ級ではなくサウスダコタ級です。サウスダコタ級こそアメリカが開発した正統な戦艦の最終到達点であり、バランスの取れた最強クラスの16インチ戦艦です

2012-02-08 01:28:02
這い寄る混沌@X支部 @Nyarlathotep_44

@nori2gata ぶっちゃけ確かに艦隊戦の主役が空母になった転換期ってのは真珠湾奇襲だけど、WW2まではその運用術の模索期で完全に戦艦と置き換わったかと言われると微妙だよなぁ。それを「日本は最後まで大艦巨砲主義にこだわり……」と一括してしまうのはなんか違う気がするわ。

2012-02-08 01:30:26
大佐相当官(神軍平等兵) @kclwarstudies

@nori2gata 素朴な疑問ですが、結局どちらが強いのでしょうか?(建造思想が違うといえばそれまでですが)

2012-02-08 01:30:43
のり @DDH_182_no2ri

じゃアイオワ級って何なのさということですが、彼女のライバルは最新鋭の大和型ではなく、最古参の金剛型。意外に思われるかもですが、米海軍は金剛型を大変な脅威として認識していました。それは彼女の高速性能にあります。

2012-02-08 01:31:21
のり @DDH_182_no2ri

@kclwarstudies 大和とサウスダコタが一対一で殴り合ったら? という有り得ない想定でよろしければ、大和の勝ちです。サウスダコタに勝ち目はほぼないです。どの距離で戦ってもサウスダコタが16インチ砲で大和をダウンさせる前に18インチ砲で叩き潰されます。

2012-02-08 01:34:14
のり @DDH_182_no2ri

@Nyarlathotep_44 日本海軍が最後まで拘ってたのは大艦巨砲主義じゃなくて過度の攻撃偏重主義ですね。おかげで他のあらゆるところにしわ寄せが来ている一回こっきりの使い潰し海軍。

2012-02-08 01:35:53
這い寄る混沌@X支部 @Nyarlathotep_44

@nori2gata せやねぇ、私もそうだと思うわ。それが顕著に現れてるのが上層部の決戦主義だろうねぇ。

2012-02-08 01:37:35
のり @DDH_182_no2ri

米海軍には「30ノット・14インチ砲攻防性能」をもった金剛型を「独力で」排除可能な戦力が存在しませんでした。既存の戦艦は21ノット組でとても追いつけず、一旦戦闘になったら金剛型に振り切られ、味方重巡部隊を食い荒らされる悪夢が待っています。

2012-02-08 01:39:45
のり @DDH_182_no2ri

そうなると、日本重巡が米水雷戦隊を料理し、日本水雷戦隊が易々と米戦艦部隊に必殺の魚雷をぶつけるという状況が現出します。艦齢30年に及ぶ老朽艦を放っておくと、自動的に艦隊決戦に負けるという不安に米海軍は悩まされました。

2012-02-08 01:42:25
のり @DDH_182_no2ri

その不安を解消するために生まれたのがアイオワ級です。金剛型を逃さない33ノットの足、新世代の50口径16インチSHS砲。すべては金剛型を確実に叩き潰すため。米海軍最新鋭戦艦は、日本海軍最古参戦艦のために生まれたというある意味おかしな話です。

2012-02-08 01:47:09

廠長・たまがー国公文書館 @Tamagawa_HQ

アイオワ級戦艦は金剛型に対抗するために作られたって説、ここ十年くらいで定説になるくらい広まってるけど、史料的裏づけがある話なのかねぇ。ソース何なんだろう。

2012-02-08 01:48:17
大佐相当官(神軍平等兵) @kclwarstudies

@nori2gata そのあたりも踏まえて敢えてサウスダコタ級を送り出したアメリカ、というところでしょうか?要は一対一はあり得ないと・・・

2012-02-08 01:48:55
廠長・たまがー国公文書館 @Tamagawa_HQ

両洋に面してるアメリカがドイツの復活で機動性重視の高速戦艦を欲するのは自然な感情だし、一概に金剛型対抗艦だなんていえないんじゃないの。そりゃ勿論金剛型と戦う用途にも使える性能がアイオワ級にはあるけど、そのために作られたってのは金剛に対する過大評価でしょ。

2012-02-08 01:51:59
のり @DDH_182_no2ri

@Tamagawa_HQ 逆説的な状況証拠の話なんですよね。当時の米海軍にアイオワ級の性能を持たせるに足る状況はこれしか考えられないのと、サウスダコタ級の発展はモンタナ級(米戦艦の正統な発展)という別のがあったわけですから。

2012-02-08 01:52:15
廠長・たまがー国公文書館 @Tamagawa_HQ

@nori2gata 私はアイオワ級に対するそういう見方については、「大和型は米戦艦の射程外からアウトレンジ砲撃で勝つために作られた」って説と同様のゲーム的解釈だと見なさざるを得ないと思う。「○○することも可能」ということと「○○のために作られた」が混同されていると感じています。

2012-02-08 01:57:50
のり @DDH_182_no2ri

@Tamagawa_HQ というと、アイオワ級が建造されたのはどういうわけだとお考えですか? 

2012-02-08 01:59:59
廠長・たまがー国公文書館 @Tamagawa_HQ

@nori2gata アイオワ級建造の背景がわかる史料を持ってないので確かなことは言えませんが、アイオワ級が戦後に辿った歴史を考えるに、明白なひとつの目的に絞って作られた艦ではなくて、様々な用途に使える汎用軍艦として考えてたんじゃないかと思っています。

2012-02-08 02:04:31