ヴェリスさん

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

俺は涙ぐんだ目を制服の袖で擦りつつ、帰路をとぼとぼと歩いていた。

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あの後結局、事実から目を背けたいあまりに見られた聞かれたを問わず、走って逃げだしていた。

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「そうそう、まさか翼くんがキミを好きだったなんてねー…ちょっと計算外だったよ」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

「そうだよ。どんだけ超展開なんだよ――って」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

どうして隣にいらっしゃいますかな、障子に目ありさん。

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落ち込んでいたので、頷くだけにした。

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「くすくす、可愛いなぁ」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

「は？今俺を可愛いと仰りやがいましたな？障子に目ありさんよ！俺のどこが可愛いと！」

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「障子に目ありさん？」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

今度は彼女が首を動かす番だった。俺とは反対の、横にだけれども。

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「ああ、それね。俺が壁に耳を立てて、お前は窓から覗いてただろ？だから俺は壁に耳あり、お前は障子に目ありだ」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

「なるほどね。これまた可愛い発想をする子だねー」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

と、頭を撫でられる。こいつ完全に俺を馬鹿にしてるな？

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女の子に頭を撫でられるのは初めてだったので、結構嬉しかったりするが。顔、にやけてないよな…。

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「じゃあ改めまして。わたしはメアリー・マイヤーと申します。以後お見知りおきを」

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そう言って彼女は、スカートの裾を掴み上げ、丁寧にお辞儀をする。

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いや、そんな描写はどうでもいい。それより、

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「お前、外人だったのか」

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彼女の長い髪は鮮やかな茶髪だ。綺麗な顔立ちをしているが、とても外国人には見えない。

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「んーや、日本人だよ。キミは土壁庄司くんなんでしょ？」

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「そうだけど」

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「なら、残ったのは"耳"と"目あり"」

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「そういうことか」

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「そーゆーこと」

イアヴェリス@第二の地平線 @earvelice_2

「これまた可愛い発想をする子だなー」