官と位の話：陰陽寮について

@ouchi_yosioki

明日は時間があれば官職のひとつである陰陽寮についてと、その最後の陰陽頭土御門晴雄殿について話そうと思う #官と位の話

@ouchi_yosioki

今日は官位の話の派生というわけで #官と位の話 のタグで陰陽寮について話そうと思う。寮についてはともかく…あまり陰陽師については詳しいわけではないのでな。間違いもあると思うゆえ生暖かい目で見てくれるとありがたい

@ouchi_yosioki

まず陰陽寮についてだな。陰陽寮というのは八省のなかの中務省にあるものだ…和名は「於牟夜宇乃豆加佐」で読み方はヲンヤウノツカサ。位階は従五位に相当する官職だ #官と位の話

@ouchi_yosioki

さて、この陰陽寮の主な仕事だが…陰陽師の仕事と言うべきか。陰陽五行の思想を用いて災害などの有無を占ったり土地の吉凶を判断するのが仕事だ。天皇の衣服の用意や宝物の管理まで行うぞ　#官と位の話

@ouchi_yosioki

四等官制が敷かれ、陰陽頭を始めとする幹部職と、陰陽道に基づく呪術を行う方技（技術系官僚）としての各博士及び陰陽師、その他庶務職が置かれていたぞ #官と位の話

@ouchi_yosioki

博士には陰陽師を養成する陰陽博士、天文観測に基づく占星術を行使・教授する天文博士、暦の編纂・作成を教授する暦博士、漏刻を管理して時報を司る漏刻博士が置かれ、陰陽、天文、暦3博士の下では学生、得業生などが学んでいる。ひとつの…大学のような感じだな #官と位の話

@ouchi_yosioki

タグを間違えた故再び…陰陽寮にあるものは持ち出し、貸し出し、転写禁止だ。朝廷はそれを利用した裏切りを恐れたゆえな…それほどまでにあの時代、陰陽道というものは重要視されていたのだ。因みに持ち出した者にはこわーい罰が待ってるぞ(´△｀*) #官と位の話

@ouchi_yosioki

先程も言ったが今の大臣や長官にあたる「陰陽頭」のもとに専門職に相当する博士が4名。更に陰陽師が6名 と、博士たちの配下で技術を学ぶ陰陽生、天文生、暦生などがいる。陰陽師は今で言う…講師のようなこともしていたぞ #官と位の話

@ouchi_yosioki

陰陽寮については大体これくらいだろうか…あぁ、あとは出仕時間と陰陽師の食事について話そう　#官と位の話

@ouchi_yosioki

当時の出仕時間は早くてな…諸門が開くのは、夜が明けて1時間もたたないころだ。4時…すぎくらいだろうか…その半刻後には仕事開始ゆえ、遠くから来ているものは夜中から門の前で待っていたのだ #官と位の話

@ouchi_yosioki

それとよく陰陽師の食事というと僧のような食事を考えるものが多いようだが…陰陽師にはとくに食べ物の禁忌などないぞ。仏教によるけもの肉の禁止はやはりあったようだが…食事は一日2回、朝の10時頃と夕方の4時ごろにしっかり食べている　#官と位の話

@ouchi_yosioki

えーっと…話を戻す。陰陽頭は世襲制、と言ったが安倍家（土御門家）・賀茂家（幸徳井家）の二家による世襲だぞ。そして、実質最後の土御門家当主、陰陽頭であるのが土御門晴雄どのだ #官と位の話

@ouchi_yosioki

晴雄殿は明治維新によって江戸幕府が崩壊すると、新政府に働きかけて旧幕府の天文方を廃止に追い込んだ。そして編暦・頒暦といった暦の権限のみならず、測量・天文などの管轄権を陰陽寮が掌握するまでに至ったのだ…こう、あ、あぐれっしぶだよな…　#官と位の話

@ouchi_yosioki

その後太陽暦導入に反対して、天保暦を改暦して太陰太陽暦の継続を図るように提案した…のだがその願いがはたされることなく、四十三という若さで病死してしまった。この晴雄殿の若くしての死も、陰陽寮解体の要因の一つといえるのではないだろうか…　#官と位の話

@ouchi_yosioki

後を継いだ嫡男の和丸…のちの晴栄はまだ若すぎたのだ。新政府内部でも天文や測量が古い陰陽寮に縛られる事への危惧や、非科学的な陰陽道が日本の近代科学導入の障害になる事が指摘され、結果陰陽寮の解体というものに至った #官と位の話

@ouchi_yosioki

この時和丸は11歳だ…ろくな反論もできないであろうに。それを良いことに新政府は陰陽寮…いや陰陽道自体を追いやったのだ #官と位の話

@ouchi_yosioki

まず晴栄殿につきつけられた理由は「富国強兵を目して西洋的な先進技術の導入を進めるにあたり、陰陽寮が近代科学導入の反対勢力の中心となる畏れが強く、陰陽道を排除すべきである」ということ #官と位の話

@ouchi_yosioki

西洋文明導入論者に加えて、純神道論者達や攘夷論者の主張が共鳴して陰陽道の敵は増えていったのだな…晴栄がもう少し早く生まれていれば、もしくは晴雄殿が長生きしていれば、これは変わっていたやもしれん #官と位の話

@ouchi_yosioki

そういったこともあり晴栄は大学星学局御用掛に任じられたが同年末にはこの職を解かれ、天文道・陰陽道・暦道は完全に土御門家の手から離れることとなったのだ #官と位の話

@ouchi_yosioki

その後、明治5年には天社禁止令が発せられ、陰陽道は迷信であると民間に対しても認識させたのだ。新しきものを求めるのはよいことだ…しかし他を退ける、というのは間違っている気がしてならないな… #官と位の話

@ouchi_yosioki

え…と何か明るい話を…あぁそうだ暦と天体観測は帝国大学の理学部に受け継がれているそうだぞ。陰陽師、とは言えぬが行き着いた先といったところか　#官と位の話

@ouchi_yosioki

ちなみに土御門の読み方は「つちみかど」だ　#官と位の話

@ouchi_yosioki

明治の土御門家の話ばかりしてしまったからな…私の生きた時代の陰陽頭について紹介しよう　#官と位の話

@ouchi_yosioki

時代的に土御門家二十九代当主の有春殿だな…堂上家、家格は、半家・安倍氏だ。従二位非参議の陰陽頭で…特に功績は残していないが恙なく職を全うしたということだ #官と位の話

@ouchi_yosioki

先程記した半家、とは鎌倉時代以降に成立した公卿の家格で堂上家の中でも最下位の家柄でな…公卿となっても有春殿のように悲参議、つまり参議に就かない者が多いぞ #官と位の話