おじさんと少女の組み合わせって萌えるよねついのべまとめ

タイトルが全て 常日頃萌えている想いが爆発してしまっただけのことさ
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(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

まさか男がどんな生き物か知らない筈もないだろうに、彼女はその華奢な両腕で上手に俺の日常に寄り添う。屈託ない笑顔、どこか寂しげな眸、目を見張る大人びた横顔、恐る恐る俺の名を呼ぶ声。気付けば年甲斐もなく動揺させられてる。ああ何故だろう。今更こんな予定じゃ、ないのに。 #twnovel

2012-02-20 23:13:04
しーな@GO2完走 @xsheeenax

もう恋はしないと思っていた。失恋をこじらせたという訳ではなく、こんな歳になって、今更どうこうするつもりは、さらさら。「人を好きになるのに定年なんてないでしょ?」一歩を踏み出せない俺に言い放ち、パーソナルスペースに躊躇なく飛び込んでくる小娘が小悪魔のように微笑む。 #twnovel

2012-02-20 23:23:59
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

あの人は私を邪見に扱わないから、いつだって少し羽目を外して甘えてしまう。我侭を言った後に落ち込んで、挽回しようと精一杯背伸びする。もしかして最初から御見通しなのかもしれないけど。頭の上に大きな掌の感触。「いいから、子供は帰って寝なさい」その微笑みが、いつも狡い。 #twnovel

2012-02-20 23:25:43
しーな@GO2完走 @xsheeenax

この人に、どこまで触れてもいいんだろう。いつも不敵な笑みを浮かべてあたしのされるがままにしているのが大人なの? ある日突然避けられたらどうしよう。ほんの少し不安を覚えて引いた手を掴まれる。「調子に乗るなよ」怒られる、と思った、けど。「我慢するのも大変なんだ」え? #twnovel

2012-02-20 23:34:17
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

生き急いでいる心算は無いが、不摂生のシワ寄せが来る歳なのだとはぼんやり諦めている。だから風邪ごとき多少熱が高かろうとも。呼び鈴に導かれて開いたドアの外には、何やら懐かしい気のする少女がいた。心配しましたと目を逸らす、その涙がまさか俺の為だとは、俄かには信じ難く。 #twnovel

2012-02-20 23:43:25
しーな@GO2完走 @xsheeenax

ケーキから鮮やかなベリーがこぼれ落ちる白い皿が、笑ってしまうくらい似合わない。「ブラックコーヒーと煙草が似合うのにねぇ?」くすくすと笑う彼女の前に置かれたパフェを一口奪う。「ああっ!」「味見だ、味見」おっさんがスイーツ食ったらいけないなんて誰が決めたんだ、全く。 #twnovel

2012-02-20 23:44:19
しーな@GO2完走 @xsheeenax

あのなー、お嫁さんになるー、なんて簡単に言うけどな、俺はおっさんだからすぐにジジイになっちまうぞ。お前さんはまだガキ……ああ、もうつねるなつねるな、子供だから。怒るなよ本当のことじゃねぇか。俺がくたばりかけたらさっさと次の若い男取っ捕まえねーと……うわ、泣くな! #twnovel

2012-02-20 23:53:12
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

道端で会えたのが嬉しくて、普段よりつい声が上擦ってしまう。だからあなたの気配が少しピリピリしていて、相槌も上の空なことに気付くのが遅れた。もしかして、面倒臭く思われちゃったのかな。別れ際に名前を呼ばれて、振り返る。「さっきの奴、誰。カレシ?」拗ねたような眼差し。 #twnovel

2012-02-20 23:57:19
しーな@GO2完走 @xsheeenax

いつも「僕」と言っているあなたが酔ったときに漏らす「俺」とか。不意に呼び捨てにされる名前とか。そんな些細なことで心臓がはねるのを抑えることが出来ない私を、きっとあなたは子供だと笑うんでしょう?追いつこうといくら頑張っても、あなたとの距離は縮まらないのがくやしい。 #twnovel

2012-02-20 23:58:45
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

料理下手だと思われていたことが心外だし、だったら見てなさいよと手腕を奮うお昼時。出来栄えから味まで我ながら文句なし。なのに反則でしょう?いいお嫁さんになるな、なんて。その台詞がおじさんっぽいって笑い飛ばしたけれど、耳が赤いことだけは気づかれたくない、絶対。 #twnovel

2012-02-21 00:05:13
しーな@GO2完走 @xsheeenax

携帯電話の使いこなせるようになったと思ったら、今度はスマホだと。電話もメールもネットも音楽もゲームも全部出来る便利なシロモノ。でも、イヤホンしたままずっと下向いてないで、ちったぁおじさんの相手もしなさい。CDのことレコードって言っちゃうような年寄りで悪かったな。 #twnovel

2012-02-21 00:06:44
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

まるで迷い猫のようだと思った。懐いてくれているのは俺が拾い主で、餌を与えたからに過ぎない。傷が癒えれば又出て行ってしまうのだろう。だからこうして隣で笑っていてくれることも、振り向いて居場所を確かめるのも、今この瞬間だけ。それを淋しいと思うこと自体相応しくはない。 #twnovel

2012-02-21 00:21:26
しーな@GO2完走 @xsheeenax

「ところで、前から訊こうと思っていたんだが」「ん?どしたの?」「わしのどこが良いんだ?」「え、何、急に」「んにゃ、何となく」「……えと、強いから?」「確かにおぬしに勝ったが……それだけか」「だって、いつの間にか全部好きになってたのに、そんなのわかんない」「むう」 #twnovel

2012-02-21 00:22:30
(朝斗)外部避難中 @Asatoiro

涙の後をなぞる。微かに震える瞼の下では、一体どんな夢を見ているのだろう。華奢な肩、真白な頬と指先、薄く開いたままの口唇。カーテンの隙間から忍び込む夜の光。空に消える紫煙。その横顔を眺めながら恥ずかしげもなく思ってしまう。その中に、俺が居てあげられればいいのにと。 #twnovel

2012-02-21 00:33:31
しーな@GO2完走 @xsheeenax

この手をつないでいてもいいのかと自問自答する。引き寄せて、抱き締めてしまっても。自分にまとわりついた酒と煙草の匂いは彼女に似合わない。いつか泣かせてしまうのなら、今のうちに、これ以上深みにはまらないうちに、手を、離してしまえば……俺はラクになれるのかも知れない。 #twnovel

2012-02-21 00:39:16
しーな@GO2完走 @xsheeenax

ぎゅう。しがみついてくる、やわらかくてあたたかい毛布のかたまり。そこから覗いている黒髪をそっと撫でると、ぴくりと弾かれるような反応が返ってきた。「なでなでしただけだよ」「知ってる!」噛みつくような返事も甘噛みにしか聞こえない。躾がまだまだ必要だけれど、先は長い。 #twnovel

2012-02-21 00:55:13