f_zebraさんの「原発事故による地下水の放射能汚染」についてのつぶやき

地盤工学からの考察など。 ①サイトで発生した汚染水が地下水に混入するというパターン ②広い範囲に降下物として降り注いだものが雨水などと共に地下に浸透し、地下水を汚染するというパターン 続きを読む
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Flying Zebra @f_zebra

最近あまり見かけなくなりましたが、福島第一原発事故に関して、地下水の汚染を心配する声があります。考えてみれば、地下水というか、地盤の構造をよく知っている人はそれほど多くないことに思い当たりました。私程度の地盤工学の知識でもいくらか役に立つかもしれません。

2012-02-22 12:34:28
Flying Zebra @f_zebra

原発事故による地下水の放射能汚染は、サイトで発生した汚染水が地下水に混入するというパターンと、広い範囲に降下物として降り注いだものが雨水などと共に地下に浸透し、地下水を汚染するというパターンの2通りが考えられます。それぞれ分けて考えてみましょう。

2012-02-22 12:36:51
Flying Zebra @f_zebra

まずは発電所サイトですが、福島第一だけでなく、日本の原発は全て海沿いにあります。日本の国土の約7割は山林であり、多くの人が生活する平野部も概ね海の近くにあります。海に近い平野部は過去の気候変動による海進、海退で互層状態の地層が形成されています。

2012-02-22 12:38:33
Flying Zebra @f_zebra

つまり、海面が上昇し海底にある期間には粒子の細かい粘土が堆積し、海面が下がって陸上にある期間は粒子の粗い砂礫が堆積します。平野部の堆積層はこのように粘土と砂礫が交互に積み重なっています。それぞれの層は、陸から海に向かって緩やかに傾斜しています。

2012-02-22 12:39:02
Flying Zebra @f_zebra

日本では原子炉建屋は支持岩盤に直接基礎を打つことになっていますが、この支持岩盤というのは更に深い、新第三紀層と呼ばれる地層です。形成されたのは2千万年~170万年ほど前です。

2012-02-22 12:39:27
Flying Zebra @f_zebra

地盤の中の水の通りやすさを表す透水係数という値がありますが、粘土と砂では3桁~5桁ほどの違いがあり、一般的に粘土層は「不透水層」と呼ばれます。全く水が透過しないのではなく、「透水層」に比べて1/1000~1/100000程度しか通さないという意味です。

2012-02-22 12:40:10
Flying Zebra @f_zebra

地表から浸透した水は、不透水層に当たるまでは重力に従って下方に移動しますが、毛細管現象によって一部は側方にも拡散します。不透水層に達すると、大部分はその傾斜に沿って流れを形成します。つまり、海の方へ向かって移動します。

2012-02-22 12:40:57
Flying Zebra @f_zebra

従って、汚染水の地下への浸透の問題は海洋汚染の問題に帰着できます。東電が建屋の海側に遮水壁を作ったのも正にこのためです。尚、陸側にも遮水壁を建設すべきかどうかについては検討の結果必要なし(効果がない)としています。http://t.co/WixQOg03

2012-02-22 12:41:36
Flying Zebra @f_zebra

ちなみに、原子力施設の地下水汚染については、アメリカでは数年前からトリチウム汚染が大きな問題になっています。トリチウム、つまり三重水素は酸素と結合して(三)重水となりますが、普通の水(軽水)と物理的な挙動が同じなので隔離が困難です。

2012-02-22 12:42:12
Flying Zebra @f_zebra

アメリカ中西部では多くの原発が内陸に立地し、地下にほとんど移動のない巨大な帯水層が存在してその水を生活用水や農業用水に利用している地域も多いため、地下水の汚染はより深刻な問題となっています。

2012-02-22 12:42:46
Flying Zebra @f_zebra

日本、特に1Fサイトに限れば汚染水が地下で拡散し、生活用水や農業用水に混入するという心配はまずないと思います。最も心配すべきは海への流出であり、これについては引き続き(関係者は)注意が必要です。

2012-02-22 12:43:21
Flying Zebra @f_zebra

そういえば、メルトダウンした燃料が原子炉容器、更に格納容器を突き破り、コンクリートの基礎を突き抜けて地盤に入り地下水に触れて水蒸気爆発!みたいなシナリオもあったと思いますが、熱量を無視したとしても原子炉建屋の直下にはそもそも地下水がないのです。

2012-02-22 12:43:59
Flying Zebra @f_zebra

続いて、事故サイトから離れた場所での放射性降下物由来の地下水汚染について考えてみましょう。このパターンでは、事故直後の1ヶ月程度を除けば着目すべき核種はほぼセシウムと、ごく微量のストロンチウムに限定できるでしょう。

2012-02-22 12:44:42
Flying Zebra @f_zebra

事故直後に「プルトニウムは重いから飛ばない」といった適切とは言えない説明がされたためにその事実まで疑っている人もいるようですが、沸点と外部への漏洩経路(蒸気に乗った)からストロンチウムや超ウラン元素の放出が極めて少ないことは説明でき、実測でも証明されています。

2012-02-22 12:45:29
Flying Zebra @f_zebra

表面水が直接流入するような場所では、降下物が集積されて周囲の環境より高い濃度で存在する可能性があります。そうした水(井戸など)を生活用水や農業用水に利用する場合は、定期的に検査した方がよさそうです。

2012-02-22 12:46:23
Flying Zebra @f_zebra

一方、一旦土中に浸透した地下水については、セシウム等の陽イオンは負に帯電した土粒子に吸着して地表付近に留まるため、汚染は限定的だと思われます。地盤中での移動距離が長くなるほど金属イオンは取り除かれるため、広域の地下水汚染に発展することは考えにくいでしょう。

2012-02-22 12:46:51
Flying Zebra @f_zebra

一方、一旦土中に浸透した地下水については、セシウム等の陽イオンは負に帯電した土粒子に吸着して地表付近に留まるため、汚染は限定的だと思われます。地盤中での移動距離が長くなるほど金属イオンは取り除かれるため、広域の地下水汚染に発展することは考えにくいでしょう。

2012-02-22 12:46:51
Flying Zebra @f_zebra

一方、一旦土中に浸透した地下水については、セシウム等の陽イオンは負に帯電した土粒子に吸着して地表付近に留まるため、汚染は限定的だと思われます。地盤中での移動距離が長くなるほど金属イオンは取り除かれるため、広域の地下水汚染に発展することは考えにくいでしょう。

2012-02-22 12:46:51
Flying Zebra @f_zebra

ゴミ焼却施設の焼却灰処分(埋立)サイトについても同様に、仮にシールが破れたとしてもセシウム等は遠くまで移動することは考えにくく、焼却灰に含まれる他の有害物質に比べると比較的リスクが低いと思います。

2012-02-22 12:47:32
Flying Zebra @f_zebra

夕べは日曜に作ったハッシュドビーフっぽい何かの残りでした。カレーやシチューならセンスのなさを具の多さでごまかすのがそこそこ有効なのですが、ハッシュドビーフはあまり色々入れすぎると違うモノになってしまうようです。美味しかったからいいけど。

2012-02-21 08:15:07