烏賀陽さんの「政府の信用崩壊」の話

烏賀陽　弘道 @hirougaya

「一般公衆の被曝限界は年間２０ミリSVが限界なのか、１ミリSVなのか」という論争はサイエンスの世界でも決着がついていない。これは「政策立案者が決めた人工的な基準」にすぎない。つまり実際値からs抽出した値ではない。実験しようにも、実験データがない。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

もっと現実の問題は「かつて１ミリSVを守れと資格や講習、規制を強制していた法律を、人工的に、議論も経ずに、事故が起きたからといって安易に変更してしまったことによる「信用破壊」のほうが深刻なのではないか。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

つまり「１ミリSVが妥当なのか、２０なのか」という論争はいくら議論しても、決着はつかず「主観の迷宮」に入って出てこない。現実問題として深刻なのは「被曝限界１ミリSVを強制していた力の信用破壊あるいは権威崩壊」なのだ。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

「そんなに何の根拠もなく２０ミリSVに変更できるなら、今まで１ミリSVを守れと命じていた根拠は何だったんだ！」（原発作業員はもうちょっと数値が上）という「信用崩壊」「権威崩壊」がいま大混乱を生んでいるのです。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

もともと「一般公衆がxミリSV以下の被曝で済むような施設を許可する」という「施設の許認可基準」と「放射能が漏れたら」という「避難基準」「被曝基準」とはまったく別の話だった。それが混同されているのではないか。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

被曝と健康被害の因果関係は「X以上浴びると間違いなく死ぬ」と「Y以下浴びても絶対大丈夫」みたいな「上」と「下」だけがわかっていて「中間」が莫大な空白になっていて決着がついていないのではないか。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

「そんなに何の根拠もなく２０ミリSVに変更できるなら、今まで１ミリSVを守れと命じていた根拠は何だったんだ！」（原発作業員はもうちょっと数値が上）と「信用崩壊」「権威崩壊」が起きたから「今度の２０ミリSVという基準も信用できない」と考えるのは自然です。

烏賀陽　弘道 @hirougaya

その信用崩壊が深刻なのであって「１ミリSVが妥当なのか、２０ミリSVが妥当なのか」という論争は終わりのない迷宮です。政府が現実の問題に対処したいのなら、その「 １ミリSVてのはPだったんだけど、２０ってのはQだから、それでいいんだ」と説得しないといけません。