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2012年2月28日

山本七平botまとめ/『民主主義の現代に必須の書「貞観政要」とは』

山本七平著『帝王学「貞観政要」の読み方』/はしがき/3頁以降抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

「帝王学」そんなものは現代には関係ない、『貞観政要』そんな本は聞いた事もない、と人はいうかも知れない。 だが見方を変えれば現代に最も必要なものは「帝王学」かも知れない。というのは昔は権力・権限が一人に集中していたから、その一人がこれを学べばよかった<帝王学『貞観政要』の読み方

2014-05-24 21:04:49
山本七平bot @yamamoto7hei

だが、民主主義は権力を分散する。 権力の分散は権力の集中より安全であろうが、これは、裏返しに見れば数多くの小帝王を生じうるという事である。 それだけでない。 複雑な現代社会は、あらゆる所に「生殺与奪」の権を握る公的ないしは私的な権力をもつ小帝王を生じうる。

2014-05-24 21:09:05
山本七平bot @yamamoto7hei

③人事権、許認可権、それにまつわる賄賂や情実、 それらが新聞記事などになると、私は時々 「ウーム、こういう人のもつ権力は、行使しうる範囲が昔の帝王より狭いというだけで、その権力の強さは昔の帝王以上かも知れないな」 と思わざるを得ない。

2014-05-24 21:10:34
山本七平bot @yamamoto7hei

④だが同じ事は、経営者にもいえるし管理職にもいえる。 それらの権力は、時にはある一家族を地の果てに追放し、ある人間を自殺に追い込むほど強力である。 だが、現代で最も大きな権力を握っているのは「大衆」かも知れない

2014-05-24 21:11:50
山本七平bot @yamamoto7hei

⑤この点、西部邁氏の『大衆への反逆』は示唆に富む面白い著作だが「大衆=帝王」にうっかり反逆したら、たちまち抹殺されてしまうであろう。 だがこれは大衆が愚かだと言う事ではない。 本書にあるように「嗜欲喜怒の情は賢愚皆同じ」であり、一人ひとりを見れば大衆こそ賢者なのかも知れない。

2014-05-24 21:13:24
山本七平bot @yamamoto7hei

⑥しかし、いかなる賢者も権力をもてばおかしくなり「三年でバカになる」という諺もある。 さらに困った事に、「大衆」という権力は常に責任を負わないですむ。 そして責任を負わないですむ事は、自制心の喪失になり、これが最もよく現われるのが群集心理である。

2014-05-24 21:14:44
山本七平bot @yamamoto7hei

⑦例えば見ず知らずの他人の車に理由もなく火をつけてひっくり返せ、などと言われても個人の責任ある行為としてこれをなし得る者はいない。 だが群集はいとも簡単にこれを行ない、それを自己の責任とも思わず、被害者の事も考えない。 その大衆が権力を握り「大衆=帝王」となったらどうなるか。

2014-05-24 21:16:05
山本七平bot @yamamoto7hei

それは人類史上最大の暴君かも知れず、これは現代が抱えている最も難しい問題かも知れぬ権力の周辺には必ず「阿諛追従の徒」が集まる。 これが本書に出てくる「六邪」である。

2014-05-24 21:16:59
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨失脚した政治家、経営者、高級管理職などを見ると、必ず「六邪」という「取りまき」がおり、その為「十思・九徳」を失い「兼聴」でなく「偏信」となり「終わりを全うできない十ヵ条」をそのまま行なっている。 こういう点では、人間も社会も実に昔と変わらないものだと思わざるを得ない。

2014-05-24 21:18:08
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩「六邪」は権力を握れば必ず出現するのだから「大衆=帝王」が出現すれば「マスコミ」という名の「六邪」が出現しても不思議ではない

2014-05-24 21:18:58
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪そして「六邪」の言葉は常に耳に楽しく、潜在的願望をくすぐり、それに耳を傾けていれば破滅だとわかっていても、ついそれだけに耳を傾け「偏信」となり「兼聴」を失う。 そして失脚する。 では、「六正・六邪」をどうやって見分けるか。

2014-05-24 21:20:05
山本七平bot @yamamoto7hei

⑫これは情報の選択、社員の採用、抜擢等における最も重要な「基準」だがこれをペーパー・テストで計る事はできない。 中国もペーパー・テストの国だったからこの点には大変に苦労したらしいが…「六正・六邪」にもやはり判定の基準はあるのであって、 それを我々が忘れているだけ である。

2014-05-24 21:21:28
山本七平bot @yamamoto7hei

⑬さらに平和な「守成の時代」に、どのようにしたら組織を活性化できるかという問題もある。 組織が同じなら、同じように機能するなどということは決していえない。 人々が「相惜顔面」すなわちいに面子を立て、相手の感情を害すまいとすれば、問題は見えなくなり機能を失う。

2014-05-24 21:22:56
山本七平bot @yamamoto7hei

⑭それを上がそのまま承認すれば「上下雷同」となる。 だが、こういう状態はその組織内にどっぷり浸かっていると、何の衝突も生じないから、逆に安全な状態のような錯覚になる。 だがそれは組織が現実から遊離して全く機能しなくなり、いずれは崩壊するということにすぎない。

2014-05-24 21:27:00
山本七平bot @yamamoto7hei

⑮それをどうやって防ぐか、 こういう問題も論じられている。 本書を読んでいけば、今話題になっている全ての問題は、すでに論じつくされていると言っても過言ではない。 では『貞観政要』とはどのような本なのか。

2014-05-24 21:28:33
山本七平bot @yamamoto7hei

この本は実に平安時代から一貫して日本人の「帝王学」というより「リーダー学」の教科書であった。 日本は中国と違って鎌倉時代以降は権力分散の時代であったから、様々なリーダーが本書によってリーダーはいかにあるべきか、どのようにしなければ終わりを全うできないかを学んだわけである。

2014-05-24 21:29:57
山本七平bot @yamamoto7hei

⑰恐らく日本で、最も長く読み継がれて来た本であろう。 だが、本書もまた戦後に消え、今では『貞観政要』という書名を知る人も殆どいないようになった。 …本書を傍らに置くことは、常に、遠慮なく厳しく注意してくれる人を傍らに置くようなものである。

2014-05-24 21:30:59
山本七平bot @yamamoto7hei

何となく皆が、周囲に逆らう事や、マスコミに叩かれそうな事は言わなくなった現代は、まさに「相惜顔面」の時代かも知れぬ。 こういう時代こそ、諌言・直言・苦言を傍らに置く事は、各人にとって特に権力・権限のある者にとって、必要不可欠の事であろう―― 特に、終わりを全うする為に。

2014-05-24 21:32:13

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