一色登希彦版 漫画「日本沈没」連載時の回顧1。

小松左京さん原作、一色登希彦版の漫画「日本沈没」の電子書籍版全巻が3月2日にリリースされました。 ↓ http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/24774.html 2005年から『ビッグコミックスピリッツ』誌で連載した当時のことを回顧します。 続きを読む
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一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】新作映画版の脚本をなぞれば、単行本2〜3冊程のボリュームが想定される。翌2006年夏の映画公開時に漫画の単行本も発売されていて、映画が終わる頃には漫画も完結している。それが「映画の漫画化」としての漫画の大方の道。 その「暗黙の思惑」に対して自分は別の意向を伝えた。

2012-03-01 15:53:01
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】直感的にも戦略的にも十数巻つまり数年間の連載でなければ描ききれない、と。その頃には映画もとっくに終わっているし「日本沈没」というタイトルに関わっているのは自分だけになるだろう。途中打ち切りの危険も生じる。それでもまず第一目標のクリアにその長尺が要った。第一目標つまり…

2012-03-01 16:01:23
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】樋口真嗣監督を驚かす事。

2012-03-01 16:11:09
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】それが第一目標だった。それが叶えば、同様に驚かせたいと架空設定している人々を驚かせる事が出来るし、読んでいただくに足る作品になると踏んだ。映画脚本通りに描くという選択肢は、樋口監督を驚かせる可能性を手許に残す上でも無しとした。

2012-03-01 16:16:19
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】大層な能書きがあろうとなかろうと、秋口、時期的に第1話〜のネームが求められる(当たり前だ)、ヤバい! 決めていたいくつかのこと。「主人公の小野寺をイヤな奴にする」「冒頭のエピソードは独自のものとする」「既存「日本沈没」全バージョンを好きに引用し編み込む」

2012-03-01 16:34:56
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】(連載前に決めていたいくつかのこと、他にも大きなことがあるのだが後述)第1話〜( http://t.co/jyRjiBUF)は「小さな?異変」を東京の街で起こそうと決めた。副題の「地下の竜巻」はTV版2話副題「海底の狂流」を想起して付けた。

2012-03-01 17:14:10
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】序章「地下の竜巻」は今の流行言葉で言うアバンタイトルのイメージ。意味の分からぬ異変…のモチーフは、その夏に公開されたスピルバーグ監督の「宇宙戦争」での監督お得意の「現物が出てくるまでの気持ちの悪い異変」の佇まいからヒントを。 http://t.co/PYq5wmYG

2012-03-01 17:26:13
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一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】(ちなみに自分の記憶では当時スピルバーグ監督の「宇宙戦争」の評判があまりよくなくて密かにがっかりしていた。自分としては氏の監督作でも何本かの指に入る快作。)

2012-03-01 17:28:53
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】(やっべいま第1話〜( http://t.co/jyRjiBUF)読み返してしまったけど面白い・・・(←さっきからビール飲み始めて酔っ払いオレ))

2012-03-01 17:35:16
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】現実に参考にしたイメージは、1990年にJR御徒町駅で起きた道路陥没事故(不思議と画像映像残ってない。なんかヤな感じ)。クルマが道路の穴に飲み込まれて、穴の中から土煙が吹き出すのよ。「陥没事故」とか画像検索してみてください。 http://t.co/3wiC6xxN

2012-03-01 17:50:34
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一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】序章。目の前の惨事を他人事のようにカメラに収める人々。これは安野モヨコさんの「働きマン」第1話に同じモチーフがある。シンプルで秀逸な描写。時系列的にはモヨコさんの作品が先。ただちょっと悔し紛れ半分のエピソードがあって・・・ http://t.co/qHFZeVKg

2012-03-01 18:13:04
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一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】前作連載時に次の連載の企画打ち合わせをしていた作品のひとつ(残念ながら実現しなかった)に、この「写メで他人事みたいに災害を撮る」というモチーフを描きたい旨の話をしていた。そのあとに「働きマン」で見事に描かれてしまって脱帽。しかし懲りずに敢えて使ったと言う次第…。

2012-03-01 18:18:28
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】その、当の安野モヨコさんからは、その当時は面識はなかったのですが、その後「日本沈没」をお褒めいただいてお会いして色々遊んでいただいて…というシアワセに浴しましてございます。

2012-03-01 18:27:33
一色登希彦 @ishikitokihiko

光栄!RT @takukitazaki: なるほど「宇宙戦争」好きの僕は【一色版日本沈没】第一話は衝撃の面白さでした。登場人物の誰も何が起こってるのかわからないのにこれから日本が沈没する不安に満ち満ちていて素晴らしい導入でした(^^) RT @私/スピルバーグ監督の「宇宙戦争」

2012-03-01 18:34:20
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】序章のモチーフのひとつ。→平成2年1月JR御徒町ガード下道路陥没事故: http://t.co/3kS7S7A1 @youtubeさんから

2012-03-01 18:41:42
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一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】…挙げてきたモチーフ等、数々自分の中に放り込んで、「今、日本、オレたち、ココ」と自分が思う第1話のネームを描いた。記憶では編集部のブースに泊まり込んでいた。けったいなネームだったと思うが基本的にほとんどママで通った。スピリッツ(編集長、副編集長、担当氏)太っ腹。

2012-03-01 19:07:53

スピリッツ編集部の度量に乗っからせてもらっていたの話

一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】(あーきっと話逸れるわ)担当氏や副編集長をパスしても最終的には編集長のOKが要る。当時のスピリッツ編集長は立川さん。相原コージさんが「コージ苑」連載時の担当さんとして回顧したりの名編集者。その立川氏のネームチェックが興味深かった。的確なのだ。

2012-03-01 22:16:06
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】序盤のネームの数々。このネーム(のコピー)に立川編集長は自ら赤ペンで直しを入れて行く。それが的確でどんどん読みやすくなるのだ。自分は喜んで受け入れて修正していった。しかし、自分のネームに編集者が赤を入れるという行為だ・・・ http://t.co/oR1HqCtx

2012-03-01 22:24:37
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一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】ネームに他人が(しかも編集者が)赤を入れるという行為を堪え難い人がいる事も想像に難くない。立川氏の様々な作品への「介入」にも賛否両論毀誉褒貶があったのを自分も見聞きした。自分は「賛」。ただしその編集者が一生自分と仕事を共にしてくれるなら。それが不可能なので悲劇がある。

2012-03-01 22:33:19
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】多くの漫画家さんが「相性のいい有能な編集者は、出会ったら手放したくない。お金を払ってでも自分のパートナーにしておきたい。」と言う。自分も、金を払うことで立川氏が、副編集長が、担当氏が自分の為だけに付き合い続けてくれたならどれだけ楽だったことか。現状はそうはいかない。

2012-03-01 22:37:22
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】そうした漫画家の不安定は否応無く存在する。…が、とにかくネームの手応えは良かった。好き勝手な「脚色」を申し出た際の渋い反応も払拭出来た気がした。さらに確か数日、編集部のブースに寝泊まりして冒頭数話のネームを完成させ、原稿制作に突入した。

2012-03-01 22:46:00

原稿制作、スタッフ集め、連載開始、そして第一話の読者アンケートの結果・・・の話

一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】さて原稿制作。自分の机の上と仕事場のスタッフ作業、所謂漫画の現場っぽい事。とにかく制作費と人材を確保して、アニメや映画の集団作業を模して作って行こうと考えた。通常スタッフさん探しは編集部に頼る。「とにかく見込みがあると見ている人を紹介してください」と頼んでおいた。

2012-03-02 01:12:23
一色登希彦 @ishikitokihiko

【日本沈没】スタッフは最多で同時に6名(延べは人数はさらに多人数)。高田氏 http://t.co/q1OL6jCi 大瑛氏 http://t.co/llYuWiKQ 元町氏 http://t.co/1IRbEj1s 朱戸氏 http://t.co/IMPAjTCE 挙げきれぬ

2012-03-02 01:33:37