twblnovel 2月

ハウリル @how_howlite

「いい加減、解れよ」というお前の主張が嫌い。お前の不機嫌の理由は解らないし、お前が俺を拒む理由も解らない。お前が照れる理由も解らなければ、お前が焦る理由も解らない。何も言わないお前をどう理解しろっていうのか解らないし、お前も俺を解ってくれないじゃないか。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

お菓子作りが大好きな俺。バレンタインの楽しみは、１５日、ヤツに自作のお菓子をあげること。勿論、前日に甘い物を食べ過ぎてることを見越した、塩系やほろ苦系。「美味い！マジ！」笑顔のヤツ。毎年、こうして貰ったチョコレートの印象を薄める。女子のチョコよりも、俺の味。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

鬼とは、家に降り懸かる災厄を現した存在のことである。「まぁ、現代に生きる鬼に災厄を運ぶ力なんて無いけど」人よりも肌が赤く、額に角を生やした男が――鬼が言う。「なら働け。家計の圧迫は立派な災厄だ」「しょうがないだろ。日雇い労働くらいしか仕事が貰えないんだよ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「鬼は内と、一般とは違う声を掛けます」代々鬼神憑きの家系故、鬼を祓うなんてとんでもない。そう言った男は、鬼を受け入れる為の器として育てられたらしい。「あなたのような方なら、立派な種を持ってらっしゃることでしょう」男の声が誘う。「鬼さんこちら。私の中へ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「鬼に金棒っていうけれど、鬼の金棒（真珠入り）はマジスゲーぞ。太くて肉厚で、マジ鳴かされる」「お前の交遊関係なんなんだよ。どうやったら鬼と出会うんだよ。しかもなんで当然のようにヤってんだよ」「そこに逞しい棒があれば、ヤるしかないだろう」「黙れ変態クソビッチ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「働きたくない」「でも、そろそろ大学卒業だろ？」「だってー…。社会に出る為のスキルなんて磨いてない」「はぁ？あんなに家事全般熟しといてそんなこと言うか？」「家事は社会で使わない…。それに…」「それに？」「花嫁姿、似合うと思うよ？俺。どう？」「プロポーズか？」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「俺様、スッゲーモン盗んじまったんだぜー。俺様、マジ悪い奴だぜ。マジ格好いいんじゃね？」「どうでもいい」「うおっ、冷てー…。何盗んだか聞きたい？聞きたいっしょ？」「別に」「俺様が盗んだのは………、なんと、お前の心でーっす！イェーイ！イェーイ！」「……」ガタッ #twblnovel

ハウリル @how_howlite

悪く言えば馬鹿。良く言ってもバカ。頭は死ぬ程弱いけど、底抜けの明るさとテキトーさが憎めない。ソイツが、こんな冷たい人間を暖かく照らす。「それ、冗談で言ったつもり？」「へ？」肩を掴まれた馬鹿が、バカな顔を晒す。「泥棒」心を奪われた俺は、馬鹿の唇を奪ってやった。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

眠れないボクを、子供のようだと嗤いますか？アナタは、不安な夜を怯えて過ごすボクを、臆病な子供だと嗤いますか？今日も、アナタのせいで眠れません。アナタのことを想うから、アナタの体温を感じるから、アナタが卑怯な大人だから、ボクは今日も、アナタの隣じゃ眠れません。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「腐女子に相談するとか本気！？確かにホモは好きだけど所詮ＢＬはファンタジーであって実際の恋愛には何の役にも立たないわよ！でも、アンタとアイツが付き合うことになったらちゃんと私に逐一報告してよ！」「お前、真面目なのか茶化してるのかツンデレなのかなんなんだよ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「冗談はさておき。アイツ、彼女いるじゃん」「あぁ。でも、最近別れた」「へー。一ヶ月ごとに記念日を祝うような爆発推奨カップルだったのに？」「あぁ。頑張ったぜ」「…へ？」「そりゃあもう、アイツとあの娘が別れるように色々と」「やだちょっとこの人ヤンデレてる怖い」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「つまり、傷心の今の内に弱みに付け込んで絆したいってことでＯＫ？」「人聞きは悪いがＯＫだ」「えー。既成事実さえ作っちゃえばいいんでしょー？じゃあもう、家行けば？で、酒でも飲ませて酔わせて愚痴らせて流して押し倒しちゃえば？」「よくあるパターンだな、オイ」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「あの時、私が彼の背中を押したことが、二人の交際に繋がりました」同性で結婚式を挙げるとか、ＢＬ漫画が現実になりやがった。参列してスピーチしてる私もちゃっかりしてるが、あれから本当に既成事実作って付き合ってとうとう結婚式まで挙げちゃうアイツの執念も天晴である #twblnovel。

ハウリル @how_howlite

コンビニで弁当とお茶と練乳とゴムを買った。家に帰って弁当を食ってから、常備してるローションに水と練乳を混ぜる。できた白濁の混合液を、買ったゴムの中に少量ずつ入れて口を縛った。液体で汚れた手はティッシュで拭く。そして、ゴムもティッシュも全部ごみ箱の中に捨てた。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「ただいま」朝、半同棲中の彼氏が来た。シーツを洗う洗濯機の音を聞きながら、男を眺める。その男が、寝室の様子を見咎めたようだ。「…オイ、なんなんだよコレ」男は、ごみ箱を手にして中身を指す。大量に捨てられたティッシュと使用済のゴム。「何が？」淡々と聞き返した。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

減ったローションとティッシュ。洗われてるシーツ。使用済のゴム。「浮気したのか…！」男はいきり立って胸倉を掴んできた。そんな様子にも動じず、ただ淡々と返す。「なら、別れる？」自分優先で俺のことなんか省みないのに、その独占欲が癪に障る。ホラ、別れを切り出せよ。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

チョコを溶かして固めるだけの簡単な作業に失敗した。「な、なんで…」冷蔵庫の中で一晩冷やしていたにも関わらず固まらないチョコを呆然と眺めながら、俺は呟く。結局、手作りを諦めて市販のチョコを買って渡した。「サンキュな」予定では、もっと笑顔にできるハズだったのに。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「お前、誕生日もクリスマスも、『俺がプレゼント』で押し通したろ？」「…」「バレンタインも同じネタで押し通すつもりか？」「…プ、プレゼントは、俺…、です…」「明日どころか明後日まで家に閉じ込めるし、しばらく立てなくなるまでヤられるってこと、わかってやってる？」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「本命とか義理とか、チョコに失礼」とか言いながら、貰ったチョコレートはキッチリ全部自分の腹の中に収める律儀な彼。ホワイトデーには、ちゃんとみんなにマシュマロを返す。律儀。「おかわり。ミルクでいいよ」「はいはい」僕としては、そんな彼を支えられることが嬉しい。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

「褌は気持ちいいぞ。締め付けもゆったり感も、自分で調節できるからな」「お前の趣味など知らん」「まあそう言うなよ。お前も一度着けてみろ？病み付きになるぞ。しかもパンツと違って、一々脱がなくてもちょっとずらせば簡単に挿入れられるし」「お前の爛れた性活なぞ知らん」 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

男は袋を掴め。胃袋、堪忍袋、給料袋、ついでに金玉袋。煮干しで出汁を取った料理は家庭的だと褒められ、怒らず騒がず相手を受け流す様は柳のようだと感心され、家計のやり繰りと節約による貯蓄は効率的だと賞賛され、ベッドの上の行為は最高だと唸り声を上げながら昇天される。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

初恋が終わりを告げたのは、桜が舞う季節だった。今も僕の胸に巣くうのは、あの時君が放った一言。「もうこんな気持ち悪い関係はやめようぜ」そう言って、君は僕から逃げていった。あれから十年。知らないアドレスから届いた一通のメール。『お前以上に人を好きになれなかった』 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

アドレスが変わってなかったことに安心したのも束の間、変更した自分のアドレスに相手は気付かないかもしれないことに思い当たる。十年という長い間、呪縛のように俺の心を苛む男。いや。自分から捨てたクセに、今更こんな恨み言を伝えて何になる。自分の矮小さにうんざりした。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

十年。忘れるには十分な期間だったろうに。僕は傷付いたままで、彼は引きずったまま。どっちも忘れられなかったなんて。アドレス帳に新しい連絡先を登録して、僕はケータイをしまった。メールは返さない。僕が傷付いたように、彼も傷付けばいい。そんな、小さな復讐心を込めて。 #twblnovel

ハウリル @how_howlite

メールが返ってこない事は予測してたじゃないか。だって、あんな別れ方をした。だって、あれからずっと会ってない。アイツも、恋人や一番大切な人を見付けていたっておかしくない。ただ、俺がアイツのことを忘れられないだけだ。身勝手な文の送信メールを恨みがましく見つめた。 #twblnovel