Kyota_WJの twnovelほぼ全集(101~200)

Twitter 小説(twnovel、ついのべ)としてポストした呟きをまとめています。101作から200作まで。
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(T-T) @Kyota_WJ

かつて、破壊は一瞬で、創造や再生は時間がかかった。誰かがこの秩序を逆転して、創造や再生は簡単で、破壊は時間がかかるという秩序を創った。そのため、人類は余分なものに囲まれて暮らすことになった。 #twnovel なお、最も創造力が発揮されるようになったのは、昔の恥を隠すことだった。

2009-11-11 12:25:31
(T-T) @Kyota_WJ

さる陰陽師は言う。「鬼は姿を変えて現代に溶け込んでいるが、鬼か否か簡単に見分ける方法がある」へー、どんな?「来年の話をするのだ。たとえば、…来年こそ、私は結婚する」…ぶっ。 #twnovel 「今の話で笑うとは、おまえ、鬼だな」い、いや、僕と同じことを思っていたことに驚いたんだ。

2009-11-12 12:25:51
(T-T) @Kyota_WJ

「何を言っている?たとえば、と言ったのだ」えっ。本当に来年には結婚する、って意味じゃないの!?「おまえの結婚予定こそ初耳だ。誰とだ?」いやっ、やっぱりなしっていうか、その、…あな、た、と。「…アナッタット?外国人か」 #twnovel そんなこと言ってとぼけても、耳が赤いよ。

2009-11-13 12:25:52
(T-T) @Kyota_WJ

必ず君を迎えに戻る。そう誓って町を出た。しかし、街は想像以上の世界で、自分が小さく、君は色褪せて思われた。決意が揺らぐ。でも、帰る金はない。ここで頑張るしかない。 #twnovel 街に出て十年。世間が少しは分かり、君の暖かさの貴重さを知った。まだ間に合うだろうか。君に逢いたい。

2009-11-14 12:25:48
(T-T) @Kyota_WJ

見合い相手は悪い人ではなかった。ただ、私という人間を必要としているとは感じられなかった。いつか戻ると言って十年も前に町を離れた彼を追うのは、馬鹿だと思う。でも、もう一度彼に逢わずには前に進めないとも思う。臆病な私を置いて、彼がいる街に行く。頼りは、彼が語った夢。 #twnovel

2009-11-15 12:25:57
(T-T) @Kyota_WJ

見合相手と臆病さを放り出し、彼を探しに街へ飛び出して半年。昔聞いた彼の夢を手がかりに掴んだ、街での彼の足跡。彼がいた店の料理長が言う。彼は故郷で店を出すと言って、半年前に辞めた。 #twnovel 彼は私が住むはずの町に戻った。入れ違いだったけど、彼の気持ちが分かった。逢いたい。

2009-11-16 12:25:51
(T-T) @Kyota_WJ

10年前に街へ出たきりの彼を探しに、衝動的に町を出て半年。彼は店を出すために町へ戻ったと知った。店の名前は"iraka"と決めていた、とも。それで確信。彼は私を待っている! #twnovel 町へ帰った。…駅前に、お店のビラを配る彼が。目が合って、彼が私の名前を呼ぶ。「あかり!」

2009-11-17 12:25:13
(T-T) @Kyota_WJ

#twnovel 「遠慮がちに生きる」私の右前を先輩と私の姉が寄り添って歩く。先輩の手は時々姉を離れ、私にひらひらと信号を送る。私の左前を親友が私の妹と並んで歩く。親友の目は時々妹を過ぎて、私にちらちらと信号を送る。それらは私の望むものではない。私の顔は微笑のまま微動だにしない。

2009-11-18 13:05:40
(T-T) @Kyota_WJ

「くっくっくっ…」会社のトイレ。私の隣の個室から笑い声が聞こえる。私は小さく笑みを浮かべる。…お、反対側にも誰か入った。「…ふふ…」じきに小さな笑い声が聞こえる。さて、私は書き終えたので、出る。トイレットペーパーに書いたのは私が選んだ #twnovel 。ささやかな福利厚生だ。

2009-11-19 12:25:57
(T-T) @Kyota_WJ

帰ろうとロッカーを開けると、400字詰原稿用紙。2行目の名前にドキッとする。1行目は「私の気持ち」。本文は「C8-12、D12、E8-12、H8-11、I12、J8-11、L8-12、M12、N8-12、P12、Q8-12、T8-12」。 #twnovel …僕もだよ、坂口さん。

2009-11-20 12:25:36
(T-T) @Kyota_WJ

妹は失恋したらしい。妹が鼻歌を歌っている。妹が「晩ご飯は何?」と尋ねた。妹が「おでん」と答える。妹が「またー!?」と不満を訴える。文句言わないっ。あと、もう少し静かにするっ。あ、今のは僕。 #twnovel まったく、妹が3人もいたら騒がしくてしょうがない。区別する気も失せるよ。

2009-11-21 12:25:41
(T-T) @Kyota_WJ

「殺人事件のニュースです」被害者は俺の元愛人、犯人は俺だが、物証は隠滅した。「N署は…」淀みなく読みつつ次のページへ。「T放送の男性アナウンサーに事情聴取…えっ」なぜ俺が疑われて!?「違っ、俺じゃ…」 #twnovel あ、次の交通事故の原稿!?…でも、もう遅い。周囲が不審の目。

2009-11-22 15:09:13
(T-T) @Kyota_WJ

「…今?自宅。…今日?…あー、明日じゃだめ?…あ、よかった。…いや、ちょっと都合がな。…うん、方忌み。…うん、じゃ明日な」陰陽師の仕事の話じゃないのに、方忌みを気にするのか? #twnovel 「陰陽師の本質は職業や資格ではない。陰陽道に則る者こそが陰陽師だからな」

2009-11-23 12:25:13
(T-T) @Kyota_WJ

雪だるまが怖い?「うん」どうしてそんなものが?「そこの交差点の雪だるま」あ、一晩で現れた、子どもに人気の。「うん。1週間前の夜にあの近くでひき逃げ事件があったでしょ」あー、大量の血と車だけ朝に発見されたっていう。「あの雪だるまが現れたのは、その事件の朝よ」おい… #twnovel

2009-11-24 12:25:01
(T-T) @Kyota_WJ

雪だるまが怖い?どうして?「俺の彼女がな」あ、三行半を書いた雪だるまを渡されたな?「そんなこと誰がするんだ」僕がされた…。「…で、俺の話だが。昨日の夜、喧嘩のはずみで…彼女を刺してしまったんだ。そして朝になったら彼女が消えてて、雪だるまがあった」おい、おまえ… #twnovel

2009-11-25 12:25:34
(T-T) @Kyota_WJ

雪だるまが怖い?「うん…」雪だるまは、入院中の彼女のために僕が作り、彼女は喜んでいたのに。「あれが溶けたら私も死ぬのかなって…」それならっ。僕は氷室を作り始めた。窓には彼女の笑顔。 #twnovel 氷室の完成前に彼女は亡くなった。溶け始めた雪だるまの顔は、彼女の笑顔に似ていた。

2009-11-26 12:25:29
(T-T) @Kyota_WJ

原稿なくした…。「そんなこともあろうかと、コピーしておきました」ありがとう!! *** 恋人なくした…。「そんなこともあろうかと、候補者を探してあります」あ、ありがとう…。 *** 締切に間に合わない…。「そんなこともあろうかと、私が書いておきました」 #twnovel

2009-11-27 12:25:00
(T-T) @Kyota_WJ

男は本になるべく、自分について書き記し始めた。しかし、一つの問題に気づいて、女を一人雇った。契約に則り、女はその時を待ち続けた。ある日、男が「今だ」と呟いた。女が本に何か書くと、男は絶命した。 #twnovel 本の最後にはこう記されていた。「私は『今だ』と呟き、生涯を綴じた。」

2009-11-28 12:25:43
(T-T) @Kyota_WJ

裂帛の気合とともに繰り出された連続の打込みを、伊蔵は最小限の動きで躱し、ついでの如く刀を閃かせた。名も知れぬ相手の、左手の指と刀は地面に。それらが落ちるを待たず、立ち去り始めている伊蔵。「なぜとどめを刺さぬっ」 #twnovel 最強の名を広めて、無駄な人斬りをせぬため、だが…。

2009-11-29 12:25:40
(T-T) @Kyota_WJ

ひとを殺して逃げました。どこへ行ったのか分かりません。「彼氏だろ。どこへ逃げたか、通り魔の動機は何か、分からないのか」あの人が勝手に彼氏と言ってただけ。知りません。 #twnovel 本当は、通り魔もその被害者も私のストーカー。都合よく殺しあってくれたので、生き残ったほうは私が…

2009-11-30 20:13:08
(T-T) @Kyota_WJ

私は神である。「神様!?へ〜。じゃあ、万能?」神は試すものではない。「うるさい。神の言うことをきかない生き物を創ってみろよ」致し方無い…。「…ん?…」私は神である。「!?…かっかっ、神、さっまっ。は、ははあ」 #twnovel 私は万人の記憶を操るを能くする。故に私は神たりえる。

2009-12-01 13:05:14
(T-T) @Kyota_WJ

あれ?休み?「いや」あ…残念。京都の飲食店は競争の厳しさ故か、潰れる店も少なくない。さて、夜中は店が限られる。どうしよう。ん?店の奥が仄明るい?…人の気配も? #twnovel 「鬼の宴だろう。現代の都で宴が開ける店は少ないからな。気づいたと悟られる前に離れないと、肴にされるぞ」

2009-12-02 12:25:30
(T-T) @Kyota_WJ

「借りた金を返さないのは、人としてどうかねぇ。会社に知れたら困るでしょ?え?」…「はい。XXX事務所です。多重債務のご相談ですね。お任せ下さい」 #twnovel 闇金として複数の「窓口」から高利で金を貸し、同じ相手に専門家として相談に乗る。追い込みすぎないのが長く続けるコツだ。

2009-12-03 12:25:58
(T-T) @Kyota_WJ

がんっ。目の前に一瞬の線香花火。歩く速さでも、ぶつかると痛いんだね、電柱。「大丈夫!?」"痛〜い"「よそ見するから」"だって、猫が"「あー。でも気をつけないと、アホになるぞ」"ひど〜い" #twnovel 本当は、猫の向こうの、初恋の人を見てた。まだ少し痛む、私の心。ごめんね。

2009-12-04 12:25:25
(T-T) @Kyota_WJ

がんっ!?わ、電柱にぶつかったのか。痛そう。"大丈夫!?"「痛〜い」"よそ見するから"「だって、猫が」"あー" #twnovel 本当は、彼女が初恋の人を見てたと気づいた。でも彼女を責められない。俺も片想いだった人を見てたせいで、彼女が電柱に衝突しそうなのを見逃したから。ごめん。

2009-12-05 12:25:56
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