ロンドンどどんの連続ツイート第3回（2012年3月9日）

ロンドンどどん @LondonDodon

今日はもう、しないって思っていたけれど、やっぱり連続ツイートすることにします。どどんのなかでもまったく結論の出ていない事がらなので、崩壊しても見なかったことにしてください。文章はその場で即興的に組み立てながら書いていきます。テーマは「ヒトの胃袋はひとつだから」です。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（1）今朝、現在日本に出張中の友人の英国人女性からメールをもらった。「東京に来て3日目だけど、こんなに悲しい場所があるだろうか。テレビでは震災のことばかりやっている。ここには暗い空気がたちこめている」と書いてあった。どどん自身は、海外にいて状況を肌で感じているわけではない。

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すと（2）でも、TLを流れる文字を見ているだけでも、だいたいのところは想像がつくし、好むと好まざるとにかかわらず、人々はおそらく1年前の悲惨な出来事を追体験してしまっているんじゃないかと思う。実被害の大小にかかわらず、この季節、不眠症に陥る人もいるんじゃないだろうか。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（3）どどんが日本で働いていたときの同僚で、毎年、卒業式の季節がやってくると1ヵ月ほど不眠症になる、という同僚がいた。5年ほどそんな不眠症を繰り返していたのだけれど、あるとき急に、彼女の高校の卒業式間近に母親が家族を捨てて出て行った、その時期に合致していることに気づく。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（4）このことに気づいた翌年、不眠症はもう、彼女のもとにやって来なかった。この因果関係に対して、どどんは説明のすべを持たない。でも、そういうこともある、というただの一例として挙げておく。もしかしたら、誰かの役に立つかもしれない、という願いを込めて。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（5）過去に起きたなにかイヤなことを思い出しそうになるとき、必ずおまじないののようにセットになって思い出す小説の一節がある。村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」の主人公のセリフで「牛は、なんでこんなにまずそうで惨めなものを何度も何度も大事そうに反芻するんだろう」という言葉。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（6）確かに震災は起きてしまった。それによって、大なり小なりすべての日本人がいろんなかたちでダメージを負ったと思う。いまだに苦しんでいる人が多いことは明白でもあるし、それは軽んじられるべきではないとは思う。亡くなった方を思い出すことも、また大切なときもある。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（7）だけどそれは、あなたがあのときの痛みや恐怖や無力さややるせなさを追体験することで、支払われるべきものなのだろうか。「イヤなことから目をそむける」のが罪のように感じて、私たちの心のなかには、追体験を受け入れなくちゃという根拠なき義務感がどこかにあるように思う。

ロンドンどどん @LondonDodon

すと（8）不謹慎、って言う人もいるかもしれないけれど、見ていて辛くなるテレビ番組なら、スイッチを消していい、と、どどんは思います。あなたがそれを見続けることで、だれも幸せにはならない。あなた自身も含めて。ヒトの胃袋はひとつなのだから、反芻しなくていいのです。ねっ。

ロンドンどどん @LondonDodon

以上、どどんの連続ツイート第3回（もしかしたら最終回）「ヒトの胃袋はひとつなのだから、無駄に反芻する必要はない」でした。ぺこり。