#この書き出しいかがですか まとめその7(3/10,11)
貴方の弱さも秘密も知っているけれど、知らんぷりしたまま貴方を抱きしめていてあげる。目を背けるんじゃなくて、それごと包み込むように。知らんぷりしたのは私のため。だって、私が知っているなんてわかったら、逃げてしまうかもしれないから。私は知らないわ。だから、抱きしめさせて。 #書き出し
2012-03-10 02:42:56神様、あのね?僕好きな子ができたんだ、毎日僕に「おはよう」って言ってくれるんだ。僕はただ微笑むことしかできないけど、きっと彼女に伝わっているよね。お人形の僕の気持ち。 #この書き出しいかがですか
2012-03-10 00:04:36※ハッシュタグが違っていますが本来は「書き出し」だそうです(投稿者ご申告により追加)。このまとめでは「この書き出しいかがですか」と二重登録させていただきました。
「はい、じゃあまず君の左を見て」ふざけた顔のそいつは言った。「何が見える?」憎悪。目を背けたくなるモノ。「右は君の未来と希望だ」思わず見ようとして止まった。「見たいのか?」空気が重く息苦しい。「希望が見たいならそんな事止めときな」空は相変わらず青い。俺は一歩下がった。 #書き出し
2012-03-10 21:11:00あなたって人は、いっつも人混みの中に隠れて私を困らせるのね。舞踏会の真ん中で、今日は何幕舞台に立つの?可哀想なお馬鹿さん。不愉快だけど付き合うと、満足そうにあなたは笑う。嘲笑われてるのも気付かずに。いつでも理解をしてないの、奇劇の向こうに眼が存ることを。 #書き出し
2012-03-11 21:23:17無限に広がるこの空に片思いしている。決してこの空には届かないから、安心していた。もしこの空が僕を想ったとしたら、いったいどんなことになる? 僕はこの空の欠片に口付けを落とす。ね、片思いでも僕は幸せなんだ。だって、空はずっと僕を抱きしめていてくれるから。愛しい、空よ。 #書き出し
2012-03-10 02:48:37#twnovel 名前だけが、思い出せない。大好きで、貴女のことが大好きで、趣味も食べ物の好みも合わせて、でも足りなくて、服も、髪型も、部屋の内装も、全て同じにして、それでも足りなくて、同じ顔にした。鏡の中から私を見つめる、貴女の名前はなにかしら。 @_kranke_ #書き出し
2012-03-10 09:50:44君の優しさに含まれた毒に、僕は気づいてさえいなかった。その毒を何も言わずに飲み干していく君は、少しずつ優しさに蝕まれていた。身を滅ぼすとわかっていながら、君は優しさをばら撒いた。その儚い優しさを僕は貪欲なまでに求め。それでも君は残酷な優しさで笑った。「君が大好きだよ」 #書き出し
2012-03-10 02:54:13彼の死後、初めて家を訪れる。その古い書斎の壁を見て呆然とした。大学の頃、三人で撮った写真。だが私が写っている部分は綺麗に切り取られている。ああ、彼は妻のことが好きだったのか。若くして旅立った妻と一生独身を通した彼はあの世で……気がつくと私は写真を半分に引き裂いていた。 #書き出し
2012-03-10 00:54:47#twnovel 彼の死後、初めて家を訪れる。その古い書斎の壁を見て呆然とした。壁面を埋め尽くす、顔、顔、顔。茶色く変色した新聞記事の切り抜き、隠し撮りと思しき写真。はたはたと揺れる、無数の無言の『私』。なぜ打ち明けてくれなかった?私は慟哭した。 @hadalz0ne #書き出し
2012-03-10 01:06:43なめくじに呪われる屈辱を、きみは知っているか。「えっなめくじに呪われてるんですか?またどうして」子供の頃、ほんのいたずらのつもりでなめくじに塩をかけて以来、僕は塩がだめになり極度の甘党になった。スイーツしか食べられない。それでこの有様さ。「言い訳すんな、とっとと痩せろ」#書き出し
2012-03-10 09:45:37確かに、それはとても淋しくて、とても悲しいことかもしれない。でも、必要なことなんだ、と言い聞かせた。ここでずっと居たいよ。流れ落ちた涙と共に、その願いは拭われた。切なさのなかで、僕は光へと手を伸ばす。目が眩んで、なにもわからないよ。でも、その手をだれかが掴んだの。 #書き出し
2012-03-10 03:21:30見ていてください、今からなみだを流します。彼女は目を大きく見開く。ゆっくりとオイルが頬を伝う。これが『悲しむ』ということですか? 「いいか。君はロボットだ。主人が亡くなったからって泣く必要はない」翌日、彼女は壊れてしまった。主人の棺に寄りかかり、なみだを流しながら。 #書き出し
2012-03-10 01:35:43