加藤典洋 誤りと訂正

1.大阪府警幹部の証拠ねつ造の告白は組織の利害に逆行する個人の責任の取り方であり、めずらしい。2.ローマには処罰の文化があったが、カルタゴにはなかった。処罰の文化を豊かにしないといけない。3.そのためにも「失敗」→「解任」は、必須であり、勝俣、斑目、近藤ほかは今後すみやかに「解任」されるべき。4.組織原理をいまこそ構築しないといけない。というツイート。
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加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正1:先日、大阪府警警部が吸い殻証拠品の捏造を告白したのは、その8年前の事件(強姦事件)の容疑者が逮捕され、自分の捏造証拠品によって真犯人が無罪になるのを恐れたためと言う。捏造は悪質で懲戒の対象だが、自ら出頭して告白することで、ありうる冤罪を未然に防いだ…

2012-03-11 01:27:08
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正2:大阪府警は不祥事続き。部内の誰もがこんな「告白」は歓迎しない。そういう中での決心は、真犯人無罪の恐れ、冤罪の恐れという純粋に「職業的な責任感」から生じている。そのことを考えると、この警部は、なかなかの決心をしたのではないか。私は、エラいと思う…

2012-03-11 01:27:22
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正3:私が言うことではないが、個人的にはこの警部に寛大な処分を期待している。この種の、組織の利害に逆行する個人の責任の取り方は、日本では珍しい。それを評価する向きは少ないだろう。そう思うのでツイートする。第二次大戦時、日本の軍部がなぜあのように愚行に走ったか…

2012-03-11 01:27:46
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正4:原因は、共同体(組織)防衛の無責任体制にある、それはそのまま日本の官僚社会に続いていると、岸田秀は言う(『官僚病の起原』)。失敗したら、責任を取らせる。しかし、1責任を取らせることと、2どのような責任を取らせるかということと、その双方がともに大事だ…

2012-03-11 01:28:06
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正5:1なぜ責任を取らせることが大事か。岸田の答え。失敗した場合、責任を取らせることが「無能な上官を排除する」ための組織原理だから。日本軍は「兵士は上官の命令に服従するという近代原理は模倣しながら、無能な上官を排除するというもう一つの組織原理は採り入れなかった」。

2012-03-11 01:28:36
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正6:失敗したのに「何の咎め」も受けていない例に、ノモンハン戦役での作戦参謀辻政信、インパール作戦の牟田口廉也中将、レイテ沖海戦の栗田健男第二艦隊司令長官など。その例多数。戦後も、昭和天皇をはじめ、枚挙に暇なし…

2012-03-11 01:28:44
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正7:「幕府が江戸に北町奉行と南町奉行の二つの司法機関を設けて月毎に交替させていたのは実に賢明にして巧妙な措置であった。幕府は奉行所というものが(現在の省庁と同様)自閉的共同体となりがちなことを知っていたのである」(岸田秀)。次に2どんな責任をとらせるか…。

2012-03-11 01:29:01
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正8:塩野七生『ローマ人の物語』ハンニバル篇によると、ローマには処罰の文化があったが、カルタゴにはなかった。カルタゴは、敗軍の将を帰国後、処刑した。ローマは、敗戦で学んだろうからと、敗軍の将を、譴責・解任した後、再度、名誉挽回の機会を与えた…

2012-03-11 01:29:14
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正9:一度間違い、そのことの責任を取ることを評価すること。そうして、「処罰の文化」を豊かにすることは大事。日本にはほぼ「切腹」という責任の取り方しかなかった。それが「生きて虜囚の辱を受けず」の戦陣訓を生み、一方、仲間内の責任は問わずの無責任体制となった…

2012-03-11 01:29:40
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正10:的確な「処罰」とは、とにかく「失敗」したら、「解任」。つぎにその「失敗」がなぜ起こったかを検証。その後失敗の原因が組織の問題にあれば、対策を講じ、担当者の無能が明らかになれば排除。担当者に情状酌量の余地あれば、再挑戦の機会を与える…

2012-03-11 01:29:52
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正11:「失敗」→「解任」は、必須。これを怠ると、また失敗が反復される。勝俣東電会長、斑目原子力安全委員長、近藤原子力委員会委員長、ほか多数。これらの「長」は、「失敗」した。その責任を取って、今後すみやかに「解任」されるべき。われわれは「無能な上官を排除する」…

2012-03-11 01:30:04
加藤典洋 @ten_kato

誤りと訂正12:組織原理をいまこそ構築しないといけない。今ツイートの結論。将来の冤罪事件を恐れ、自分の旧悪を告白した大阪府警警部の「職業倫理」にスポットライトを。2003年イラク戦争の年、証拠品紛失し、つい捏造しちゃった。そういう人が、2012年3月、これを告白した。

2012-03-11 01:30:23