同題ss　自分用まとめ

綜音（へおん） @heon_aotsuki

愛し合った直後の一番幸せなはずの瞬間に、さめざめと泣き始めたお前を問い詰めたら、繋がったままの足を強く絡めて言った。「どうして僕らは別々の身体に分かれて生まれてしまったんでしょう。二人の身体を一緒に焼いて、灰にして混ぜてしまったら、貴方とひとつになれますか」＜灰＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

まるで蟻地獄のような人だ。近づいたら最後足元が崩れて、誰もかれも瞬く間に虜になる。そして喰い殺されるのだ。彼の立っている場所には一体いくつのされこうべが埋まっているのだろう。近づくまいと遠くから眺めていた僕の足元も、そろそろ危うくなってきた。――ああ、＜堕ちる＞。 #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

とん、とん。微かに聞こえる、それは心をたたく音。確かに聞こえるその音を、聞こえないふりで俺は今日もやり過ごす。そうしてお前がドアの前から居なくなるのを待ってるんだ。待つくらいなら、部屋間違いだぞってはやく言ってやりゃあいいんだけどな。どうしても言えなくて。＜音＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

二重の仮面を私は被っている。裁きのマスク、そして罪の焼き印を隠す化粧。素顔の私を見ることができるのは、鏡の前の私だけだ。化粧を取るとき、私は裁き人から罪人に還る。悔い改めよ。断罪の言葉を紡ぐのは私か、それとも鏡像か。曇った鏡の表を、涙のように水滴が伝った。＜取る＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

セイレーンの歌がやむ。死の調べ、甘美で優しい誘惑の調べが。眠りに入る直前の一瞬、必ず聞こえていたその歌声に、僕はいつしか何もかもを委ねることを覚えた。唯一の安息で解放だったその歌、だけどもう僕にはいらない。妄執の嵐は晴れて、本物の声が僕を導く。いのちへと。＜やむ＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

「ヤム、チャ？」「そう！よくできました！ー」「何やってんのドラゴンキッド」「バーナビーさんに中国語覚えてもらうの！」「そこで飲茶からってのがキッドらしいな」「だってバーナビー最近日本語の勉強ばっかしてるんだもん！ずるいよタイガー！」「えっ俺のせいなの？」＜やむ＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

ひとすじのひかり。雲の切れ間から降りた天使のはしごに、幼い子供が手を伸ばす。「あれをのぼったらママに会える？」問うたその瞳は、手が届くようにさえなればいつでもそこに行けるのだと、露ほども疑っていない。ああ、けれど今はまだどうか信じていてくれ。「…会えるさ」＜光＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

Reichstag,Berlinは1971～95のプロジェクトだから、時代的にはモロかぶるのだなー。その間に壁が崩壊するなんて当時は誰も思ってなかっただろうけど。ジャスティスタワーなんてもっとでかいし（縦に）、包み終わる頃にはウロボロスが失脚してシュテルンビルトもない恐れがあるｗ

綜音（へおん） @heon_aotsuki

何でも梱包してしまうあの芸術家がシュテルンビルトにやってきた。日毎その姿を隠してゆく女神像を困惑して見上げていると、ユーリが言った。「贈るために包むのではありません。真実も正義も本当は隠されている。視界から奪うことで、その事実が却って浮き彫りになるのです」＜贈る＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

きょうは龍兎に初挑戦！やっぱりおじさんはノンケ。いっそこのパターンで兎受けコンプリート目指すか。

綜音（へおん） @heon_aotsuki

捧げるだけで満足な恋なんてニセモノだよ。叫んだボクに、あの人はまるで聖母様みたいに綺麗に笑うんだ。僕は幸せだから、そう言って。何が何でも奪ってやるって毎日思うのに、その顔見たらもう何にも言えなくなる。ずるいよ。貴方の全部を贈られてること、彼だけが知らない。＜贈る＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

夢の中で私は繰り返す。同じ選択を。私は繰り返し父を殺し、父は繰り返し私に、罪人の刻印を焼きつける。そして繰り返し紡がれる、母の呪詛。…ああ、どこからが夢だった？眼を覚ましても、のろう声は消えない。誰か誰か断ち切って、罪のしらべを紡ぎ続ける、この糸車のうたを。＜夢＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

虎兎前提折兎に初挑戦。やっぱりおじさんはノンケw　一番欲しい気持ちだけが手に入らないというのが良いのだよ…

綜音（へおん） @heon_aotsuki

僕に抱かれて、貴方は彼の夢を見る。いいんだ、僕は貴方を好きでいられるだけで幸せなのに、その上貴方をこの手に抱きしめるなんて、すてきな夢を見させてもらってるんだから。目隠しをした瞼から、つぅ、涙がひとすじ零れて貴方の頬をつたう。しあわせですか。心の中で問うた。＜夢＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

虎兎前提空兎。おじさんはノンケ。キースちゃんまじバニーちゃんを幸せにしてあげて…!!!

綜音（へおん） @heon_aotsuki

これはそう、夢のようなものかもしれません。そう言って彼は微笑った。もはや叶わぬことも、届かぬこともわかっていて、それでもなお棄てられぬ、おさない日の憧憬のような。君をどれほど強く抱きしめても、君の胸の中のその夢は消せない。ならばその夢ごと私は、君を愛そう。＜夢＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

戦術学の方の隘路の意味を取ってみた。使いなれない難しい言葉は間違った理解で使いそうでドキドキしまする。でもそうやって学んで語彙を増やしていけるって素晴らしいこと。感謝。

綜音（へおん） @heon_aotsuki

今にして思えばそれは隘路だったのだ。峻嶮な山脈のごとき試練に僕らは苦しみ、けれどその山ゆえに、僕らの道は重なった。未来へと繋がるただ一つの道を、僕らは身を寄せ合って進んだ。山を抜ければこの道はまた別たれる。けれどひとときでも貴方と重なった、それだけで僕は。＜隘路＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

鼓膜が破れそうだ、といつも思う。実際は限りなく近いだけなのだが。あまりにも大きく聴えるその音に、押し潰されそうな錯覚。ぐちゅぐちゅなんて生易しいもんじゃない。まるで破裂音だ。そうして僕を守る何かは破られ、押し入る熱に意識は解けだして、耳朶を侵す舌が脳を犯す。＜舌＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

指先が僕の毛先を巻き付けて、くるくる、くるくる、戯れる。彼は髪に触れるのが好きだ。奥さんだった人が、長くて綺麗な髪の持ち主だったことを僕は知っている。「…伸ばしましょうか？」手を引けばすぐすり抜けてしまう髪をまだ弄ぶ彼に問う。少し笑って彼は「ばか」と言った。＜長＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

長い髪の女を抱くと、腰を打ち付けているうちにだんだん身体がずり上がっていくから、シーツと背中の間に髪が挟まって痛がるんだ。だからあいつがいなくなってからも、俺は髪の長い女しか抱かなかった。肩より短い相手はお前が初めてだし、多分、お前だけだ。＜長＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

兎楓というか楓兎というか（まぁ基本的に意識の上ではいつも女性は左側）　楓兎とか楓月のイメージは『聖女たちのララバイ』です楓ちゃんマジ聖母様

綜音（へおん） @heon_aotsuki

ごろごろ、遠く空が鳴る。わずかに揺れた指先を、彼女は見逃さなかったようだ。「だ、大丈夫だから！私がそばに居てあげるから、こわくないから、ねっ！」怯えの色を懸命に隠しながら、君の手がぎゅっとぼくの耳を塞ぐ。ちいさな女騎士、今だけぼくはきみのお姫様でいよう。＜遠雷＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

遠くはるかに、神が鳴る。裁きの声か、それとも怒りの唸りだろうか。震える大気に満ちる恐れと、少しの期待。裁きはゆるしだ。煉獄の炎を抜ければ、そこには救いがある。裁かれもせず生き続ける苦痛のどれほどのものか。神よ、もしも貴方が在るのなら、裁け、救え、わたしを。＜遠雷＞ #同題ssTB

綜音（へおん） @heon_aotsuki

なんか変則みたいなのしか思いつかなかった…無念(´ω`)　最後のは虎月のつもりで書き始めたけど、シメに悩んで難産したので最終的に空月かぬー。