りぐと星座と空飛ぶ猫

原案 りぐさん 企画 僕
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sodaame2 @cacid_soda

カラン。弾かれる石。飛び出るビームと焼ける袖の臭い。痛い。少女は俯く。大丈夫か!叫ぶ少年の声。鉄パイプで思い切り叩く。びくともしない。振られる腕。少年が吹き飛ぶ。ガハッ。少年の口から血が零れる。目が霞む。どうしよう。誰か。助けて。 「待たせたな」 #りぐと星座と空飛ぶ猫 23

2012-07-09 05:37:01
sodaame2 @cacid_soda

弾けるリズムにぶつかり合う杖と腕。ダイヤモンドと機械の鋼鉄。火花散る激しい争い。少年はただその場で立ち尽くす。僕もいつかあんな風になれるだろうか。彼女をあんな風に守れるだろうか。機械の猛烈な攻撃に杖が吹き飛ぶ。「まずい」宙に浮く彼の身体。怪盗の最後。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 24

2012-07-31 20:53:58
sodaame2 @cacid_soda

千切れた腕に血が流れる。うわあああ。木霊する悲鳴。賢明にシャツで止血する。聳え立つロボットの姿に少年は震える。僕はここで死ぬのだろうか。震える少年の肩を叩く少女の手。「泣いちゃだめだよ。男の子なんだから」少女は杖を手に取り祈る。すると少年の身体が光る。#りぐと星座と空飛ぶ猫 25

2012-07-31 22:08:51
sodaame2 @cacid_soda

ふわりと軽くなる少年の身体。力が漲る。「あいつの弱点はおそらく首だ」怪盗の声。少年はロボットを見据える。杖を握って走る。シュン。駆ける少年は眼にも止まらぬ速さ。機械の腕が伸びる。たちまち腕を駆け抜け肩まで登る。杖を肩に突き刺す。ショートする機械の腕 #りぐと星座と空飛ぶネコ 26

2012-07-31 23:33:53
sodaame2 @cacid_soda

少年は思い切り首めがけて杖を振り下ろす。その時機械の右腕が少年を掴む。苦しい。助けて。光り出す杖。共鳴する機械の中に宿る猫。機械の動きが止まる。光の中。少年は声を聞く。「全てを断ち切れ」突き刺さる杖が発光し辺りを包む。機械が星の光になって消えていく。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 27

2012-08-01 00:31:04
sodaame2 @cacid_soda

工場に集められた星の光の結晶は、分解され宙に浮いて消えていく。ぐたりと倒れる空飛ぶ猫。羽根が生えたままだ。少年は駆け寄り猫を抱く。さっきの声はもしかして。猫は少しずつ光り出し、そして分解されていく。少年は驚く。「私は思い出しました」猫が語り出す。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 28

2012-08-01 21:40:26
sodaame2 @cacid_soda

「私はかつて星の精霊だったのです」猫の羽根はかつての名残り。星の光と共鳴し、その姿を思い出したのだ。暴走する光の中で、猫は自分の本当の姿を思い出した。星の結晶を開放した猫は、空に帰らなければならない。「さようなら。私はその役目を果たしました」 #りぐと星座と空飛ぶ猫 29

2012-08-01 22:19:23
sodaame2 @cacid_soda

「いったい何が起きているのか」自らが招いた事態を把握しきれないボス。消えていく自ら集めた星の結晶。工場の周りは、宇宙から見てもわかるぐらい光り輝いている。猫と共に空に帰る星の結晶。少年は安堵し深い眠りに着く。少女が少年の頭を撫でる。長い冒険の終わり。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 30

2012-08-01 23:06:09
sodaame2 @cacid_soda

「そういえばお願いするの忘れたね」空飛ぶ猫を見たものはどんなお願いも叶うのです。「そうだね。でもさあ、もう決まってるでしょ」二人は向かい合って笑います。パン屋さんでおやつを食べながら二人はこそこそ話します。明日は星座流星群。短冊を書いて吊るします。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 31

2012-08-01 23:39:30
sodaame2 @cacid_soda

お店の前に吊るされた二人の祈り。星の精霊の名の下に。奥からおじさんが出てきます。かつて失った右腕には、ゆるやかな傷が残ります。光る右腕。再生する肉体。短冊に吊るされた言葉。「おじさんの腕が治りますように」空には沢山の流れ星が光りました。 おわり #りぐと星座と空飛ぶ猫 32

2012-08-02 00:00:57
sodaame2 @cacid_soda

長い間お付き合いいただきありがとうございました。NS編完結です。そのうちまとめたいと思います。

2012-08-02 00:17:43

~さかのぼること数ヶ月前~

Regret @Night_Cat1187

ちょっと今お話を書きたいなと思う題材がある。ちらっと深夜にpostしたけど、夜空を泳ぐ黒猫と星座を盗む怪盗の話し。どうです?ものすごく創作意欲を掻き立てられるでしょう!え?そんな事無いですか。そうですか・・・

2012-03-08 21:25:41
Regret @Night_Cat1187

書き出しタグみたいな感じで、皆で同じ題材を使って話しを書けたら面白いなーと思うけど固定の単語が使われるわけでもないしやりにくそうだなぁ。

2012-03-08 21:27:07
sodaame【#140字小説】 @sodaame140

とりあえずタグと世界観の設定は終えたから、あとは皆このタグを使ってスピンオフやパラレルワールドを勝手に作ればいいと思うんだ。ページ番号は付けたり付けなかったり、一から始めたり。ある程度数がいったらまとめようと思う。誰も書かなかったら私が勝手に小説にしよう。 #りぐと星座と空飛ぶ猫

2012-03-12 23:30:02
Regret @Night_Cat1187

@ns_akg12 やっぱりN.Sさんは凄いです!続きがとっても気になります。ありがとうございますヽ(・∀・)ノ

2012-03-12 23:36:59
sodaame【#140字小説】 @sodaame140

@Night_Cat1187 勝手に企画してしまってごめんなさい。笑。出来れば色々な人に書いてほしいですが、もし誰もいなかった場合は私が責任を持って最後まで書きます。

2012-03-12 23:48:50
Regret @Night_Cat1187

@ns_akg12 いえいえとんでもないです!既に素敵な世界観まで出来てて…こっそり(実はガッツリ)とウォッチさせて頂きます!

2012-03-12 23:59:23

~乃亜編~

ウエハラノア @noa70s

レンズを赤い光が横切った。彼は驚いて望遠鏡から目を離し空を見上げた。今日、流星群が来るなんて話は聞いていない。しかし肉眼では確認できない小ささらしく、空は微動だにしない。もう一度覗きこんだとき、もうその星はどこにも見当たらなかった。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 1(by乃亜)

2012-03-13 18:33:05
ウエハラノア @noa70s

黒猫は日課の挨拶回りをしていました。なんせ家なし猫だったので、いいものにありつくためにも、仲のいいのが多い方が都合がよかったのです。 最近こしてきたよだかとも随分と打ち解けました。猫が駆けながら欠伸をすると、星屑が喉に入り込んで、ばたばたと暴れました。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 2

2012-03-14 03:06:47
ウエハラノア @noa70s

どうも、おかしい。 天体観測は彼の趣味の域を超えた趣味であった。幼き時分より毎日のように覗いた円形の世界は、彼にとって馴染み深いものである。 それが今、突然調和を崩してしまった。 穏やかに廻っていた筈の星々が、突然、不自然な欠損を抱えてしまったのだ。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 3

2012-03-16 23:59:30
ウエハラノア @noa70s

その日はなんだか変でした。黒猫は寝坊して、いつもより遅い挨拶まわりをはじめたのですが、皆、悲しげだったり、不機嫌そうだったり、なかにはあからさまに無視する者もおりました。 最後に、よだかの家にやってきたとき、黒猫はしくしく泣く声を聞きました。 #りぐと星座と空飛ぶ猫 4

2012-03-17 00:13:16
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