童話「くらげのみっちー」

作者:まるまる
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まるまる @h_mku

㉕ オーナーは財布からお札を取り出し、みっちーに手渡しました。 オーナー「いいか、これをあいつらに渡すんだ。」 みっちー「これが…おカネ?」 オーナー「そうだ。」 みっちー「!!」

2012-03-20 21:59:49
まるまる @h_mku

㉖ みっちーは、パパがこんな事を言っていたことを思い出しました。 クラゲ王「いいか、人間の世界ではおカネが必要なんだ。何かしてもらったらこれを渡すんだぞ。」 みっちー「はいはーい!分かったから早く人間になりたいよぅ。」 みっちーはパパの話をあまり聞いてなかった事を悔やみました。

2012-03-20 22:05:31
まるまる @h_mku

㉗ みっちー「おじさん、ありがとう。」 オーナー「いいってことよ。でも、これからはお前が俺の役をやるんだ。それを約束してくれるか?」 みっちー「僕が…おじさんの役をやる?誰かが食べたおニクのおカネを、僕が払うってこと?」

2012-03-20 22:07:04
まるまる @h_mku

㉘ オーナー「そうだ。そうすれば、払った人も嬉しいし、払ってくれた人も嬉しい。皆が幸せになれるんだ。」 みっちー「そっか…!!」 オーナー「これを世間一般的には、『ヤキニクをオゴル』と言うんだ。」 みっちー「分かったよおじさん!僕、ヤキニクをオゴルよ!皆を幸せにするよ!」

2012-03-20 22:08:09
まるまる @h_mku

㉙ それからというもの,みっちーは焼肉を奢り続けました。 次第に、みっちーの周りには人が集まって来ました。 みっちーには沢山の友達ができました。 みっちーは幸せでした。

2012-03-21 22:48:05
まるまる @h_mku

㉚ しかし,その幸せはそう長くは続きませんでした。 奢れば奢るほど、次第にみっちーが持っていた財布からおカネが消えていきます。 おカネが消えていくと、次第にみっちーはヤキニクをオゴルことを渋るようになりました。

2012-03-21 22:54:05
まるまる @h_mku

㉛ みっちーに、こんな悪評が立つようになりました。 「おい、あいつは口だけだ。口では『焼肉奢るよ!』って言っておきながら、いざ行くとなると来ないぞ。気を付けろ。」 みっちーの周りから、友達がどんどん離れていきます。 そしてついに、みっちーの周りには誰もいなくなってしまいました。

2012-03-21 22:54:58
まるまる @h_mku

㉛ みっちーは悲しみました。 みっちー「おカネが無いと、僕って何もできないの?」 みっちー「おカネという、そんなモノに縛られなくてもいいじゃないか。」 みっちー「おカネが無いと、真っ当に生きられない、そんな世の中嫌だ。」

2012-03-21 22:59:54
まるまる @h_mku

㉜ みっちー「僕は、くらげがいい。」 みっちー「ただ何も考えず、海の上でぷかぷかしてたい。それだけで幸せ。例え走れなくても、ニクを食べれなくてもいい。」 気が付くと、みっちーは海に向かって駆け出していました。

2012-03-21 23:03:31
まるまる @h_mku

㉝ みっちーは、お父さんの元へ急ぎました。 全てを理解したお父さん。 みっちーと二人で、カミサマの元へ向かいます。

2012-03-21 23:04:42
まるまる @h_mku

㉞ クラゲ王「カミサマ、息子をくらげに戻してやって下さい。」 みっちー「カミサマ、僕はくらげがいいです!」 カミサマ「……!!」

2012-03-21 23:05:31
まるまる @h_mku

㉟ みっちーはくらげです 今日も沖縄の海の上をぷかぷかと漂っています 「いやあ,今日は実に良い天気だなぁ」 ぷーかぷか,ゆーらゆら,くーらくらげ みっちー「やっぱり僕は,くらげがいいや」 おしまい( _・ ω ・_ )

2012-03-21 23:06:18