為末、限界の概念、理由の無い結果、年を取って競技をする事、を語る

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爲末大 Dai Tamesue 熟達論発売中 @daijapan

少し寝坊しました。おはようございます。今日は【理由の無い結果】について

2012-03-14 01:13:51
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陸上のような実力がそのまま出そうな種目でも、偶然の成功とか失敗というのがあって、成功したからとか失敗したからとかいろいろと考えても何も出てこない事がある。普通は予想に対して結果が出てそれのずれを摺り合わせるのだけれど予想と大きくずれちゃった結果の時によく起きる

2012-03-14 01:16:17
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昔の偶然の成功というのが無かった事にできなくて、あれを再現しようとしてスランプにはまっていく選手を何度か見た事がある。自分への期待値が上がるから、その偶然の成功に基準を合わせてしまって地に足がついてないような計画になってしまう。

2012-03-14 01:20:04
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同じように失敗を真面目に考えすぎてはまる選手もいる。戦略自体は合っていてその中にある程度エラーのような失敗は混じるのだけれど、完璧に予想と合わせようとしてあんまり過剰に気を使うと、それがまたストレスになったり本質とずれたりしてはまっていく。

2012-03-14 01:23:09
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振り返ってよく理由がわからない失敗や成功があるけれど、それを一生懸命考えてもあんまりいい答えが出てこない。今僕が考えているのはああいう外れたものは時々起きて、それはある程度排除して考えるようなおおざっぱさも大事だなという事。

2012-03-14 01:30:59
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再現性がないものは、大体実力じゃない。一回成功したけど二回目が無いものは、失敗でも成功でも只のエラーで、エラーを組み込んで戦略を立てると戦略自体もまたエラーに引きずられる。何を切り捨てるか切り捨てないかという時には再現性を僕はすごく意識している。

2012-03-14 01:36:28
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すごく残酷なんだけど、優勝したり記録が出た時に、これが命取りになるなとみんなが思う事があって、それがまた大体あたる。身に余るものを手に入れたら、かなり意識的に自分をコントロールしないと人は気がつかないうちに地に足がつかなくなって気がつけば崩れている。

2012-03-14 01:41:36
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【まとめ】何が偶然の結果で、何が必然かなんてのを見分けるのはかなり難しいけれど、精神を健康に保つってのはモチーベーションを守る上でかなり重要な事で、自分なりのルールを作って割り切った方がいい。僕は1週間ルールてのを決めていて、いいも悪いも、全て一週間で捨てるように意識している。

2012-03-14 01:53:20
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おはようございます。サマータイムに先週末からサマータイムに入りましたので1時間早くなります。今日は【年を取って競技をするという事】について

2012-03-14 22:29:32
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27歳位の時だったか、始めてふくらはぎを肉離れして、それから7年ほとんど毎年ちょくちょく怪我している。左膝が痛みはじめたのもその頃で、右膝、腰、右肩が今は痛んでいる。長く競技をやると痛い所やおかしな所が出てきて、それと折り合いをつけるのがなかなか難しい。

2012-03-14 22:31:22
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そうなってくるといろんな制限がかかってくる。昔はアスファルトの坂道や、ジャンプトレーニング、加速走などが好きでよくやってたのだけれど、もう痛いし壊れるのでそんな事できない。そうなると昔はその練習でやっていた事を何かでカバーせざるを得なくなる。

2012-03-14 22:33:43
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【訂正】サマータイムは一回で十分です

2012-03-14 22:34:27
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回復もすこぶる遅くなるので、量ができない。ピーク時の40%ぐらいの練習量で今は過ごしていてそれでも壊れるかどうかの瀬戸際で、毎回ひやひやしている。ボリュームも減って、できない練習も増えて、トレーニングに制限がかかる中でどう戦うか。

2012-03-14 22:36:49
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僕はシェフから主婦へと表現しているのだけれど、例えばタマネギが冷蔵庫に無かったとして、じゃあ変わりに甘みを出せるものはなんだろうとか有り合わせでうまく形にする。これにすごく似ていて、できなくなった練習の本質を掴んで、他のメニューで同じ要素を持った練習に切り替えるセンスが大事になる

2012-03-14 22:39:06
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競技人生の前半は足し算。必要な練習を足していってそれで強くなる。でもある年齢から回復が追いつかなくなって練習を削らないといけなくなる。選手のセンスが出るのはどちらかというと引き算からで、つまり引いてはならないものと引いていいものの違いがわかっているかどうかの勝負

2012-03-14 22:42:52
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制限がかかるまでは人は非効率がそれほど気にならないけど、一旦キャップが決まると無駄なものに敏感になる。日本がジュニアで強くてシニアになると戦えない理由の一つに、量的練習への強い信頼があると僕は思っていて、量にキャップができる段階からは質での勝負になる。

2012-03-14 22:49:13
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【まとめ】アスリートが常に抱える皮肉な現実は『あの時に今の頭があれば、今あの時の身体があれば』でも身体は昔には戻らない。自分自身は変化し続けていて、だから理想の走りは今日と明日で違う。今日の自分の身体に逆らわず、そういう大らかさがこの年になると大事な事だと、思っている。

2012-03-14 22:58:38
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おはようございます。今日は【限界の概念とスポーツ】について

2012-03-15 22:40:29
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アスリートが一番忘れがちで、でも大切なのは限界の概念。物事には限界があって、だから効率化を考えないといけない。でもそれを考えるのはしんどいから、この限界を無視して考えたいという欲求に人はかられて、練習する時間がないなら休まなければいいという日本的根性論が出来上がる。

2012-03-15 22:43:16
爲末大 Dai Tamesue 熟達論発売中 @daijapan

高校から大学に入ると成績が落ち、大学から実業団に入ると成績が伸びる、という現象が陸上界にあってそれを昔考えた事がある。時間制限のある、高校、実業団と違い大学は時間制限がほとんど無くて、大学生になってわかったのは人は制限が無いと、無駄を無駄だと気付かなくなるという事。

2012-03-15 22:46:20
爲末大 Dai Tamesue 熟達論発売中 @daijapan

大事なものは無くして始めて気付くというのは本当の事だと思うけど、じゃあ後悔しない為に全部無くさないようにと思う事が競技者の成長にキャップをする。無駄なものとそうじゃないものを分ける為に、大事かどうか一度手放す、もしくは遠ざけてみるのが必要で、でもこれがなかなか辛くて勇気がいる。

2012-03-15 22:47:41
爲末大 Dai Tamesue 熟達論発売中 @daijapan

それでも片っ端から捨ててみる訳にはいかないから、自分なりの指標が必要で、それは自分の強みは何かを知るという事でわかっていくと思う。何によって自分は支えられているのかを考える事で、柱がわかり、その仮説に基づいて物事を捨てていく。

2012-03-15 22:53:19
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限界の概念を持って自分の強みを考えると、苦手なものを克服している時間なんて無くて、得意なものを徹底的に伸ばす方向がいいんだと思う。2,30年程度の競技生活では弱みを潰すには時間が足りなくて、自分を生かしきる事に専念しないと戦えない。

2012-03-15 22:54:59
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人がクリエイティブになり、何が重要で何が重要でないかを考える状態は、死で人生の時間にキャップがされた状態。死を考えるから時間に限りがある事を意識し、時間に限りがあるから何に時間を費やすべきかを考え、何に時間を費やすべきかを考えると本当に自分にとって大切な事は何かを考える。

2012-03-15 22:57:30
爲末大 Dai Tamesue 熟達論発売中 @daijapan

【まとめ】人生は短い、競技人生はもっと短い。それは少し僕も悲しいのだけれど、でもだからこそ競技スポーツは創造的でドラマティックで魅力的なものになっているんだと思う。矛盾するようだけど、私達の人生に限界があるからこそ、人の発想には限界がないんだと、僕は思う。

2012-03-15 23:00:29