ジャイアンツ問題、福田氏連続ツイートまとめ

福田拓哉 @takuya_fukuda

1:巨人の契約問題、「世間の常識」という非常に曖昧なものを盾に一方的に球団批判を行うのは建設的ではない。いくつかの論点で物事を整理する必要があると思う。　巨人、標準額超え契約　球界やファンに説明を　プロ野球（産経新聞） http://t.co/EllFaQi4

福田拓哉 @takuya_fukuda

2:私が思うその論点は次の3つ。①独禁法とNPB、②リーグと球団のガバナンス、③球界関係者の倫理規範。今回の問題はこの3つが絡み合っているのではないだろうか。

福田拓哉 @takuya_fukuda

3:まず「①独禁法とNPB」から。今回の問題は過去の逆指名選手に支払われた契約金と年俸が「申し合わせ」の内容を遥かに超えていた事。この「申し合わせ」の内容は球界の憲法たる野球協約に明文化されていない。それは明文化することが独禁法に抵触する可能性を公取委から指摘されたからである。

福田拓哉 @takuya_fukuda

4:独禁法の範囲内で活動をする限り、自由競争環境を確保しなければならない。この点がNPB改革案の際にモデルとされるMLBやNFLと根本的に違うことを理解しなければならない。何せこの2つは反トラスト法(日本の独禁法にあたる)の除外を受けているのである。

福田拓哉 @takuya_fukuda

5:なので選手の契約金や年俸を厳しく制限することを明文化するためには、まずはNPBが独禁法の除外を受けることが必要になり、その是非を巡る議論は必要になるだろう。MLBやNFLの強力なリーグ集権体制は所与ではなく、そうした法的な部分と戦い勝ち取ってきた結果構築されたものである。

福田拓哉 @takuya_fukuda

6:なのでまず今回の問題は法律違反というレベルでなく、球界が自ら決めた約束を反故にしたという規範意識の欠如であることの理解が必要。ただ、社会的規範に対する期待や監視の目が今回のように高まっていることは事実。故に組織が規範的部分にまで注意を払っているか監視する必要が出てくる。

福田拓哉 @takuya_fukuda

7:この点が「②リーグと球団のガバナンス」につながる。まず現在の野球協約ではNPBの最高意思決定機関はオーナー会議であり、これは親会社の代表によって構成される。で、このオーナー会議を監視・評価する機能がない。「それってどうなの？」と外部からのツッコミを入れる機会がないのである。

福田拓哉 @takuya_fukuda

8:外部からのツッコミがない組織は内輪に甘い判断を下す傾向が強まる。こうした体質は一社丸抱えの球団にも共通する。Jリーグの場合は理事に外部の有識者が入っているし、クラブは法的に公開の義務もないにも関わらず財務データもつまびらかにしている。外部からのツッコミが入りやすい。

福田拓哉 @takuya_fukuda

9:なので「現在は」NPBでも球界改革が確かに進んでいるが、このガバナンス機能の面ではJと比較すると(この比較が正しいか否かは別の議論)遅れている。今回の問題も「自分達で決めた約束なんだから守るべき」という当たり前の指摘を外部からも受けられる仕組みがあればかなり抑制できたと思う。

福田拓哉 @takuya_fukuda

10:そもそも外部の人材による厳しいチェックが必要になったのは企業や組織による違法行為や倫理欠如が問題になったから。なので「③球界関係者の倫理規範」が確立されていればこうした問題は起こることがなかった。ただし、現在は倫理憲章も作られ改善が図られている。

福田拓哉 @takuya_fukuda

11:過去の問題に対するミソギは必要であるが、これまでNPBが進めてきた改革も忘れてはならない。そのスピードがメディアの期待に沿うものではないのだろうけど、改善ができた部分と、これから改善が必要な部分をきちんと精査しながら話を進めなければならない。過去はもう変えられないのだから。

福田拓哉 @takuya_fukuda

12:過去の問題をピンポイントで指摘することも確かに重要だが、同時により全体的な視点でNPBを論じることも必要だと思う。社会にとってのNPBの価値は？NPBへの我々の期待とは？活動を規定する法との関係は？NPBのビジョンは何か？それを形にする制度は？過去に学び未来を創るべきだ。

福田拓哉 @takuya_fukuda

以上、巨人の契約金問題に関するツイートでした！