山岸教授退職記念特別講演会 「ヒトと人の間~進化・文化・制度」
悪いやつがいるから→心がけの問題と考えるやり方。そうであるなら、社会問題はすべて心理学の問題、教育学の問題ということになる。つまり、社会科学はいらなくなる。 #Yamagishi2012
2012-03-18 09:58:32「絶対つぶれるからなまけたほうがいい」と思っているとつぶれちゃう問題。昔の日本や中国ではそれを思想教育で解決しようとした。でもやっぱりだめだった。 #Yamagishi2012
2012-03-18 09:59:56では、罰してはどうか? でも、監視と罰のコストが大きくなりすぎる。自発的な協力意識が損なわれて、罰の行使はますます罰の必要性を高める。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:00:50互いに合意の上で互いの行動を強制するという解決方法。しかし、それだけでは不十分! 環境保全は大切だということは理解しているし、協力する気持ちもあるけど、自分が努力しているのに他の人が協力してくれないと自分一人が馬鹿を見ることになる。それはいやだ問題。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:03:06「あなた一人じゃないのだ」という安心が必要。他の人たちもちゃんと協力するように「強制」されている、という保証。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:03:48山岸先生の最終講義のハッシュタグはこちら! だれかとげたーしてくれないかな...。#Yamagishi2012
2012-03-18 10:05:094人集団を作り、社会的ジレンマ状態を作る。罰制度あり。罰制度がないと低信頼者は高信頼者ほど協力しないが、低信頼者も罰制度確立のためには協力する。その結果罰制度が成立すると、低信頼者は安心して協力sうるようになる→罰の間接効果 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:06:50今の経済学者は「罰はインセンティブを変えることに意味がある」と罰の直接効果だけを考えているが、間接効果が重要なことを示したのがYamagishi (1986)。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:10:02Strong reciprocityとしての自発的・利他的罰について2000年代にはいって経済学者によって研究されてきている。Yamagishiによる初期の研究は個人の自発罰ではなく、サンクション・システムの形成を強調している。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:12:20そのシステムが人々の意識や認知にどのような影響を与えているか。心と社会のマイクロ・マクロシステム→制度としての文化。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:13:12社会的ジレンマのまとめ: 自発的な協力に頼り切るわけにはいかない。互いに合意した上で互いを拘束することが必要。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:14:34通常の社会的ジレンマではアメリカ人の方が日本人より協力する。「常識」と違う。それは、日本社会の中に人々を協力させるしくみが存在するから。実験室ではそういうしくみがないので協力しない。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:16:22罰の仕組みを作ると? 日本人の方がアメリカ人よりも協力するようになる。Yamagishi (1989) #Yamagishi2012
2012-03-18 10:17:31文化は個人の中にあるのではない、制度の中にあるのだ。実験室の中に社会的真空状態を作り出し、行動の文化差を消し去る→比較社会実験 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:18:11比較社会実験というのは山岸の考案した実験。比較文化実験では文化差をあぶりだすものだが、比較社会実験では文化の違いを消し去ることを示すのが目的。 #Yamagishi2012
2012-03-18 10:18:51Kim & Markus (1989) のペン選択実験の話。アンケートのお礼にペンをあげる。ペンは少数色のペンと多数色のペンがある。どっちを選ぶ? ヨーロッパ系アメリカ人は少数派のペン (ユニークネス) を選ぶ。アジア人は多数派のペンを選ぶ。 #Yamagishi2012
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