河野透氏の「ソニーのふり見て我がふり直せ」から気になったフレーズ抽出

新刊本を読んで気になったフレーズを抜き出してみました。
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kikidiary @kikidiary

家電会社の広告動機で、流通要因はどのくらいあると思う?(中略)八割は流通の要請。僕の体験上はそうだ。流通の求めで広告を作ってるのが実態ですよ。広告電通賞は本当ならヨドバシカメラや石丸電気にあげたほうがいいよ。(ソニーのふり見て我がふり直せ 河野透)

2012-03-19 09:34:59
kikidiary @kikidiary

ソニーのトリニトロンのコピーって「裏の違いが表に出ます」だったんだ。コピーを考えたのは博報堂の東海林隆さん。クリエーティブ部門から後に社長になった、と。トリニトロンのシェアは12%から14%に伸びた。河野透さんの本より。面白い。

2012-03-19 09:44:51

デザインについては黒木靖夫氏ではなく、大賀氏の影響が非常に強かったのでは、という話も。*

kikidiary @kikidiary

ワンボイスだからテイストになる。バラバラじゃテイストにならない。相談して決めてもテイストにならない。(中略)大賀さんはこうしろと言う人だった。だから、大賀テイストと言えばその通りですよ。だけど、デザインの現場だって、その「こうしろ」を素直に聞くタマじゃない。(河野透)

2012-03-20 15:05:33
kikidiary @kikidiary

もう吼えるなんてもんじゃないんだ。ックアップを見るなり、引っつかんで床に叩きつけて、ズタズタにする。(中略)だけどね、こういう独善的な指導者というか、そういう人がいないとワンボイスってできない。デザインやブランドの世界ではそのワンボイスが重要だと思う。(河野透)

2012-03-20 15:07:51
kikidiary @kikidiary

早くからデザインの重要性を説いて、ソニーに導入を進めたのが大賀さんでした。大した目利きでね。ドイツ生活で吸収したものが濃厚だったのかな。抜群だったのは金属加工に対するセンスだね。フォルム、テクスチャー、研磨。大賀典雄といえば芸大出の声楽家。(河野透)

2012-03-20 15:10:22
kikidiary @kikidiary

好きな人たちの血中ソニー濃度を上げて、好きが溢れ出して来て、周囲に感染した結果、新たに発生した増し分。それなら大歓迎。だから、撃つ弾が一発しかなかったとしたら、好きに全力を尽くすほうがいい。(河野透)

2012-03-20 15:20:38

80年代のコピー全盛時代はむしろ国内広告産業のガラパゴス化を促進したのではないか、とする意見は非常に興味深かった。そして、自動的に世界市場を相手にしているソニーにとっては日本の広告代理店・ベンダーを世界展開で使うことは「ありえない」ということになったと。*

kikidiary @kikidiary

世間で言うところのコピーの時代は、僕らから言わせると"説明の時代"に過ぎないんです。通りやすい説明=良い表現。バカこけですよ。宣伝にとって一番肝心なリアリティに蓋をして、コミュニケーションのメカニズムにもメスを入れようとしなかった。(河野透)

2012-03-20 15:30:43
kikidiary @kikidiary

日本の広告会社に海外は任せられないと強く思ったし、日本の広告クリエーターは海外を捨てたなと思った。僕らは外国では日本語でない宣伝の土俵に上がっている。それは日本よりも広くて深い。(河野透)

2012-03-20 15:33:29
kikidiary @kikidiary

西武さんの「おいしい生活」のような、日本語のおもしろみだけの企画書が山と積まれると、かえって思考が不自由になっていった。著名なタレントでCM出演は日本だけ。絶対にアメリカで露出しないようにしてくれ。そんな表現案で多国籍な展開なんてそもそも考えられない。(河野透)

2012-03-20 15:35:32
kikidiary @kikidiary

iPodが出た時、音質が良くないとか言うのだけれど、あのサイズでポーンと出てくると、あっという間に惹きつけられていく。音質を超えて魅せられていく。そもそもウォークマンもそうだった。(中略)フルオーディオ派から散々こき下ろされた。ソニーはそれを忘れてしまったのか。(河野透)

2012-03-20 17:43:28

ソニーが変質していったのは無線市場で一番になってしまったところに端を発するのでは、という考察。そして、誰も一番の立ち振る舞いを教えてくれなかったことが長きにわたる迷走の端緒だったのでは、という推論はなかなかに面白い。中の人ならではの考察でした。

kikidiary @kikidiary

ソニーは二番が好きだったのかもしれない(笑)二番に甘んじるのが好きなのではなくて、一番を脅かすのが好きだったのだと思う。(中略)ソニーが一番になった時に、バカみたいだけれど、一番になった時の振る舞い方は誰も教えてくれなかった。当時の経営陣は誰も持っていなかった。(河野透)

2012-03-20 17:48:53
kikidiary @kikidiary

ブランドも宣伝も自己に備わっているもので作ることになる。だから、あるものをどう見るか。それとどう向き合うか。周囲との関係を探り、手繰り寄せる。ある意味での隙間探し。隙間とはそこに関係を発見するという意味です。それが独特のものであれば個性といえる。それを磨き上げて絞り込む。(河野透

2012-03-20 17:53:22