AB10話を見てのつぶやき

ちょっと篠房六郎先生の議論 にも触れています。
4
repon @repon

今日も眠気がひどく、行きも帰りも電車の中ですっかり意識をなくしていた。

2010-06-08 00:37:35
repon @repon

しかし、寝る段になってみるとなかなか眠れない。こういう時の最近の癒しは、「エンジェルビーツ」か、「working!」、「会長はメイド様」だ。

2010-06-08 00:38:46
repon @repon

で、今日は「エンジェルビーツ」を見たが、すごくありきたりなことをいうと、これは「弔い」の物語なのだな。それも、何重にかメタ化されている。

2010-06-08 00:40:00
repon @repon

死。肉体が滅ぶこと。けれど、肉体が滅んだことを知らなければ、たとえば15年ぶりの同窓会で、「アイツ、また遅れてきているよ」「全く変わらないなぁ」と、生きた人間として語られる。この時、知り合いの中で彼は生きている。

2010-06-08 00:46:58
repon @repon

同窓会でひとしきり、「遅れたアイツ」の最近について話しあったあと、そのまま散会してしまえば、みんなはかれが死んだことは知らない。彼は肉体的に死んだにも関わらず、生き続ける。

2010-06-08 00:48:34
repon @repon

肉体的な「死」と、社会的なネットワークにおける「死」は別物で、すでに肉体的には滅んでいるのに、まだ「死んだ」と認識されていない人のことを、「幽霊」と言う。

2010-06-08 00:50:15
repon @repon

当然逆のパターンもあって、すでに社会的なネットワークにおいては、自身が「こんな人生はありえない」という処まで来てしまっていて、本人のみが「死」を認めないけれど、社会的なネットワークにおいて限りなくその人は「死んでいる」という場合がある。彼もまた、幽霊である。

2010-06-08 00:51:56
repon @repon

彼は肉体的に滅んでも、死なない。その死を本人が認めない。社会が埋葬しても、本人は認めない。本人が自分の死を認めないことを、生きている人間たちは知っている。だから彼は、死霊となって生き続ける。肉体的に何度殺されようとも、肉体的に滅びるのは一回のみだ。

2010-06-08 00:54:04
Takehiro YOSHIMURA @yoshimutake

キリスト? “@repon: 彼は肉体的に滅んでも、死なない。その死を本人が認めない。社会が埋葬しても、本人は認めない。本人が自分の死を認めないことを、生きている人間たちは知っている。だから彼は、死霊となって生き続ける。肉体的に何度殺されようとも、肉体的に滅びるのは一回のみだ。”

2010-06-08 00:55:28
repon @repon

「無念」の心を生きている者たちが共有している限り、生き続けるのだ。そして正しい埋葬の仕方は、「彼はたぶんこのような人生を歩んだとしたら満足しただろう」を、「彼はこのような人生を歩んだ」とすり替えることだ。そして正しい埋葬は、彼を神的な存在にする。

2010-06-08 00:56:10
repon @repon

「エンジェルビーツ」では、「埋葬」が行われている。登場人物の埋葬。ひとりひとりの虚偽の記憶。しあわせな、記憶。「せめて、幸せな記憶を」

2010-06-08 00:57:35
repon @repon

そして、「エンジェルビーツ」を見終わり、画面を消したときにそこに映る「死霊」に、麻枝准は、なんども埋葬のメッセージを送る。

2010-06-08 00:58:47
repon @repon

仲間である「おたく」たちに、すでに死霊になっているぼくらに、麻枝准は、「いいんだよ」と言う。「君たちがたとえこの状態に絶望して死んだとしても、君たちはぜったいに納得しないだろう。肉体を滅ぼせば君たちは死霊となってさまよう、永遠に。寂しすぎるよ。ならば、せめて幸せな記憶を」と。

2010-06-08 01:02:23
repon @repon

「君たちはすでに死霊だ」とあからさまに示した春エヴァからもう15年、その間麻枝准はずっと、「正しい埋葬」についてメッセージを送り続けた。それが村上春樹的だといわれても、メッセージが同じなのだからしょうがない。

2010-06-08 01:05:06
repon @repon

ぼくらは「幸せな記憶」を……ありえない楽しい学園生活を、ありえない「分かり合える」仲間たちと、主人公を通して、追体験してきた。そして多くのギャルゲは、もはや「フォーマット」として、「埋葬の物語」をずっと語り続ける。

2010-06-08 01:07:09
repon @repon

さかのぼって、たいへん聡明であり、作品も素晴らしい篠房六郎先生 @sino6http://togetter.com/li/25179 で、「自分達がみんな死んでる、ってネタバレは後半までとっとくべきだった筈。」 http://ow.ly/1V9aT

2010-06-08 01:13:05
repon @repon

@chasyanさんの「「どんなに楽しい時間をすごしてもトラウマや現実の不幸からは逃れられない。人はモラトリアムの留まってはいられず、未来に進まなければいけない」にたいして @sino6さんが、「それ、社会人になったら、わざわざ言われなくても分かる事だと思うけど…」と言われていて

2010-06-08 01:16:25
repon @repon

驚きでした。篠房六郎先生の傑作でありまだ連作がつづいている「百舌谷さん逆上する」は、現世における弔いの話であるけれど、その根底には「死霊」への弔いがあるし、それは処女作「やさしいこどものつくりかた」のメインテーマだと私は感じたからです。

2010-06-08 01:22:04
repon @repon

すでに自己投影できないように造形された主人公たちが幸せな偽りの記憶を受け入れて「昇天」していくまでにずいぶん時間がかかりましたが、このあと、麻枝准はどのように物語を終わらせるのでしょうか。そして、「おたくたち」を埋葬できるのでしょうか。

2010-06-08 01:24:07
repon @repon

15年間ギャルゲの世界で起きた埋葬は、まだ続くのでしょうか。そこはすでに、死霊の巣窟なのに。「萌え」という記号に置き換えられて、人々の「自らの死を受け入れがたい」という死霊の精神を、偽りのしあわせな記憶で昇天させ続けるのでしょうか。僕は、そのことを、暫定的に支持します。

2010-06-08 01:26:19
repon @repon

あと、数話。大変楽しみです。

2010-06-08 01:26:40
repon @repon

@ululun さん 言葉は、死です。話し手が居なくなっても存在し続けます。紙の上に、電子の中に、メディアの中に。

2010-06-08 01:28:05
repon @repon

@yoshimutake うーん、微妙にまずい発言になりそうなので、遠慮します~

2010-06-08 01:29:14
repon @repon

「言葉が生きている」と思う人が暴走すると、死霊は「怪物」になりますねー RT @ululun: @repon 表現自体が屍体ですよね。でも見る側が生きていると思えば生きているわけで

2010-06-08 01:31:12