NHK:プロジェクトWISDOM 「世界が問う 福島第一原発事故」第二部書き起こし・ほぼ完全版

3月24日夜にNHK・BS1で放送されたものを文字起こししています。 第一部まとめ http://togetter.com/li/278431 の続きです。 福島第一原発の廃炉への課題など 司会:滝川クリステル 出山知樹 解説:水野倫之解説委員 続きを読む
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VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 33年前、深刻なメルトダウンの事故を起こしたアメリカ・スリーマイル島原発。溶け落ちた核燃料の取り出しには11年もかかり、さらに解体が始まるのは今から20年以上も先の話になります。26年前、史上最悪と言われる事故を起こしたチェルノブイリ原発。

2012-03-25 22:17:35
とし @toshihiro36

<ナレーション> 原発を覆っていた石棺が老朽化し、廃炉への道筋はいまだ見えていません。そして福島第一原発、廃炉には予想もつかない困難が待ち受けています。

2012-03-25 22:20:26
とし @toshihiro36

<ナレーション> メルトダウンを起こした複数の原発を同時に廃炉にするのは、世界でも初めてです。壊れた格納容器の修復、高い放射線の中で作業する新たなロボットの開発、過去に例のない作業を行わなければなりません。極めて難しい課題を抱えるなか、福島第一原発の廃炉をどう進めればいいのか。

2012-03-25 22:27:39

ここからスタジオに戻ります

とし @toshihiro36

出山:「プロジェクトWISDOM」ここからは第二部です。第一部では東京電力・福島第一原発がレベル7の事故にまで拡大した原因、そして関係機関の対応について見てきました。ここからは事故を起こした福島第一原発の廃炉、そして高レベル廃棄物の処理をどう進めていくのかを議論します。

2012-03-25 22:32:54
とし @toshihiro36

出山:出演者のみなさんは一部に続き第二部、どうぞよろしくお願いします。

2012-03-25 22:34:16
とし @toshihiro36

滝川:第二部でもみなさんのツイッターでのご意見をお待ちしております。ご覧のハッシュタグ(#nhk_wisdom)をつけてツイートして下さい。

2012-03-25 22:37:14
とし @toshihiro36

出山:では引き続き水野解説委員とお送りしていきます。水野さん、政府は「第一原発は冷温停止に達した」として、事故そのものは収束したと去年の12月に宣言しました。で、廃炉に向けた工程表も示しましたよね。どのような手順で進めていこうとしているのか、それをまず説明して下さい。

2012-03-25 22:41:12
とし @toshihiro36

水野:政府は最長40年かかるとしてまして、これを3期に分けて進めていくことにしています。こちらで説明したいんですが、これから3年間を第1期としていまして…これは1号機から4号機にある使用済み燃料プールから、使用済み燃料を取り出すことが最大の目的です。

2012-03-25 22:48:34
とし @toshihiro36

水野:取り出しのためには、各建屋の上に再びクレーンを設置することが必要で現在4号機が最優先でそのための準備…瓦礫の撤去作業などが行われています。その次の第2期は2021年までなんですけれども…4年目から10年目までを第2期としまして、溶けた燃料を取り出すための準備期間です。

2012-03-25 22:53:54
とし @toshihiro36

水野:準備は何をするかといいますと、溶けた燃料は非常に放射線が強いため、そして熱も発していますので、格納容器を水で満たすことで放射線を遮り冷却もすると。そのためには格納容器に穴が開いているとみられていますので、まずその修理をしなくてはいけません。

2012-03-25 22:58:11
とし @toshihiro36

水野:その修理ができるかどうか。非常に放射線が強い場所ですので…作業員が近づけない場合もありますので、こういった修理のできるロボットを開発できるかどうかがポイントになってきます。この水で満たす作業が終わったら、いよいよ第3期。

2012-03-25 23:01:55
とし @toshihiro36

水野:2051年までに溶けた燃料を取り出して、そして全体を解体すると。この溶けた燃料を取り出すにも当然遠隔操作のロボットが必要で…この格納容器は高さ35メートルもありますので、そこまで届くような器具の開発。こういったところもポイントになってきます。

2012-03-25 23:06:12
とし @toshihiro36

出山:みなさんに議論していただく前に、滝川さんからこちらをお願いします。

2012-03-25 23:07:41
とし @toshihiro36

滝川:番組のウェブサイトに寄せられた意見を紹介します。「廃炉を進める上で、どんな課題があると思いますか?」との設問に対して、「破壊された屋内を自由に歩き回り建物を修復して放射性物質を取り出すロボットを開発するには時間がかかりそうです」

2012-03-25 23:11:46
とし @toshihiro36

滝川:「処理方法や廃棄場所そしてその際に拡散するのかなど、わからないことが多すぎる」。続いて世界からの意見をお聞きください。

2012-03-25 23:13:54
とし @toshihiro36

元・英原子力関連企業安全対策担当 ジョン・プライス: 原発は爆発で大きなダメージを受けていますから、廃炉には大変な困難を強いられるでしょう。原子炉から全ての核燃料を取り出す必要がありますが、その核燃料を抜き取る作業を行うための既存の設備が壊れていて利用できないからです。

2012-03-25 23:19:42
とし @toshihiro36

カーネギー国際平和財団上級研究員 マーク・ヒッブス: チェルノブイリ原発の事故は25年以上も前の出来事ですが、事故がもたらした負の遺産をいまなお処理できていませんし、具体的な廃炉の計画は打ち出されていません。福島第一原発の溶けた核燃料は非常に高い放射能を帯びています。

2012-03-25 23:23:58
とし @toshihiro36

マーク・ヒッブス:日本が直面する課題は新たに開発するロボットやテクノロジーを使って、細心の注意を払いながら取り出さなければならないことです。

2012-03-25 23:26:29
とし @toshihiro36

リスボン工科大学核融合研究所教授 マヌエル・アロンソ: 廃炉を進める上での課題は40年以上の歳月が必要だということです。高レベルの放射性物質がある上、原子炉も損傷し放射能漏れもありますから、もっと多くの時間と費用がかかるでしょう。そして2世代にわたる継続的な努力が求められます。

2012-03-25 23:31:18
とし @toshihiro36

マヌエル・アロンソ:つまり、廃炉の作業を子供たちに背負わせることになるのです。

2012-03-25 23:32:45
とし @toshihiro36

出山:子供たちに背負わせるということで…それほど長い時間がかかるという風に見ていらっしゃるんですけれども。 では、アメリカのジャック・ディバインさんに伺います。ディバインさんはスリーマイル島原発事故の復旧作業の技術責任者として陣頭指揮にあたられた、

2012-03-25 23:39:19
とし @toshihiro36

出山:実際に携わった当事者でいらっしゃいますけれども、そのご経験から福島第一原発の廃炉をどのように進めていけばいいとお考えでしょうか。

2012-03-25 23:41:38
とし @toshihiro36

ディバイン:ありがとうございます。まず一つめに頭に浮かぶのが、これを廃炉の作業と位置付けるのではなく、ハザード(脅威)除去の作業とみるべきです。1~4号機まである中で3つメルトダウンを起こしていて、燃料の取り出しが難しい。それはそうなんですが、目的はまず脅威を除去することです。

2012-03-25 23:48:06
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