@miumisuzu韓国滞在記

naokki @miumisuzu

韓国17。韓国に帝国の影を感じないと記したが、日本こそが最大の「帝国」でもある。この当たり前の気づきも貴重だった。日本語を操る日本人の視線がそれを不可視のものとしているのだろう。学生街にはアサヒビールと焼鳥赤提灯を掲げた店がある。日本にあるオシャレ韓国ダイニングの鏡面的存在である

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韓国16。韓国は韓国でしかないものというものを持ちえている。借り物の何かというものがない。最大の独自性はハングルではないか。日本語には漢字という中国からの「借り物」の記号がミトコンドリアのように入り込んでいる。そのオリジナルの魅力を捉えあぐねている。もっと深みに遡行する必要がある

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韓国15。韓国人にはチャイナタウンが無い。これは世界的にも珍しい。中華料理店や中国人観光客はいる。それでも中華のにおいを感じさせない。同時にアメリカの影も見えない。台湾へ行った時アメリカのにおいを強く感じた。沖縄とフィリピン（かつて）に軍事的、間の台湾には文化的駐屯を果たしている

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韓国14。彼の日本の記憶を探りたい。しかし「ドラえもん」も「ちびまる子ちゃん」も「ドラゴンボール」も韓国で放送されている。日本固有のものではない。ちびまる子はパレスチナのTVでも流れていたという。ポンキッキとNHK教育TVのキャラクターをいくつか尋ねたが知らなかった

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韓国13。子供が第一言語を獲得するタイミングは二度あるという話をどこかで読んだ。一つは小学校入学する6〜7歳。ここで両親兄弟以外の「他者」と出会う。さらに16〜17歳の自己同一性の確立とともに言語が定着する。しかし、ウクライナで生きていた元日本兵は日本語をほとんど喪失していた

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韓国12。最終日の夜中、南大門市場へ行くと屋台に誘われる。店には大阪生まれの在日韓国人青年が飲んでいて少し話す。彼は5歳で韓国人夫婦のもとへ養子に出され、韓国へ帰化した。これから兵役の義務もある。5歳まで日本にいた彼が母国語をほとんど喪失しているのには驚いた。

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韓国11。満員の新幹線は30分ほどでソウルへ。韓国新幹線はフランスのTGV仕様。18両編成で最高速度が305キロというのは日本への対抗なのかなと思ったが（日本は16両で、300キロ）本国でも同様の仕様であるようだ。

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韓国10。巨大団地内のよろずやで飲み物を買い道を訊ねる。新幹線は「KTX」（ケーテックス）というようだ。客として来た青年が英語で案内してくれる。2キロほどあって歩いて行くには遠いという。タクシーを捕まえて走ると、巨大な駅が現れる。ロータリーだけが整備された新幹線駅のそれ

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韓国9。森の影から巨大なマンションが見える。地図でこの先に新幹線の駅があると知り向かおうとする。ニュータウンが開発されている。第3新東京市を彷彿とさせる。山を降りて街へ出る。これがニュータウン仕様で方向感覚がつかめずぐるぐると迷う。赤信号で渡ろうとしたらセンサーで感知して声が出る

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韓国8。東京から特急で1時間となると、木更津や土浦や高崎や宇都宮あたりになるだろうか。実際、街の雰囲気が木更津っぽい。街を抜けると小高い丘に出た。山を登っていく。韓国の山には杉がないのだろうか。花粉症の非道い発作はでなかった。山の上には遊歩道のようなものが整備され人が歩いてる

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韓国7。ソウルの都市圏は巨大だ。どこまでも高層マンションが続いていく。30分ほどでちらほらと畑と田んぼが見え始める。その風景を見ながら「アリラン」を聴いてみたら似合った。ソウルフラワーとイ・パクサという取り合わせだ。「蘇州夜曲」は10パターンくらいある。1時間ほどで天安という街へ

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韓国6。新幹線に乗ってみたくなり、値段を見て1000円くらいで行ける駅を指定すると、普通の特急列車だった。韓国新幹線は線路の幅が一緒なので同じホームから発着するので間違えてしまった。機関車が客車を引っ張る。中間にはゲーム機やパソコンを備えたビュッフェ車も乗せていた。

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韓国5。2日目はソウル駅前のボロボロの宿。昼過ぎに行くとおばちゃんが出てくる。「イルボン（日本）」と奥から人を呼ぶと日本語を操るおっさんが現れた。3万ウォン。鍵がボロボロで強く回すとちぎれた。ソウル駅周辺は上野のよう。駅前にはホームレスも。日曜の駅前では労組の集会が開かれていた

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韓国4。宿を決めずに街へ出て、モーテルを探す。2年前に街でやたら温泉マークを目にしたが、これが安宿兼ラブホテルとして機能しているようだ。初日は廊下にピンクのネオンが輝き、シャワールームがスケスケなラブホテル仕様で4万ウォン。床暖房が効いていてＴシャツで眠れた。

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韓国3。ウズベキスタンレストランで頼んだチャイは、薄い紅茶のようなタイプ。砂糖やミルクを大量投入するタイプのチャイではないのだろうか。ロシア料理でジャムを入れて飲む紅茶があるけれど、それとも違ってシンプルな味わいだった。2年前入った「地球の歩き方」にも載っていた店は無くなっていた

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韓国2。かつて朝鮮半島沿いに住んでいた朝鮮族がスターリンによってウズベキスタンをはじめとする中央アジアへ強制移住させられた。この人々が「高麗人」と呼ばれている。ウズベキレストランに入ると韓国系の顔立ちの人々がロシア語を話していた。観光客もロシア人が多い。半島は大陸と地続だと知覚す

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韓国1。韓国の東大門市場は終夜賑わっている。巨大なドン・キホーテのようなショッピングモールがいくつも立ち並び、朝5時まで営業している。2年前はこの近くの東横インに泊まった。周囲にはウズベキスタン人街が拡がっている。旅行の前、四方田犬彦の新書でこの街が生成された理由を知る

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2年ぶり2度目の韓国訪問は色々考えることがあった。2つの国はやはり似ている。ハングルが溢れていなければ東京のようだ。 山口文憲と関川夏央の対談本『東京的日常』を携えていったのだが「通り一遍の旅ではないアリバイ作りとして屋台に行って話す」みたいな記述があり、まさに自身がなぞっていた

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土曜〜月曜まで唐突に韓国へ行ってきた。前日にチケットを取り、ソウルの空中キャンプで行われるフィッシュマンズナイト＆サニーディサービスのライブへ行ってきた。日本人観客は2〜3割ほど。名曲続きのラインナップに歓声があがる。みんな聴いている。アンコールには「コーヒーと恋愛」と「NOW」