「オフショア・バランシング」の是非と考察。

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fj197099 @fj197099

防衛研究所が『東アジア戦略概観 2012』を公表しているが(http://t.co/M7SV6tTB)、その中の第六章「米国」において、統合エアシーバトル構想の採用は米国が前方展開を軽視し「オフショア・バランシング」を志向している事を意味する訳ではない、旨の明確な記述がある。

2012-03-31 23:16:45
fj197099 @fj197099

「オフショア・バランシング」(OB)という大戦略を提唱し称揚するのはC・レインだが、レインのOBの理解たるやOBを採用した米国はNATOや日米安保を破棄して抑止と防衛の負担を同盟国に肩代わり(「バック・パッシング」)させようというかなり極端な主張である。純粋にリアリストのそれだ。

2012-04-01 00:39:06
fj197099 @fj197099

彼の議論は奇妙な幻想に満ち溢れている。一番奇妙なのは肩代わりを行った結果として同盟国が抑止や防衛の十分な自助努力が可能だとなぜそんなに楽観的に信じてしまうのかという点である。冷戦期間中、NATOも米国の前方展開もなくスターリンの拡張主義を押さえ込めたと本当に信じているのだろうか。

2012-04-01 00:41:12
fj197099 @fj197099

そして現在、中国の海洋進出や国際法に違反する拡張行動を米国が本気で阻止しようとすることなく同盟国にそれが可能だと信じているのか。理解に苦しむものがある。同盟国に安易に責任転嫁して同盟国がその能力に欠ける現実を示す場合、結局米国は紛争の発生を防げず関与せざるを得なくなるのだ。

2012-04-01 00:42:47
fj197099 @fj197099

OB論者はどういう訳か(いろいろ特殊な前提があるのだ)同盟や前方展開は「巻きこまれ」のリスクを高めると考えているようだが、全く逆の議論も可能で同盟を解体したり前方展開を撤収すればその方が紛争勃発と「巻き込まれ」のリスクを高めるとの立論も可能なのである。現に米政府はそう考えている。

2012-04-01 00:44:34
fj197099 @fj197099

OB論者の主張は、所詮は新孤立主義との区別が曖昧なものである。グローバル化の進んだ現代に新孤立主義など採用すべくもないということが彼らには正しく認識されていない。それはある意味では当然で、リアリストを自称する以上はグローバル化による国際社会の変化を認めないことを意味するのだろう。

2012-04-01 00:46:34
fj197099 @fj197099

OBがレインの主張する形で米国に採用されることはおそらくないだろう。米国は同盟関係や前方展開を維持し続けるだろう。エアシーバトルには作戦構想として長距離打撃を重視する要素はあるが、それは外交・安保面での大戦略ではない。大戦略では米国は覇権や卓越の立場を今後も採り続けると思われる。

2012-04-01 00:49:46
fj197099 @fj197099

ちなみに言うと、リアリストの論法が有力な米国外交ほど日本を含む同盟国にとって不愉快なものはないのである。我々はしばしば中国に「責任ある利害関係者」になれというが、肝心の米国がそうでなくなってどうする。勢力均衡は言われているほど安定的なものではない。我々はリベラルな覇権を好むのだ。

2012-04-01 00:52:12
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

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2012-04-01 01:17:44
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

同意しますが、どれだけの期間維持できるかの方がポイントかと。RT"@fj197099: OBがレインの主張する形で米国に採用されることはおそらくないだろう。米国は同盟関係や前方展開を維持し続けるだろう"

2012-04-01 01:30:08
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

これにも同意。ただしイザとなったらアメリカには関係のない話かとRT"@fj197099: リアリストの論法が有力な米国外交ほど日本を含む同盟国にとって不愉快なものはないのである…我々はリベラルな覇権を好むのだ。"

2012-04-01 01:36:34
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

レインと同じ分析ですねRT"@fj197099: 19世紀からモンロー・ドクトリンを中心に西半球で覇権的な単極システムを築いてきた米国は…フロンティアの時代に代表されるように自己のリベラルな価値を拡大した統一的なシステムを望む。"

2012-04-01 01:45:45
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

もちろんそうですが、それも「今のところは」という条件がつくかとRT"@fj197099: 米国外交の基本は覇権/卓越や選択的関与を求める人々であり、オフショア・バランシングや新孤立主義を求める人々ではない。外交への影響力も限定的である。"

2012-04-01 02:00:59
fj197099 @fj197099

言い出すと長くなるので避けますが、その点、米国衰退論にはさほどの根拠はないと見ています。@masatheman 同意しますが、どれだけの期間維持できるかの方がポイントかと。RT"@fj197099: OBがレインの主張する形で米国に採用されることはおそらくないだろう。

2012-04-01 02:01:29
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

もちろんそうです。ただし問題はそう言わずにリアリスト的な行動をした場合ですよね。言説と実際の行動は別の場合がRT"@fj197099: 純粋なリアリストの主張が米国外交の表面に出てくることは稀であると言えよう。それは一般に米国の国益に適うとはみなされないことが多いのである。"

2012-04-01 02:06:53
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

この点については全く同意なんですが、問題は状況がアメリカの意図とは反対に自然と多極になってしまった場合かとRT"@fj197099: 多極システムへの回帰を志向するような外交政策は米国では厳しく挑戦を受けるのではと思いますRT問題はそう言わずにリアリスト的な行動をした場合

2012-04-01 02:15:10
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

それと、できれば「外交政策」じゃなくて「対外政策」でお願いしたいなぁと。

2012-04-01 02:18:15
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

わかるんですが、私はいずれ覇権的な論理をいくら主張しても実体として覇権を維持できなくなるから自然にリアリスト的な行動を取らざるを得なくなるかとRT"@fj197099: 多極になる前に覇権の論理が再び強く出るRTアメリカの意図とは反対に自然と多極になってしまった場合かと"

2012-04-01 02:28:49
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

いつまでも、あると思うな親と金(と覇権)。

2012-04-01 02:30:30