高橋源一郎「午前0時の小説ラジオ」第二回~「昭和以降に恋愛はない」~

まとめました。
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高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」7…「…いじるのはそういうこと。粘土をやわらかくするには水がいる。女子の水は体内から外へそっと出る、夜に」 以上です。では、また。

2010-05-27 01:03:31
高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」6…「セックスはひとつとひとつの作業、だいたいが一人で持つ。みんながこうやって、こねているのだから…やさしいひとの顔さえも変な顔にみえてくる、怯える。そのひとが自分からいなくなってしまう!男はいいように触るので、その形は自分で直すしかないのだから、女子が性器を…」

2010-05-27 01:02:28
高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」5…「(胸と、)腰以外を好きになってくれる男でもいたらいいな、だいたいがみんなそれを必死でこねる、発達しない。女子はひとりの夜いつも自分で自分をおしまいにする。自分でこねているとこの奇妙な形の性器一帯は粘土みたいに思えてくる必死でこねている、いやになる、作業。」

2010-05-27 01:00:14
高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」4…「いやあもう本当醜いけどなんて素晴らしいこと!だけどまあ男子女子はそんなんで満足するのだった。そんなものでそんなもので、だから恋愛はだめだ、昭和以降に恋愛はない、街はいつでもばかみたいにセックスにしか見えない男子女子が連れ立って歩く、みんな死なないといけない」。

2010-05-27 00:58:19
高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」3…「…、蚊のように、他の男が吸っただろう場所の上に、情けない、他のものが触れていない場所に興味がないなんて、全てに唇を触れようとすればこの女子の体はもう全部赤褐色になって本当に醜いのだけれども、そんな姿だったらわたしは感動して話しかけたい」

2010-05-27 00:56:01
高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」2…「最近の女子高生はふとい脚にも痣みたいなもの唇のあとをつける、それが短い制服のスカートの裾から見えると吐きそうになる。男子の唇の痕は汚い。男はなぜこの女子の、今まで他の男が触れていないところを探さなかったのだろう、こんな太い脚の、ほんのちょっとに、汚い痕を……」

2010-05-27 00:53:12
高橋源一郎 @takagengen

「夜の水」…「花に感動できません。乳首舐められても感動できません。どちらも自分は困らないけど、他人が困る。わたしは、おんなのひととして、色んなものが欠けているのだと、おもわれるのだけが困る。」

2010-05-27 00:50:53
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の20…一度全文引用した、代表作の「夜の水」の、最初の40%ほど&終わりのちょっとを、ツイートします。それでは。

2010-05-27 00:48:57
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の19…「昭和以降に恋愛はない」の話はここまで。短く、短く、しゃべろうと思ったら、ほんとに短くなっちゃった。乱暴な言い方でごめんね。ほんとうは、もっと繊細に語るべき問題なんだけど。で、最後に、やはり例が必要だ、ということで、大江さんの詩をツイートします。

2010-05-27 00:46:45
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の18…今年は、大江さんの『昭和以降に恋愛はない』だ。他の詩集も読んでいるけど比較にならない…というのは、「詩壇」的には通らないのか。そんなことは、どうでもいいや。読めば分かると思うから。そして、これは、詩だけの話じゃない。小説も同じなんだけど。というわけで……

2010-05-27 00:44:39
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の17…ぼくは素人だから、好きにいわせてもらうけれど、去年、「外」に向かっていた詩集は、あれしかなかったじゃないか。だから、№1でオンリー1です。どのジャンルでも、ほんとに優れたものは、年に一つか二つだ。去年の詩集は、川上さんだけでしょ。「外部」の考えでは。

2010-05-27 00:41:40
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の16…去年の中原中也賞は川上未映子さんの『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』という詩集だった。「詩壇」での評価は、よくわからないが、せいぜい「いい詩集の一つ」だったと思う。っていうか、ほとんど論じられなかった。変だとぼくは思った。ぜんぜんわかってない。

2010-05-27 00:39:34
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の15…さあ、やっと最初のところに戻ってきた。ぼくは大江さんの詩が「書かれるべき詩」だと感じた。そこには、「外」がある。「外」への興味があって、いまそこで話されていることば、それを話している現実の人間がいる。詩人じゃない、現実の人間だ。そっちの方が先決だよ!

2010-05-27 00:37:43
高橋源一郎 @takagengen

小説ラジオ2の14…だが詩だけが、というか現代詩だけがその導入に失敗したのではないだろうか。ぼくは一ファンとして、現代詩の不振の最大の理由はそこにあると思っている。「書かれるべき詩」が書かれていない。みんな「内」しか見ていない。そこにはいまのことばがない。読むべきものがないのだ。

2010-05-27 00:35:21
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の13…小説や詩は、危機の時代には、ことばを革新した。というか、流行りの口語を導入した。それは、目で見える「社会」でもあるのだ。紀貫之から太宰治(「女生徒」)、橋本治から吉本ばななに舞城王太郎まで、その例は多い。短歌もまた現代口語を大胆に導入することで生き残った。

2010-05-27 00:32:33
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の12…ここで重要なことがもう一つある。小説家や詩人が走った「外」とは何だろうということだ。社会、政治、愛、家族…それらはもちろん、そう。だが、意外なものが「外」にある。それが「自分がしゃべることば」だ。口語といってもいい。それは「外」にあって変化するものなのだ。

2010-05-27 00:29:44
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の11…それは難しいことじゃない。「外」との繋がりは無数にあって、それ故、その人の数だけ異なって見えるのに、「内」との繋がりは一つしかないからだ。自分では「個性的」と思っているのに、外から見ると、ぜんぶ同じにしか見えないのだ。そして、そのことを当人は気づかない。

2010-05-27 00:26:56
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の10…彼らは、政治や社会やその他、なんにでも興味を持ち、首をつっこんだ。それに対して、ぼくたちの多くは、「内側」へ入ろうとする。不思議なことは、「外」へ興味を抱いた人たちの方が、自分に興味を持つぼくたちより、ずっと「個性的」に見えることだ。なぜだろう。

2010-05-27 00:24:46
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の9…小説や詩のことばが盛んだった時代と、小説や詩のことばが元気のない時代の差はどこにあるのだろう。ぼくは、荒川さんと同じように、みんなが「自分」に興味を持ちすぎるようになったからだと思う。かつては違った。盛んな時代の小説家や詩人は、「外」に向かって走ったのだ。

2010-05-27 00:22:08
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の8…「…そらんじたり、しっかり文字に記すことのできる人は少ない。歌の歴史への興味もうすい。おそらく自分が『濃い』のだ。自分を評価しすぎているのだ。個性というものを過剰に信頼しているのかもしれない。そこからはいいものは生まれない」。重いことばだとぼくは思う。

2010-05-27 00:20:06
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の7…「…本のなかに書かれていれば、関係がないと思ってしまう」。確かにそうだ。さらに、別のところで、荒川さんは、もっと本質的なことをいっている。「いま歌をつくる人たちは、自分が歌をつくることだけに興味をもち、歌をかえりみなくなったように思う。これまでの名歌を…」

2010-05-27 00:17:35
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の6…「本は『自分が書くのではなく、すべて他人が書いたもの』だ。本を読まなくなるということは、他人が意識のなかから消えたためだ。小さいときからだいじにされ、自分は重要な人物だと思ってしまう。その他のことは見えなくなる。自分に体験できないことや、はるか遠いできごとが

2010-05-27 00:15:21
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の5…ぼくの考えをいう前に、ヒントになることばを少し引用してみたい。どちらも、詩人(ではなく、当人の名乗りでは「現代詩作家」)の荒川洋治さんだ。読書をする人が減ったことについて、荒川さんはこういう。「読書をしないのは、他人への興味がなくなったからだと思う…」

2010-05-27 00:13:08
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の4…(変更された)詩集のタイトルが「昭和以降に恋愛はない」だ。このフレーズは、彼女の詩の中からとった。あとはみなさんに読んでもらうだけだ。ぼくは画期的なものだと思っている。同時に、ぼくはこの詩集を読みながら、詩や小説のことばの現状について深く考えさせられたのだ。

2010-05-27 00:10:44
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」2の3…その中に、文芸誌「新潮」の編集長Yさんのものもあった。Yさんは大江さんと連絡をとり、詩集を読んだ。感想を訊く必要はなかった。Yさんの詩集は、いくつかを削り新作を加え、タイトルも変えて来月発売の「新潮」に載る。新人の処女詩集が雑誌で掲載という例はたぶん初めて。

2010-05-27 00:08:01
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