とやおの同題SS

今まで書いた同題SSを自分のメモ用にまとめました。
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とや@アカ移動しました @nigmam666

初めての恋?アレを恋と言うなら覚えていない。まだ青かった僕の過ちかもしれない、後悔は然程していないが。でもあの頃があって今がある。今になって体温をやっと知る。まだ愛していると素面じゃ言えないが、無闇に繋がるだけが恋じゃないと貴方に会って僕はやっと知った。<チキン>#同題ssTB

2012-05-14 21:11:01
とや@アカ移動しました @nigmam666

種を植えよう、いつか綺麗な花が咲くだろう。小さな芽を出して、朝露に濡れて、風に煽られ、それでも花を咲かすだろう。そして綺麗な実をつける、両手をあげて喜びそれを大事に食べようか。僕と貴方の歩むこれからがそんな日々であるように、色んな果実が実る人生であるように。<果実>#同題ssTB

2012-05-13 08:28:43
とや@アカ移動しました @nigmam666

俺の相棒はどこもかしこも綺麗に出来ていらっしゃる、そりゃあもう恵まれ過ぎる程に。だから下手な女より滑らかな肌に喉元に噛みついてやりたい気分にもなる。じっと見ていると不意にニィと口の端を上げながら近づいてくる。肉食獣みたいな牙した兎、こいつ以外にいる筈がない。<のど>#同題ssTB

2012-05-13 08:22:10
とや@アカ移動しました @nigmam666

久し振りのお姫様だっこ、腕に乗る重力にやっと帰ってきたと実感する。スーツを脱ぐと伸びすぎた髪を笑われた。でも彼の瞳を見つめて僕は言う。「おかえりなさい、虎徹さん」彼は金色を潤ませて悔しそうに言った。「俺が最初に言おうと思ったのに…俺に言わせろよバニー」<おかえり>#同題ssTB

2012-05-13 08:11:48
とや@アカ移動しました @nigmam666

以前見たいと言っていた映画がレンタル出来るようになっていた。感動巨編と聞いている、別に貴方とならんでいられるなら何でも良かった。ラストスパート向けて走る画面、隣では鼻をすする音がする。貴方がその瞳から流した涙、その色に染まっても透明を残した金色なんだろうか?<涙> #同題ssTB

2012-05-10 10:49:21
とや@アカ移動しました @nigmam666

“皆愛してる”それがどれだけ残酷な言葉かは分かっている。皆同じだけ平等に大切なんだ、そうやって悟らせる振りをしながら押し付けているのは俺の我儘。「大丈夫です、わかってますから」でも僕は別の扱いをして欲しい、口に出さないあいつの気持ちが緑の瞳から痛い程伝わる。<別> #同題ssTB

2012-05-09 20:56:21
とや@アカ移動しました @nigmam666

誰しもが心に宝箱を抱えている、他の人間に見られたくないものを入れて鍵をかけるのだ。大切な思い出?触れられたくない過去?思いの外激しい性癖?何が入っているかなんて外面で解る訳がない。だから遠くを見る貴方の目が哀に染まるなら、僕は過去も愛す彼の二番目の人でいい。<触> #同題ssTB

2012-05-09 10:28:08
とや@アカ移動しました @nigmam666

12時過ぎのバスルーム。浴槽に浮かぶ髪が淡い色のライトを抱いて橙がかる。このまま溺れそうな気がして目を開けると睫毛を伝って滴が落ちた。「うわっ」実際半分くらいは声になっていない、ブクブクと湯船で気泡になった。「何やってんの」思わずあげた右手は乾いた手に…<風呂> #同題ssTB

2012-05-07 10:39:54
とや@アカ移動しました @nigmam666

「この後カブッと食われるんだぜ」彼は笑った。そうだ、陳腐な映画に習うなら可憐な少女は恐ろしいモンスターに食い殺されるのがセオリー。でも生憎主人公は可憐な少女じゃない。「でも僕達はB級映画ではないので」のしかかる彼の体をベッドに押さえ、僕は喉元に牙をたてた。<B級> #同題ssTB

2012-05-06 19:49:41
とや@アカ移動しました @nigmam666

バニーと手も足も出る大喧嘩を始めてした。酒を飲んでいたせいもあるかもしれない、俺の左頬は少し赤く腫れた。あいつを二回ほどひっぱたいたしおあいこかなぁなんて呑気に考えていたのに叩いた本人は隣で泣きそうな顔してるっていう。うろたえるKOHに思わず口許が綻ぶ。<はれ> #同題ssTB

2012-05-06 10:48:40
とや@アカ移動しました @nigmam666

いつの間にか娘は大学生になり、卒業し仕事を始めた。初任給は豪勢なディナーをご馳走された。そして、今結婚する。いつかは来る日だ、走るように過ぎてきた日々…俺はだいぶ年をとったという自覚を鮮明に抱く。「楓ちゃん、とっても綺麗だ」隣で囁く相棒をまた同じ様に年を<いつか> #同題ssTB

2012-05-04 14:01:54
とや@アカ移動しました @nigmam666

0 を幾つ積み重ねたって0、そう思っていませんか?幾つ足したって0は0だと僕だって思っていた。最初僕達の協調性は全くの0だった。思いやる気持ち0、下らないプライド捨てる気0…僕達は0を沢山積み重ねた。だから 今僕達の距離は0。最高のバディだと思いませんか?<ゼロ> #同題ssTB

2012-05-04 13:30:27
とや@アカ移動しました @nigmam666

「…何か話してくださいよ」どうやら隣の兎は眠れないらしい。眠たい目を擦りながら、擦り寄ってくる掌に自分の掌を重ねた。「俺の話す寝物語なんてつまんないぜ?」顔を見やると長い睫毛と翡翠の眼がゆらり揺れる「別にそれでいいんです、あなたの声が聞きたいだけだから」<かたる> #同題ssTB

2012-05-04 13:17:17
とや@アカ移動しました @nigmam666

真夜中にやっと仕事が終わる。それじゃあ、また明日…さよならを告げる相棒の顔がまだ何か言いたげだった。暫く二人で過ごしていないなぁなんて思いながら帰路につく。寝ようとした頃にふと見たディスプレイ、かち合う瞬間光り鳴り出すiPhone!俺の答えは「早く来いよ」<あい> #同題ssTB

2012-05-03 10:43:54
とや@アカ移動しました @nigmam666

もどかしく時間が過ぎて行く。今日もまたタイムリミット、口の中から出ていかない一言。それじゃあ、また明日…そんな言葉が言いたいんじゃない。一人きりの真夜中照明も眠る暗い部屋だと先程の我慢と裏腹に僕の手は勝手に動くんです。「…今からあいにいってもいいですか?」<あい> #同題ssTB

2012-05-03 10:26:00
とや@アカ移動しました @nigmam666

赤い色が好きなんだと思っていたんだ。だから毎日赤い花束を持って白いベンチに向かった。空白のベンチをジョンが寂しそうな目で見つめる。赤は嫌いかい?君は何色が好きなんだい?過ぎる時間に今日も漏れる溜息。「ジョン!帰ろう、また明日来よう!ありがとうが言えるまで!」<色> #同題ssTB

2012-05-02 13:46:04
とや@アカ移動しました @nigmam666

ほら、まただ、結局僕を見ていない。僕の先に何があるっていうんです?他の人を重ねているんですか?誰かの代わりになれていますか?自分でもぞっとする、こんな卑屈な思考回路。きっとそんな事これっぽっちもないというのに、心が魔物に変わる真夜中。酷い映画を見ている。<ホラー> #同題ssTB

2012-04-30 02:30:39
とや@アカ移動しました @nigmam666

白いシーツに散らばる自慢のブロンド、その先を辿ると貴方の少し太めの黒髪が繋がった。足りない視力で目を細目ながら伺うが、貴方の顔は見えなくて。規則正しい寝息を聴きながら僕は毎度同じ事を想う。よかった、隣に居る。架け橋みたいに繋がった細い髪達、僕と彼を繋いでいて。<髪>#同題ssTB

2012-04-29 18:02:08
とや@アカ移動しました @nigmam666

あいつの「したい」と俺の「したい」がぶつかって口喧嘩になる。これはいつに始まったことじゃない、俺達の間ではそういう物なのだ。立派な成人男性のくせして拗ねる姿が可愛くて結局俺が折れるのだけれど、本当の所俺がしたいことなんてきっとお前がしたいことなんだと思う。<しよう>#同題ssTB

2012-04-27 22:57:35
とや@アカ移動しました @nigmam666

何が正しいのかわからない、霞む視界じゃ何も見えない。彼が居なくなったなら彼を作ればいいじゃないか、がむしゃらだった彼にもう一度会いたくて。「Hello マスター、俺の名を…」…違う!彼じゃない!僕は浅はかだった…僕に彼が作れる訳がなかったんだ!本当愚かだ!< むし>#同題ssTB

2012-04-25 12:26:38
とや@アカ移動しました @nigmam666

渇ききった砂漠に飲みかけのミネラルウォーターを撒いたって全てが潤う訳じゃない。それによく似た焦燥感、俺の求めているもの?わかりゃしない。ひりつく胸で息をして今日も立派なヒーローになる。彼女は笑ってくれるだろうか?不意に引かれた腕の先で相棒の瞳が不安に揺れた< うえ>#同題ssTB

2012-04-24 14:20:12
とや@アカ移動しました @nigmam666

貴方の溜めた書類を仕方なく片付ける。現場で早速ドジを踏んだ貴方のフォローをする。明日は家に来るのだろうと貴方のお気に入りの酒を買う。貴方の唇にそっと触れてベッドに誘いこむ。そのあとに続く言葉は全部『貴方のことが好きだから』僕は健気な獣だと思いませんか?<キーワード>#同題ssTB

2012-04-24 10:44:11
とや@アカ移動しました @nigmam666

縋りつく、その安堵に深い息を漏らす。もう夢は見たくないと子供のように彼の膝に泣きついて、何度もその体温を得ようとする。彼の手はあやすみたいに僕の髪を撫でた。「俺の前で泣けばいいよ」一人で泣くのは辛いだろ?優しく囁く。声もなくぽたぽた流れる涙が止められない。<子供>#同題ssTB

2012-04-22 10:37:46
とや@アカ移動しました @nigmam666

カーテンの隙間から太陽が朝を知らせる。煌めく日差しに輝く綺麗な金髪を撫でていると、つんざくようなアラーム!『Bonjou Hero?』そうだ、ヒーローに休息はない。隣のねぼすけを叩き起こして出動だ!「今日もよろしく頼むぜ?相棒!」「ヘマしないでくださいね!」<朝>#同題ssTB

2012-04-21 10:51:53
とや@アカ移動しました @nigmam666

ぽたぽたと顔に落ちる水滴で目を覚ます。「…ちゃんと拭いてから出てくれませんか?」文句を言うもあー、うん、そんな言葉でかわされた。先に一人で入るだなんてつまらないな…寝惚けながら思っていると、自分を覗き混むように見つめ続ける彼が一言。「やっぱお前睫毛なっげぇな」<水>#同題ssTB

2012-04-20 09:03:08