杉江松恋『談志名跡問答』『談志のことば』レビューの補遺

杉江松恋＠11/12秋季例大祭こ02b @from41tohomania

【書評】立川談志の名言『談志　名跡問答』『談志のことば』 - ウレぴあ総研 http://t.co/KOC04Lp3　原稿書きました。本書に収録されている談志と石原慎太郎の対談はファンもアンチも必ず読むべきものだと思う。

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(1)『談志　名跡問答』 http://t.co/KOC04Lp3　について補遺のようなものを書いておく。立川流のファンがこの本でいちばん興味を持つのは、「資格とは、自分が置かれている立場を把握することだ」という章ではないかと思う。（続く）

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(2)談志自身の言葉ではないのでレビューでは割愛したが、福田和也の発言が私にはおもしろかった。一部引用する。「小朝さんを見てて思うのは、自分の芸にたいする自意識はあるんですよ。（続く） http://t.co/KOC04Lp3

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(3)（承前）自意識があるからこそないように装う、というような自意識がまったくない。それは最初から自意識がないよりも、恥ずかしいことだと思う。観客のナルシシズムは刺激するんでしょうけどね。（続く） http://t.co/KOC04Lp3

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(4)（承前）最初から自意識がないならないで、それはまた志ん生みたいでカッコいいけどね。志らくさんがそういうタイプだと思う。談春さんは、自意識の自意識が横溢しているからね」 http://t.co/KOC04Lp3

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(5)　自意識があることへの自意識がある談春、それがない小朝、そもそも自意識がない志らく、という対比が私にはおもしろかった。その発言を念頭において志らく著『談志のことば』を読むとまたおもしろい。 http://t.co/KOC04Lp3

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(6)志らくに対し、談春は「本当の追悼は語らずにいることだ、という意味が志らくにはわかるまい」という主旨のことを言っているらしい（それを志らくが告げ口したら高田文夫は「あいつは武士か」とつっこんだ、というのが笑える）。 http://t.co/KOC04Lp3

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(7)まさに「自意識の自意識」と「自意識の欠落」だ。志らくの著書は全篇これ「MY 談志」の表明で貫かれている。そういうことは確かに談春にはできないだろうと思うのだ。私は、立川談春という人は、度し難い照れ屋なのではないかと思う。 http://t.co/KOC04Lp3

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(8)『談志のことば』で志らくは、談春の芸も文章も、すべて談志のコピーであると指摘している。文章に関していえば、たしかにルビなどの言葉の用法は談志に似ているが、談春のオリジナルの部分も大きいと私は考える。それは、いいのだけど（続く） http://t.co/KOC04Lp3

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(9)（承前）談春は、余計な言葉を発さずに芸ですべてを表現することがいちばんの追悼であると考えているのではないか（想像で書いて失礼だが、私はそう思う）。それが「自意識の自意識」の人らしい態度だと私は思う。 http://t.co/KOC04Lp3

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(終)そんなわけで、紹介した２冊を併せ読んで私はいろいろと想像を逞しくしたのでした。『名跡問答』には石原慎太郎の追悼文も併録されている。今の石原は好きではないが、談志に対する気持ちが素直に伝わってきて、これ自体は好感の持てる文章だった。 http://t.co/KOC04Lp3

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以上でした。長文失礼。どっとはらい。