NHK・クローズアップ現代「“ミサイル”発射~北朝鮮で何が~」 書き起こし・ほぼ完全版 #nhk
- toshihiro36
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エバンス・リビア:私は金総書記の死によって、ミサイル発射が確実になったと考えています。正恩氏が権力を継承し、国を統治していることを示すには、発射以外の選択肢は思いつかないのでしょう。
2012-04-12 21:21:45エバンス・リビア:核兵器開発や核実験の凍結、こうした合意はアメリカにとってきわめて重要なことなので、北朝鮮は打ち上げを行っても合意は無効にならないだろうと計算しているんです。
2012-04-12 21:26:37<ナレーション> さらに正恩氏を中心とする新しい指導部が、今後ミサイル開発を加速させるという見方も出始めています。2009年のミサイル発射、その現場で正恩氏と握手する人物。ミサイル開発の責任者の一人、チュ・ギュチャン氏です。そのチュ氏が今年2月、表舞台に登場しました。
2012-04-12 21:31:13<ナレーション> 軍人ではなかったチュ氏が、突然軍の幹部・上将に就任したのです。指導部はミサイル開発に関わった人々を、次々と抜擢しています。北朝鮮の放送や出版物を分析しその動向を探っている、韓国のチョン・ソンジャン氏です。
2012-04-12 21:35:33チョン・ソンジャン:指導部は経済を立て直すためには、アメリカの力が不可欠だとわかっています。しかし、おとなしくしていてはアメリカは譲歩しない。長距離弾道ミサイルそして核兵器を併せ持つことで、アメリカとの対等な交渉が可能になると考えているのです。朝鮮半島の緊張はより高まるでしょう。
2012-04-12 21:40:20スタジオに戻ります
国谷:今夜は北朝鮮の首都・平壌で取材を続けています塚本記者と中継がつながっています。塚本さん、国際社会からは事実上のミサイルの発射だという風に非難されているわけですけれども。現地で取材していて、こうした海外の見方というのはどのように受け止められているんでしょうか?
2012-04-12 21:44:38塚本:そうした見方に対して北朝鮮の人たちは強く反発しています。昨日訪れた金日成総合大学で学生に「国際社会からは非難が出ていますよね」と聞いてみたところ、学生は「新聞などでよく知っている」と話した上で、「外国はミサイルと批判しているが、どの国にも認められた人工衛星の打ち上げが
2012-04-12 21:50:16塚本:なぜダメというのか理解できない」と反論していました。発射について国の科学技術の発展ぶりを示す象徴として受け止めている北朝鮮の人たちと、政治的な思惑や軍事的な側面を見出す私たちとの意識の差には大きな隔たりがあります。
2012-04-12 21:55:08国谷:今回、異例ともいえる透明性を海外にアピールしようとしている姿勢が印象的なんですけれども。実際に海外メディアを発射場に案内するなどしていますけれども。これまで6日間北朝鮮で取材を続けてきて、どんな実感を持たれますか?
2012-04-12 21:59:33塚本:たしかに発射台の取材などこれまで考えられなかったですし、そこでは撮影の制限もありませんでした。軍事利用の意図はないと印象付けようという狙いを感じました。ただ昨日行われた衛星の管理センターでの質疑応答でも、海外で疑問に思われていることすべてに明快な回答があったわけではない。
2012-04-12 22:04:11塚本:今日発射が行われなかったことについての説明も、これまでのところありません。あす以降いつ発射が行われるのか知らされないまま、私たち外国メディアは平壌のホテルに設けられたプレスセンターで待機を余儀なくされています。
2012-04-12 22:10:03国谷:平壌の塚本記者でした。 さて、北朝鮮は事実上のミサイルの発射を強行しようとしているわけですけれども、実は北朝鮮は2006年、2009年にミサイルの発射をしたあと核実験も行っています。こうした北朝鮮に対して対応に苦慮しているのが、とりわけ影響力が強い中国とアメリカです。
2012-04-12 22:14:57VTRが流れます
<ナレーション> 今月1日、アメリカの衛星が撮影した北朝鮮の核実験場の写真です。写っていたのは積み上げられた大量の土砂。そして、その右上には地下に向かう新たなトンネルの入り口が確認されました。核実験の準備だとみられています。
2012-04-12 22:20:25<ナレーション> これまでも繰り返されてきた挑発。アメリカのオバマ大統領は、今後北朝鮮の瀬戸際外交に妥協をせず、強い姿勢で臨むことを宣言しています。
2012-04-12 22:23:02<ナレーション> しかし今、アメリカは難しい対応を迫られています。先月末、北朝鮮との間で非公式な協議が行われました。協議にはアメリカ政府の元高官、エバンス・リビア氏も参加していました。リビア氏は「このままではアメリカ政府が約束した食糧支援は取りやめになるだろう」と警告しました。
2012-04-12 22:29:47リビア氏:「北朝鮮の主権を侵すような対応をアメリカがとった場合には、それ相応の行動をとる」と彼らは言ってきたのです。すなわち、本当に核実験を行う可能性もあるということです。
2012-04-12 22:34:24<ナレーション> 米朝合意では食糧支援と引き換えに、北朝鮮が核実験を凍結することになっています。食糧支援を中止したら核実験を行う恰好の口実を与えてしまうとアメリカは懸念しているのです。
2012-04-12 22:37:31リビア氏:オバマ政権は難しい立場に置かれています。北朝鮮のミサイル発射によって、他の合意まで無効になるのは大きな痛手です。核実験を阻止するために、ミサイル発射について見て見ぬふりをするかどうか、決断を迫られているのです。
2012-04-12 22:41:10ナレーション> 一方、北朝鮮を長年支えてきた中国も対応に苦慮しています。3年前、北朝鮮が人工衛星と称してミサイルを発射した時、中国は北朝鮮の擁護にまわりました。その中国でさえ今回のミサイル発射に関しては、自制を求めてきました。
2012-04-12 22:53:04