『検事失格』(市川寛・著)の感想

市川さんが書いたこの本からは、学習や人間の成長の本質が学べる。自分の感覚を大切にすることの意味も学べる。そういった感想。
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木下秀明 @khideaki

検事失格①この本はまだ途中までしか読んでいないのだが多くの示唆を与えられるものとして感銘を受けた。この感覚がある内にツイートしておこう。市川さんの足跡を見るとそこには失敗から学ぶ学習とそれによる成長というものを強く感じる。安冨歩さんの考え方の正しさを見る感じがしてそこに感銘した。

2012-04-21 12:22:22
木下秀明 @khideaki

検事失格②市川さんは失敗し間違いを犯した検事だ。しかしそれは市川さんがそう自覚できたからこそ尊いものになる。多くの検事は間違いを犯してもそれが自覚できないでいる。だから今の検察のデタラメな状態が生まれている。多くの検事は外から指摘されないと自分の間違いが分からない。学習できない。

2012-04-21 12:25:26
木下秀明 @khideaki

検事失格③本質的な学習のきっかけは間違いを正しく認識する誤謬論を持つことだ。誤謬を正しく受け止めてそこから本質に切り込む思考をすることで本当の学習が出来る。安冨歩さんが指摘することでもあり、僕が師と仰ぐ三浦つとむさんの考えにも通じるところだ。市川さんの誤謬の感覚は素晴らしい。

2012-04-21 12:29:11
木下秀明 @khideaki

検事失格④市川さんの言葉に感銘するのは、市川さんが自分の感覚を失わずにおかしいと感じることをそのままおかしいと感じているところだ。これは安冨さんが本当の学習の出発点として語っていたものだ。市川さんは高松で検事が被疑者を呼び捨てにしていたのに衝撃を受ける。普通の検事ならそう感じない

2012-04-21 12:33:28
木下秀明 @khideaki

検事失格⑤相手にレッテルを貼って、それ以外の見方が出来なくなればそこから学習することは出来ない。そこで学習するにはレッテルを乗り越える自分の感覚を信じなければならない。市川さんにはその資質があった。普通の検事は、出世のためにその感覚を捨てる。他の仕事でもそうだ。教員の世界でも。

2012-04-21 12:38:22
木下秀明 @khideaki

検事失格⑥安冨歩さんは、出世するタイプの人間は強いハラスメントの資質を持っていることを指摘していた。市川さんが記述する検事の世界を見ると、それが正しいことを強く感じる。被疑者にプレッシャーを与えて供述を取る姿がそのまま上司と部下の関係になっている。そしてそういう人間が出世している

2012-04-21 12:44:04
木下秀明 @khideaki

検事失格⑦市川さんの学習が深いと感じるのは、普通の人間であれば常識の範囲でとどまる理解に対して、その正反対にまで踏み込んだ理解を実感として捉えているところだ。これは優れた弁証法的思考だ。優れた仕事には、意識せずとも正しく適用された優れた弁証法が発見できる。

2012-04-21 12:50:27
木下秀明 @khideaki

検事失格⑧市川さんは「人が人殺しまでやるからにはよほどの深いわけがある」と書いている。これは一般論として語ることは出来る。しかし実感を込めて語ることは難しい。その実感が市川さんにはこもっているのを僕は感じる。それが実感できたのは市川さんが自分の感覚を失わない人だったからではないか

2012-04-21 12:59:06
木下秀明 @khideaki

検事失格⑨市川さんはこんなことも書いている「検事はひたすら自白をもぎ取るのが仕事なのか?検事はひたすら起訴して人を前科者に仕立て上げるのが仕事なのか?おかしいじゃないか」これはとてもまともな疑問だがおそらく検事の中では異端だろう。自分の気持ちに素直だからだ。だがこれが学習の資質だ

2012-04-21 13:18:29
木下秀明 @khideaki

検事失格⑩「何か変だ」と感じるセンスというものが学習への第一歩ではないかと言うことが僕が安冨さんから学んだことだ。市川さんにはそれがある。そしてそれを押さえ込むことが出来なかったというのが市川さんの素晴らしさだ。学校優等生は、それを押さえ込んで世間的な成功を勝ち取る。

2012-04-21 13:21:07
木下秀明 @khideaki

検事失格⑪とりあえず半分だけ読んだ感想を書き留めておいた。感銘が新鮮な内に書き留めておきたかったからだ。残りの半分を読んだ後でまた続きを書こうと思う。自分とは違う視点で、しかも感銘を受ける見方を知ったときは、誰かに話したくなるほど嬉しくなるものだ。

2012-04-21 13:31:09
木下秀明 @khideaki

検事失格⑫第五章の「大罪」は実にいろいろなことを考えさせてくれる貴重な記録だ。これは市川さんにしかかけないものかもしれない。これによって考察できることはたくさんある。日本における組織がなぜ思考停止に陥るのか。なぜ間違いを途中で改める方向に舵を切れないのか。その意味が分かる。

2012-04-22 00:16:25
木下秀明 @khideaki

検事失格⑬市川さんは、佐賀市農協背任事件に関して、自分が感じたことをそのまま書いているように僕は感じる。だが人によってはそれを自分がやったことの言い訳のように受け取る人がいるかもしれない。これは感性の問題だと思うが、そこから得られる情報が貴重だと思うだけに僕は正直な告白だと思う。

2012-04-22 00:18:40
木下秀明 @khideaki

検事失格⑭そもそも失敗の原因を作ったのは市川さんの上司が、非常識で自分のことしか考えない出世主義者だったのでデタラメな指示をしたことが原因だと分かる。市川さんに責任があるとすれば、それを理解していながらも反対が出来なかったという点だろう。だがどうして反対できなかったかもよく分かる

2012-04-22 00:20:52
木下秀明 @khideaki

検事失格⑮日本社会の特質は、旧日本軍などを考えても、デタラメな決定に対して誰も反対できず、誰も責任を取らないという体質を持っていることだ。宮台真司さんが指摘していた。この体質が検察にもあることが見事に描かれている。これは検察内部の感覚の持ち主には気づかれない。見えないものだ。

2012-04-22 00:23:42
木下秀明 @khideaki

検事失格⑯それが市川さんに見えるというのはどうしてだろうか。これは考察に値する貴重な点だ。優秀な人間が集まっているはずの検察で、これだけデタラメな判断が通って、誰も止められないと言うことも事実として受け止めて考察しなければならない。空気にあらがえないのはどうしてなんだろうか。

2012-04-22 00:25:43
木下秀明 @khideaki

検事失格⑰市川さんは捜査も取り調べも起訴もすべてデタラメだと理解していながらも、それを止めることが出来ずに最後まで行かなければならなかった。それは市川さん個人の弱さだけに帰するのは合理的ではない。検察の、もっと大きく考えれば日本社会のどのシステムがダメでこうなっているのだろうか?

2012-04-22 00:28:57
木下秀明 @khideaki

検事失格⑱一度決めてしまったことは、間違っていると気づいても最後まで行くしかない。そういう市川さんの思いは何によって育てられたのか?また、責任という貧乏くじを引くのがなぜ市川さんなのか?デタラメな指揮を執った人間は何も責任を取らずに真実の中で苦しむ人間が責任を取らされる。

2012-04-22 00:32:08
木下秀明 @khideaki

検事失格⑲市川さんの告白は、空気の研究にとって実に貴重な情報を与えてくれる。これは単にいいわけとして書かれているのではない。むしろ、このような空気の圧力によって苦しむ人間を出さないために、この貴重な情報を生かすべきなのではないかと思う。タブーに触れようとすると僕でも圧力を感じる。

2012-04-22 00:35:00
木下秀明 @khideaki

検事失格⑳空気というのはある種のレッテル貼りが固まっているところに存在する。市川さんも、検事はこうあるべきだという思いにとらわれていた。これは安冨さんが指摘するハラスメントが役立ちそうな分野だ。ハラスメントの連鎖が空気の圧力のシステムを生む。ハラスメントを断ち切らないと解決はない

2012-04-22 00:38:21
木下秀明 @khideaki

検事失格21:市川さんの次の指摘は書き残しておく価値がある。「検事だって間違いは犯す。だが、その間違いをすぐに正直に報告して、上司と一緒に知恵を出し合えば助かる事件は山ほどある。それなのに「問題が起きました」と報告しただけで上司から咎められるから、その苦痛から逃れたい一心で…続く

2012-04-22 11:00:46
木下秀明 @khideaki

検事失格22:「続き…一心で問題を隠してしまう。すると、もはや手の施しようのないところまで問題が大きくならないと、外からは分からなくなる。最大級の悪循環だ。」誤謬は修正のきく小さい内に早期発見しなければならない。しかし多くの場合は、修正のきかない状況になって明るみに出る。

2012-04-22 11:03:04
木下秀明 @khideaki

検事失格23:誤謬が小さい内に出せるようなシステムが、大きな誤謬を避けるシステムになる。安冨さんが語るフィードバックという考え方の入るシステムになる。市川さんの提言はそのようなものだ。多くの人が教訓として心にとめる価値がある。小さいミスは非難するのでなくその指摘に感謝すべきだ。

2012-04-22 11:08:54
木下秀明 @khideaki

検事失格24:次の指摘も書き留めておく価値がある。「近時、大いに議論されている取り調べの全面可視化は、被疑者・参考人が「拷問」に遭わないようにする為もあるが、取り調べた側の検事が「ひょっとしたら、俺が覚えていないだけじゃないのか?」と悩んだり後悔しないためにも、必要なのでは…続く

2012-04-22 11:28:39
木下秀明 @khideaki

検事失格24:次の指摘も書き留めておく価値がある。「近時、大いに議論されている取り調べの全面可視化は、被疑者・参考人が「拷問」に遭わないようにする為もあるが、取り調べた側の検事が「ひょっとしたら、俺が覚えていないだけじゃないのか?」と悩んだり後悔しないためにも、必要なのでは…続く

2012-04-22 11:28:39