パパ・タラフマラ ストリートオブクロコダイル計画1

演出家 小池博史さんによる解説
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小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」⑧ 迷宮に入り込んでいく話。狭い街であるにもかかわらず迷宮構造を持ってしまっている街。シュルツの短編「大鰐通り」自体が不思議な印象の残る小説であるが、輪を掛けて混沌とさせたのが本作品。スッキリしつつの混沌は次の「SOC2」へと向かうことになる

2012-04-24 00:54:59
小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」⑦ 批評などはまるっきり出なくなっていた。舞台作品は、きわめてわかりやすいものを批評も客も喜ぶようになっていく。状況は最悪へと向かっていった。21世紀になって希望が見出せるかと思いきや、全然ダメかも、との思いはどんどん強くなった。

2012-04-24 00:53:12
小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」⑥ 一方、私の作品は、ますます混沌としていくことになる。つまり、単純化する方向性、画一的な方向性では舞台芸術ひとつとっても面白い方向になど向かうわけがないと思った。しかし、作品も批評家も、単純な方向しか見出せないかの如くであった。

2012-04-24 00:51:52
小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」⑤ その後どうなったかと言えば、ますますその傾向を強くしていったのが日本の姿であった。混沌へ向かうというのならば、面白さもあるが、混沌ではない。単純化、わかりやすさへと向かう。混沌はますます嫌われていった。

2012-04-24 00:51:12
小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」④ 思いこみと内部へ内部へと向かっていく方向性が、強く2003年の日本だと思った。それが作品制作の起点である。そしてどこへ行くかわからない。どんどん迷路に入り込んでいくような状況がまさにその当時の日本であったと言えるだろう。

2012-04-24 00:50:09
小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」③ アンジェイワイダ、ロマンポランスキー、ブルーノシュルツ、ヴィトルドゴンブロヴィチ、グロトフスキー、タデウスカントール等々、不思議な冷たさこそが共通基盤であるが如き作品群を、みんな作っていたのである。

2012-04-23 23:00:42
小池博史 @koikehiroshi

「ストリートオブクロコダイル計画1」② ポーランドはドイツ、ソ連等の強国に囲まれ、常に悲哀を味わってきた地域である。シュルツ自身はユダヤ人であったために、殺されてしまったが、ポーランド人の世界観は、小説家ばかりではなく、映画監督、舞台演出家の作品を見ても特異であり、驚異である。

2012-04-23 22:53:34
小池博史 @koikehiroshi

第三十八回作品「ストリートオブクロコダイル計画1」① 2003年7月 スカイザバスハウスにて上演。ポーランドの作家、ブルーノシュルツはとても大切で重要な作家であった。クエイ兄弟の「ストリートオブクロコダイル」は有名だが、私にとっては、何と言ってもシュルツだ。

2012-04-23 22:52:19