- toshihiro36
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<ナレーション> 「長期間にわたる全交流電源喪失は、送電線の復旧または非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない」
2012-04-30 11:03:06<ナレーション> 世界は早くから電源喪失のリスクに目を向けていました。アメリカで検証が始まったきっかけは、やはりスリーマイル島の事故でした。1988年、NRCは重大事故を防ぐには個別の原発特有の脆弱性を調査する必要があると発表。
2012-04-30 11:06:49<ナレーション> そして5つの原発を選び出し、どんな事故が起こりうるのか調べました。その結果、電源喪失した場合の問題が浮かび上がります。
2012-04-30 11:09:00デントン:調査の結果、原発にとって最大の危機は電源を喪失することだと分かりました。電源喪失はどのメーカーの原発でも、致命的な事態を引き起こすのです。ちょうどパラシュートを持たずに、飛行機から飛び降りるようなものです。
2012-04-30 11:13:07ミラー博士:NRCは9.11のあと、テロリストがこれまで想定していなかった方法で原発に損傷を与えることができるのか、警備の脆弱性を検証した。その結果、NRCは迅速に対応することが必要だと結論づけた。
2012-04-30 11:19:01<ナレーション> 命じられた対策のひとつ、持ち運び可能な非常用電源カート。交流電源を喪失したとき駆けつけて、原発の計器類に電力を供給します。
2012-04-30 11:23:28作業員:これは外部電源もディーゼル電源も全ての電源を喪失した緊急時に使うものです。まだ使ったことはありません。予備の予備の予備なのです。
2012-04-30 11:26:20<ナレーション> 日本の原子力安全・保安院は職員をアメリカに派遣し、NRCから説明を受けていました。しかしその内容は十分活かされず、長期間にわたる全電源喪失は考慮する必要はないとされたままだったのです。
2012-04-30 11:30:15<ナレーション> 交流電源が止まっても、独自の電源で原子炉に冷却水を送り続ける設備です。通常、原子炉を冷却しているものとは別にA・B2系統の冷却水を送り込むシステム。そしてそれぞれを動かす非常用発電機からなっています。
2012-04-30 11:41:06<ナレーション> 非常用発電機は厳重な防水扉で仕切られた内部にあり、洪水でも水没しないように守られています。交流電源を喪失し、大量の水に襲われても大丈夫なように備えています。さらに力を入れているのは、電源喪失という非常事態でも正確な判断が下せるよう、職員を訓練すること。
2012-04-30 11:45:48<ナレーション> 訓練室です。原発のコントロールルームと全く同じものが作られています。ここで全電源喪失事故が再現されます。通常の運転をしていると突然電源が失われ、原子炉はコントロール不能に陥ります。
2012-04-30 11:49:47レーマン:訓練は実際の事故さながらに行います。例えば、エンジニアをわざわざ探し、呼びに行かなければなりません。そして原子炉で何が起こっているのか、何も情報がない中で判断しなければなりません。原因はどこにあるのか・どんな対策をすべきかすぐに判断を下さなければならないのです。
2012-04-30 11:57:21ペロー:全交流電源喪失は1980年代には、安全対策を考える上で基本中の基本だった。何日間も非常用電源で持ちこたえるように、対策を考えなければならないのです。日本で電源喪失の可能性が長い間無視されていたことに非常に驚きます。
2012-04-30 12:03:00<ナレーション> 人口780万のスイスは、もともと地球温暖化対策もあって原発を推進していました。九州ほどの広さの国土に5つの原発を持ち、3つの新規建設の予定があったのです。しかし原発推進の政府の姿勢は、福島の事故後揺らぎました。
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