リスクに関する対照的な意見

あまりにも対照的だったのでまとめてみました。
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「小さいリスクがある」は「たいして危険ではない」

菊池誠(多言) @kikumaco_x

何度でも書きますが、平時の基準である過剰被曝年間1mSvというのは、それを超えたからどうなるという数値ではありません。超えたとたんにどうにかなるような基準では役に立たない。平時というのは、それが何十年も続くということ。そして、年間1mSvは自然被曝の地域差と同程度です

2012-05-01 09:27:58
菊池誠(多言) @kikumaco_x

「閾値なし」は低線量でもリスクがあることを示していますが、「線形」は低線量ほどリスクが小さいことを表します。「閾値がないから、どんな低線量でも危険」とだけ言う人は、そもそもリスクの概念がわかっていません。LNTは、「どんな線量でもリスクはあり、低線量ほどリスクは小さい」ということ

2012-05-01 14:56:19
菊池誠(多言) @kikumaco_x

「リスクがある」は「危険」という日本語が意味するものとはだいぶ違いますよ。「小さなリスクがある」は、すごくぶっちゃけて言えば、「たいして危険ではない」という意味ですよね

2012-05-01 15:02:27

「リスク低い」=「安全」と誤解している人たちがいる

dabitur @dabitur

あと「リスク低い」=「安全」だと誤解している感じがあるよね。日本語が不自由なだけだと思うが、それでいったら今も昔も原発は安全だよね。過酷事故が起きる確率は極めて低いからである。

2012-05-01 13:59:20
dabitur @dabitur

こういう考えだから放射能をこわがるひとが「リスクゼロ」を求めているように見えてしまうのだろう。リスクゼロなんて求めてないから多くのひとが自主避難しないで関東や東北に住んでるのにね。

2012-05-01 14:03:48
dabitur @dabitur

多くのひとは「リスク低い」を「危険」だと認識してそれと折り合いをつけて生活しているのに、インターネットではそれがわからなそうがひとが複数見つかるということ。でももしかしたらその折り合いの付け方のひとつが「リスク低い」を「安全」だと解釈することかもしれないね。

2012-05-01 14:10:29
dabitur @dabitur

だから、むしろ「リスク低い=安全」とみなすひとのほうが「ゼロリスク」を求めているように見えちゃうんだよな。本人たちは「リスク低い」ということを認めているからおかしなことなんだけど、「安全」とことさら言うことで、リスクの意味(危険の確率)がすり替わってるように感じちゃうのだろう。

2012-05-01 14:13:40
dabitur @dabitur

そう考えるとこれは「原発安全神話」と全く同じである。そりゃあ「リスク低い=安全」と思いこんでいたら、それ以上安全対策や防災対策なんてしないよね。コストかかるしさ。海外からの助言にも耳を貸す気にはなれないだろう。

2012-05-01 14:20:26
dabitur @dabitur

で、どかーんですよ。もともと「リスク低い=安全」と思っていたひとたちはだから他人事で「不運だった、リスクは極めて低かったのに」という気分なんじゃなかろうか。

2012-05-01 14:28:42
dabitur @dabitur

こう考えると「放射能安全神話」もたぶんそうなるよね。病気が多発しても「不運だった、リスクはきわめて低かったのに」といって他人事のように傍観するひとがたくさんでてくるんじゃなかろうか。「リスク低い=安全」と考えてるなら、そうならざるをえないはずである。

2012-05-01 14:32:03
dabitur @dabitur

というわけで、「放射能安全神話」は、より丁寧にみれば「健康被害のリスク低い=安全」説なのだと思う。行政や学会が「100m以下は安全」といっていたことの意味も、詳しくいえばそういうことではないだろうか。

2012-05-01 14:45:58
dabitur @dabitur

だから「除染しましょう」と「住んでも安全です」という主張が同時に(矛盾なく)できるし、いわれたほうは「安全」ということばの意味が曲解されていておかしい(矛盾がある)ように思える。じっさい後者の感覚のほうが一般的で、ほかの業界だったらありそうにない話法だろう。

2012-05-01 14:49:52
dabitur @dabitur

常識で考えて、たとえば「安全運転」は、「リスクが低くなるように運転する」の意味ではいわないよね。「事故がないように運転する」ということでしょ。でも原子力業界や放射能をめぐる言説ではそうならない。「事故がないように運転する」は、下手をしたらゼロリスク信仰だといって批判の的になる(笑

2012-05-01 14:53:36
dabitur @dabitur

ふつうひとはそう考えない。「事故が起きるかもしれない」(リスクがある)から「事故が起きないように」(危険な目に遭わないように)運転するんだよね。でも原子力業界や放射能言説ではねじれがあって「事故は起きるかもしれないだけ」(リスクはあるけどきわめて低い)から「安全」だとなる。

2012-05-01 14:57:12
dabitur @dabitur

彼らにとってはおそらく「リスクが高い=危険」なんだよね。危険の確率(や蓋然性)が高いと「危険」。たとえば飲酒運転は事故を起こしやすいから危険とかね。この点では一般の通念と合致していてとくに問題は起きないように思う。

2012-05-01 15:10:13
dabitur @dabitur

でも問題はきわめてリスクが低い場合だ。過酷事故も低線量被曝もそうだ。彼らが極めて確率(リスク)の低い過酷事故が一度起きただけで脱原発にまわることなど論理的はありえず、いまそう見えているとしたら、ただ単に猫をかぶっているだけだろう。

2012-05-01 15:12:59
dabitur @dabitur

確率の極めて低い事象が一度起きたからといって確率が変わることはないからである。いまもむかしも原発は「過酷事故のリスクが低い=安全」な代物だろう。しいてあげれば、過酷事故の経済的なコストの計算を間違えていた(ことがあらわになった)程度ではないか。

2012-05-01 15:15:33
dabitur @dabitur

読. 安全の定義らしきものが書いてあっておもしろい. / 日本放射線技術学会(2011)『放射線安全管理学』(改訂2版) http://t.co/GS6SNvUU

2012-05-01 18:02:38
dabitur @dabitur

「安全とは、リスクが全くない状態ではなく、日常生活の中では安全と感じていても、容認できるレベルのリスクがつねに存在していることを理解しなければならない」(ibid., p.46)

2012-05-01 18:05:07
dabitur @dabitur

定義になってないよね(笑

2012-05-01 18:05:32
dabitur @dabitur

こりゃなんか「低リスク=安全」説の矛盾を象徴しているようでいい箇所である。

2012-05-01 18:06:33
dabitur @dabitur

別の箇所ではこうある:「安全(Safety):安全性とは損傷に対する受容できないリスクがないこと。すなわち安全といえども、受容できるリスクはつねに存在していることを忘れてはならない」(p.47)

2012-05-01 18:09:55