茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第５８８回「なかなか人に言えない、ぼくについての恥ずかしい事実」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！

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ヤクルトからコーヒーへの、黄金のリレー、完成！

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ごはんを食べているときに思いついたのだけど、ロシア大統領が好きなデザートは。。。。。プーチン・プリン！　　　エブリバディ・プーチン！

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連続ツイート、第５８８回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、なかなか他人には言えない、ぼくの恥ずかしい事実について！

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なぼ（１）あれは数年前のことだったか。東大の駒場キャンパスかどこかで、池上高志（@alltbl）と話していて、池上が、「三島由紀夫の豊饒の海は、いいよな！　あれを読んでいないやつは、信じられないよな！」と叫んだので、ぼくも、「そうだそうだ！」と同意した。

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なぼ（２）池上に同意したことはいいのだが、実は二つだけ問題があった。一つは、ぼくは実はその時点で『豊饒の海』を読んだことがなかったこと。もう一つは、タイトルを、１０％くらいの確率で、なんとなく、「ほうぎょうのうみ」と読むんじゃないか、という気がしていたということ。

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なぼ（３）池上がそう言っていたので、ぼくはあわてて読んだ。「春の雪」「奔馬」、「暁の寺」、「天人五衰」。一ヶ月くらい経ったとき、池上に会って、『豊饒の海』、いいよな。と会話を続けたが、内心ひやひやだった。もちろん、その後すぐにばらしたけど。性格的に隠しておけないんだよね。

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なぼ（４）誰もが読んでおくべき、見ておくべき名作でありながら、自分はまだ、という事実は、なかなか人には言えない恥ずかしい事実なのではないか。何を隠そう、ぼくはまだ「失われた時を求めて」の、マドレーヌから先を読んでいない。「１００年の孤独」は、２、３ページしか読んでいない。

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なぼ（５）トルストイの『戦争と平和』は、「よし、読むぞ！」と気合いを入れて買ったものの、途中で挫折している。『アンナ・カレーニナ』は、ずっと『アンナ・カレニーナ』だと思っていた。数年前読んだら、感動的にすばらしい話だった。『戦争と平和』も本当は読まなくちゃいけないんだけど。

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なぼ（６）途中で挫折した名作は数限りな。学生時代、『旅芸人の記録』をビデオ屋で借りてきて、途中で落ちた。なぜか、『天井桟敷の人々』も途中で落ちて、それ以来こわくて見れないでいる。面白いらしいんだけど。あと、黒沢だと、実は『どですかでん』を見ていないなんて、口が裂けても言えない。

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なぼ（７）ぼくは２４の時だったか、実はドストエフスキーをまだ一冊も読んでいない、ってガールフレンドに言ったらそれはよくないと言われて、『罪と罰』を読んだらすごく良くって、『悪霊』とか『白痴』とか、『カラマーゾフの兄弟』とか次々読んだ。２４歳前の自分を振り返ると、恥ずかしいのだ。

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なぼ（８）いろいろ、恥ずかしいことはあるんだよね。たとえば、ジェームズ・ジョイスは、実は『ダブリン市民』しか読み通したことないし（英文）、グレート・ギャッツビーを初めて読んだのは５年くらい前だし（英文）、『赤ずきんちゃん気をつけて』は、いやらしい小説だとずっと誤解していたし。

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なぼ（９）まあさ、人間、長く生きていると、今さら、「実は読んでいません」「実は見ていません」と言えないようなことって、たくさんあるよね。そういうのって、しまっちゃうおじさんがしまっておいてくれないかなあ、と思うけど、ときどきわらわら出てくるので、今朝は太陽に当ててみました。

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以上、連続ツイート第５８８回「なかかな人には言えない、ぼくについての恥ずかしい事実」でした。みなさんも、自分の恥ずかしい事実を書いてみませんか。実はこれを読んでいないとか、これを見ていないとか。